【短編】7p目 来園眠花がいた理由
これは思い出の1ページです
葬儀屋──極楽社
政府にある隅の方部署にて。
「眠花、西城学園方面にある、遺体を回収して来てくださいな」
「……最近西城学園方面、遺体が多くないですか?」
眠花の質問に対して、にこりと笑った上司は書類を眺める。
「神無蓮くんがいるからですよ」
「……不幸を、招くと言いたいんです?」
「ええ。今の彼には神様がついているので比較的不幸がないように思えますね。
ですが、不幸は薄れたのではなく、分散された」
「…分散」
「彼の不幸ってなかなかなんですよ。常人なら死ぬ。
なので、行ってきてください。常人は残念ながら死んでます」
「……わかりました」
「…西城学園、相変わらず広いですね」
赤雷の方で人だかりができているのを見かけ、足を止めてしまう。
なぜかはわからないが、胸騒ぎと歓喜の声が自分の中から聞こえる。
知ってる、この気配を。
ああ。
嗚呼…!
人だかりの中から見かけた青い目と合う。
口の動きで、自分を呼んだのがわかり、目を見開く。
思い出したの?あなた。
私のこと。
どうして今?
なんで?
嬉しい、嬉しくない、嬉しい。
ああ!嬉しい…!!
どうしようもなく、あの人に会えたことに私の中の、もう一人の私が──前世の私が歓喜している。
…認める、認めるしかない。
そうね、嬉しいわ。
また、あの人に会うことができたのだから。
おかえりなさいあなた。待っていました。ずっと、ずっと昔から。




