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第32話――ヤァ!ヤァ!ヤァ!とカブトムシ――**
ヤァ!ヤァ!ヤァ!
と、やって来た。
30分一本勝負、武道館へ。
世間はなんやかんやと大騒ぎ。
柔道家??
……誰やねん?
高校生だった僕のまわりで、
連れが一人、また一人、
ギターを持ち始めた。
教室の空気が
ちょっと浮足だつ。
そう、
「ビートルズ」や。
はっぴを着て
(ほんまにハッピーかいな)
ぶどうを持って
(それ、どこ情報やねん)
武道館へやって来たという。
なんやビートルズ!!
直訳したら
「カブトムシ」やないか(笑)
せやけどな、
人生がうまいこと転ばんとき、
壁にぶつかって
頭を抱えたとき、
そっと横におってくれたんは
あんたらやった。
「レット・イット・ビー
レット・イット・ビー」
――なんとかなるさ、なんとかなる。
昭和の真ん中で、
カブトムシは
ちゃんと歌ってた。
ありがとう、ビートルズ。
僕の青春と、
ついでに心も、
ええ具合に転がしてくれて。




