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昭和に出会った人たち  作者: 妻戸裕次


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34/43

第34話深夜ラジオと天国行きのヨッパライ

何やねん、これ?

この歌? この声?

このメロディ……?


深夜ラジオのスピーカーから、

いきなり飛び出してきた衝撃。


♪「おらは死んじまっただ〜

 おらは死んじまっただ〜

 天国に行っただ〜」♪


……はぁ!?


夜中に“死んじまっただ”て。

しかも、やけに明るい。


さらに追い打ち。


♪「天国よいとこ一度はおいで

 ねえちゃんはうまいし 酒はきれいだ」♪


ねえちゃんが、うまい??

どないやねん!!


高校の連れは

「酒はうまいし ねえちゃんはきれいだ」と

勝手に正常化して歌っていた。

いや、そっちが正解やろ(笑)


それが

ザ・フォーク・クルセダーズ の

帰って来たヨッパライ。


初めて姿を見たのは

深夜番組の 11PM。


大ノッポ。

中ノッポ。

チビ。


三人並ぶと、まるでマンガ。


その“チビ”が、

人を食ったような顔で言った。


「ナンセンスのなかにこそ意味がある。」


……くぅ〜、カッコつけやがって。


でも、

ワケがわからん。

だから面白い。

常識をひっくり返す感じが、たまらん。


深夜ラジオの向こうから

昭和がニヤリと笑った夜。


僕は、

いっぺんに好きになったのだ。

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