表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/7

プロローグ

「数字が合わない」

低い声。

資料を見ているのは、本部長。

対面に、部長。

本社の会議室。

誰もいない。

「誤差では?」

視線を落としたまま、部長。

本部長は答えない。

ページをめくる。

同じ傾向。

別の案件。

別のチーム。

それでも。

似ている。

「揃いすぎている」

小さく。

沈黙。

「人か」

問いではない。

切り分け。

「……可能性はあります」

否定もしない。

肯定もしない。

「なら違う」

短い。

人間なら。

揃わない。

癖が出る。

揺れる。

だが。

揺れていない。

「削られているな」

部長の指が止まる。

「……何を」

答えない。

別の資料。

ログ。

時系列。

判断履歴。

線が細い。

余白がない。

「過程が見えない」

わずかな頷き。

「結果だけが残っている」

異常だった。

通常なら。

迷いが残る。

試行が残る。

だが。

最初から、そこにあったように。

「再現性は」

「あります」

「精度は」

「高いです」

「……そうか」

沈黙。

「現場を見よう」

決定。

椅子が引かれる。

ドアが開く。

誰も理由を聞かない。

閉まる。

机の上に資料だけが残る。

――一致率:99.8%

わずかな遅れ。

0.2秒。

それが。

誤差ではないことを。

まだ誰も知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ