【短編】6p目 十萊高校演劇 演目 ロミオとジュリエット
「ああ、ロミオ…どうしてあなたはロミオなの…!」
文化祭の照明に照らされたロミオとジュリエットを眺めながら、ふと朝梨は劇が終わってから桃梛に気になることを聞いた。
「……ロミオとジュリエットって神居にいるのかな」
「…急にどうしたの朝梨ちゃん」
「だって、七不思議が居たんだよ?ならロミオとジュリエットが居てもおかしくない?」
「…確かに……」
「よし、聞こう!」
こういうどうでもいいことの決断だけはやけに早い朝梨が桃梛の手を掴んで信善寺に向かう。
こういう時の頼りになる先輩はどうしても鷺沼のイメージが強かった。
「鷺沼先輩居ますか?」
「鷺沼?いるよ〜鷺沼〜」
ピンクの髪の女の人が奥の方で喫茶を満喫してくれた鷺沼を呼ぶ。
「なに、ん?朝梨と桃梛?」
「かわいい子に呼ばれちゃって〜ふふ」
「佳奈」
「わかってるよぉ〜もう。ごゆっくり、奥の方空いてるからね!赤歳も呼ぶ?」
「おもろそうだから呼ぼう」
「なんで呼んだ!俺を!やめろ!」
「あーーー!なんで二人とも執事服着てないの!ダメだ〜〜〜〜」
一人愉快な色を鷺沼は笑う。
「ロミオとジュリエットっているんですか?神居に!っていうのを聞きたくて!」
「はー、なるほどな。先に答えから言うと居るぞ」
「やっぱり!居るんだ!ね、桃梛ちゃん!」
「そうだねぇ」
ニコニコと話している二人を眺めて、色はため息をついた。
ふんっ!と言いながら鷺沼たちが座る席の隣の席に色が座る。
驚いて固まる鷺沼と朝梨と桃梛に、色は怪訝な顔をした。
「…なんだよ」
「いや、座るんだ…と思って」
「…悪いか、俺だって思うところがあったの。
あとこれだけ離れてるな大丈夫なはず。話すくらいなら、まぁね。うん」
向かい合って座る席で、長い椅子の一番端に座り、桃梛たちから離れるように言う。
「まあこいつは女性恐怖症だから許してやってくれ」
「ほんっとだよ!分かってて連れてきたお前最低だからな!」
「慣れろ慣れろ、共学に入ってんのに今だに俺の後ろについてこられるのも嫌なんだよ」
「嫌だったの!?なら言えよ!今度は珊瑚に取り憑くから」
「やめてやれ」
鷺沼と色の会話をテンポのいい会話を聞きつつ、お茶を一口飲む。
すると落ち着いたのか、離れた距離から色が桃梛たちに声をかけた。
「…それよりなに、ロミオとジュリエットの話?」
「え、えと童話って実在するのかなぁって…」
「するよ、シンデレラは東城、白雪姫は信善寺、アラジンは赤雷、緑高に美女と野獣ってそれぞれの地区にいる」
「えー!なんでですか?」
「知らん、なんか似たもの感じたんじゃね?普通に城立ってるよ意味わからん」
「確かに…あそこだけ意味わからんよな」
「日本とか他の国から来たものたちがいすぎなんだよこの国は」
「自由度高いからなぁ〜」
自由度の高い国、根の国。ここにはいろんな生き物がいるのです。




