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守護の記録  作者: ツギハギ
春夏秋冬祭りのアルバム1
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71/147

【短編】1p目  島崎大地

これは、思い出の1ページです。



「出てって!」


投げつけられる皿、包丁、鋏。

痛い。

痛いよ、。


「かあさ」

「あなたにお母さんなんて言われたくない!!」


「私の子どもじゃない!誰よ!返して!!」


叫ぶ母の声に、違うよ、あなた以外に、誰が、居るの。

僕は、


ずる…。


手に違和感を感じて、手を見ると何やら葉っぱのような模様。

次第にそれは腕に。顔に。身体にじわじわと浸食していく。


「いや、いやぁ!化け物!!」


投げられる物が溶けていく。

なにこれ。なんだこれ。

こわい、

「おかあさん、やだ、なんで…」


なんで、いやだよ。

そんな遠いところにいないで。


「こないで!」  


叫ぶ母の声にだんだん涙が流れてくる。


「うぁぁあああん」


なんで。


なんでなの。


【──俺の守護者を傷つけた馬鹿者は貴様か】


声が聞こえた。暗い、暗い影の向こうから。



「ヒッ…なに、もうなんなのよぉ!!!」


錯乱する母に手を伸ばす。

僕が居るよ。泣きながら手を伸ばしたら、誰かに掴まれた。


【良い】


出てきた人の姿に何故か見覚えを感じた。

僕はこの人を、知ってる。


なんで。

懐かしく感じるんだ。


【貴様】


母に指を差したその男は、目を見開き、いつもなら笑うのに、笑みを浮かべることなく告げる。


【この子は俺が貰い受けよう。お前のところでは無理なのであろう?】

「ひ、あ、あなた、誰なの、誰なのぉ!?」

【誰であるかなんぞどうでもよかろう】


【この子を傷つけたその罪、俺が貴様に与えてやる】


ぶわりと圧がかかる。

圧倒的な強者の空気、目の中の三日月が、丸くなっていく。


満月だ。


【貴様は二度とこの子に会うことはできない呪いをかけてやる!!ははは!はははははははははははははは!!!!!!】


暗い、影の向こうに引き摺り込まれた。

見えた先で、錯乱してたはずの母が、手を伸ばしたような気がした。





────きっと、気のせいだろうけど。




【うーむ、超能力が暴走したか】

「まぁ…毒の超能力ですか、危ないですねえ」

柔らかい声が二つ。俺を見る。

「あら、目を覚ましましたか?おはようございます。お名前を聞いてもよろしいですか?」



「……島崎、だいち」

「大地くん!ふふ、私はマリアンヌ・オリオール。マリアンヌと呼んでください、そしてこの人が…」


真っ黒い影の中から出てきたその人は、赤い目の中に三日月を飼っていた。

いつもなら布をつけているのだそうだがその時は、つけていなかったらしい。


【初めまして、大地。俺の名前は(おわる)。呪いの神様だ。

今日からお前を家族にする!!】




嵐のような宣言に、その日俺はこの人の家族になった。

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