脅威
進んだ先にはまたしても大きな扉があった。その奥に次の試験会場であろう場所に着いた。
中はさっきと違い、室内であった。広さはだいたいさっきと同じだったが、違うのは個室で別れているということだった。
「おまたせーっス」
機嫌良さげにナークが、駈けてくる。上手くいったのだろう。ナークは得意げに話し出す。
「聞いてください!ボク、『第十二階魔法』使えたんスよ!」
聞いてみるに、『第十二階魔法』を使ったという。だが、先程調べた限りではナークは、「今の」私よりかは下だが、魔力は高い方ではある。しかし、それは決して『第十二階魔法』を使えるほど大きな器ではなかった。
まぁ、いくらでも考えようはある。このことは後回しだ。それよりもここの試験について聞かねば。
「それよりも、ナーク、この試験はどんな試験なんだ?」
はい!と、良い返事で、話を続けた。
「この試験は剣技の試験です。1人ずつ試験官の元へ行き、行います。3回剣技をおこないます」
「1回目が普通剣技っス」
「そして2回目が固有剣技です」
「そして最後が秘剣技の演技っス。もちろん、威力もそうですけど、技を出すまでの速さだったり、それこそ、戦闘面以外も必要になります。まぁ、美しさは基準ないんで面接官の好みっすね。まー、そんなに気にしなくてもいいっす」
と、一通り話終わった。彼の話し方は一区切りがしっかり間があり聞きやすい。しかし、ナークの話を一通り聞くと、威力だけではダメそうだな。それこそ、威力抑えた、派手な技、とかがいいんだろうか。
と、そんなことを考えているときだった。
試験会場の屋根が、崩れ落ちた。
否、破壊された。と言った方がいい。
なぜなら、屋根に開いた穴はおおよそこの大きな会場の半分ほど、消失していたからだ。
そして、開いた穴の上部に浮遊する者がいた。
姿は二足歩行でこそあるが、体長は軽く3mはあるだろう。色は濃紺、口は裂けているかの如く大きく開かれていた。
それをみた試験管の1人がこう呟く
「アレは、マモン……強欲のマモンだ……」
そう言われた、《化物》はゆっくり口を開いた。
「タリナイ……マダ……チカラガ……タリナイ」
その《化物》は無数の半透明の腕を同じ会場にいた受験者の腹部を貫く。しかし、貫かれた者に傷はなどはない様子だった。
しかし、貫いた手が貫いた者を包み、包まれた者は次々に倒れていく。
マモン……か、マモンのことは知っている。が、あんな化物ではなかったはずだ。
「マダ……タリナイ……オマエノチカラヲ……ヨコセ……」
私に向かい指を差す。
それと同時に無数の手を全て放つ
「オマエノ……スベテ……ヨコセ……」




