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守護の記録  作者: ツギハギ
春夏秋冬祭りのアルバム3
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【短編】8p目 鷺沼広大と赤歳色の複雑な想い

「は!?ハチスが戻ってきた!?」


信善寺(しんぜんじ)で、俺と(しき)が店番をしていると、蓮水がウキウキとした顔で近寄ってきたからまた良からぬことを…と思えば、あながち間違いではなかった。


「広大も(しき)も全部は思い出してないけどハチスの記憶は覚えてるでしょー?だからね教えとこうと思って!」


「いやぁここのところマガツヒもおかしくなってるし〜早く思い出させた買ったんだよねえいい機会だったね」


僕天才だわぁ。と余計なことしかしない神様にイラつきつつも、ハチスを思い出す。

暴虐に、傲慢に、けれど仲間思いで人が嫌いな男だった。


マガツヒが生まれてから運命の女神が感染し、あの時すぐに俺たちは動いた。


倒し方もわからない、他の神や妖怪が感染し、人間だけが逃げ惑うのをみて、誰が最初に気づいたのだったか…。


──人には感染しないんじゃないか。


そこからは守護者になり、討伐。


「…ハチス、か」

「会いに行く?」

「本当かどうかわからないし…明日、とりあえず行ってみるか」

「僕は嘘つかないよ!蓮が生まれ変わってきた時も言ったじゃんか!」


蓮水のギャンギャン喚く声に気づく。




……ああ、そうか。


こいつはずっと、狙っていた。

神無蓮が、ハチスを思い出すことを…。いや。



ハチスとして、この世界の英雄になることを。


だから思い出させた。


だから引っ張り出した。


ハチスを。


嬉しいよ、戻ってきてくれて。でもなんだろうな、なんでだろうな。


同時に…文化祭で笑っていた蓮。


朝梨たちと騒いでいた蓮。


くだらないことで落ち込んでいた蓮。


そんな姿を知っているからこそ、


あの無邪気な笑顔が失われるのかと思うと俺は嫌だなと、思ったんだ。

それは、色も同じだったようで複雑な顔をしていた。


俺たちはそんなほんの少しの嫌な気持ちを抱えたまま明日、明日会いに行こうと。

覚悟も決まらないまま、そう決断したのだった。

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