入試試験
「入学……ですか。確かに、いいですね。」
その返事が聞けて、正直ホッとした。反対されてしまうのは、とても面倒くさい。賛成をしてくれてよかった。
「ですが、試験に関してのことはどう為さるおつもりですか?試験の内容なと。と言うよりも、まず試験会場はご存知なのですか?」
あ……すっかり忘れていた。どうしたものか困る。
「まぁ、大丈夫ですよ。試験内容についてはお父様に教わったことで十分ですので。」
そう、私の父は昔、魔法術の祖などと呼ばれて、いくつもの魔法や、魔術を生み出して来た。私もその全てを父から教わった。魔法の作り方から、使用法方まで。しかし私には魔法術を使うことに関して才能があまりに無かったが、それでも教え続けた。
「そうですね……ではこれから試験会場へ行きますか。そこまでは近いので徒歩でいきましょう。」
そう言い席を立つ。部屋を出て、管理を他の従者に任せ屋敷を出る。
街道沿いを歩いて大体20分程で目的の場所に着いた。建物自体はそこまで大きくはないが、そこまで小さい訳でも無い。いわゆる、普通の試験会場だ。ただ一つ普通ではありえないような光景を覗いては。
そこは既に人で溢れていた。
「カルル、これは一体どういうことだ。」
「今日がその試験当日です。」
なにもおかしい点はないと、言いたげな表情でいるカルル
「こうなったら覚悟を決めるしかないな……よし。行くか」
半ばやけくそになりつつも会場へ足を踏み出す。
「頑張ってください。」
笑顔で手を振り送るカルルを背に、決意新たにもう一度気合いを入れ直した。
中まで入ると、扉が閉められ、前方から体格の良く、厳ついいかにも教官らしき人物が腕組をしながら、声を張って話し始めた
「やあ、受験生徒の諸君。私は聖衛護高等学院の教官、ナイガス・ファーブルだ。これから試験会場の説明を行う。まず、会場はふたつある。一つは筆記試験場、もうひとつは実技試験場だ。いまから番号の書かれた紙を配布する。」
その声と同時に白いローブに身を包んだ人が何人か現れ順にその番号の書かれた紙を渡していた。私に回ってきた番号は102番だった。
「よし。行き渡ったな。それでは、2つに振り分ける。そうだな……偶数の者たちは右の実技試験場へ、奇数の者たちは左の筆記試験場へ向かえ。私からは以上だ。では、合格できるよう幸運を祈る。」
そう言うと、奥に戻って言った。それと同時に前方の2つの扉が開いた。
その時、後ろから誰かを呼び止める声がした。
「おい、そこのお前、止まれ」
しかし、私が呼び止められる理由はないので無視して進む。すると、また呼び止める声がした。
「止まれ、と言っているだろう。そこの銀髪」
周りを見ても自分以外に銀髪の人はいなかった。つまりは自分を呼んでいる。はぁ、面倒臭い。
「なんですか?」
男は、かなりご立腹の様子で立っていた。格好は際立っていい訳では無いが、薄い金髪が逆立った髪型、顔立ち的には少し良い方だが、なんと言っても目つきが悪い。
「なんですか、だと?ハハッ、全く哀れなやつだ。自分がここにいていいかどうかも分からないとはな。じゃあ教えてやろう。」
「お前らは奴隷民なんだよ」
見下すように笑い、言った。




