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第27話「季節が頬をそめるころ」
真綿色したシクラメンほど
清しいものはない
ためらいがちにかけた言葉に
驚いたようにふりむく君に
季節が頬をそめて過ぎて……
――小椋佳「シクラメンのかほり」。
何度読んでも、何度聴いても、
胸の奥にすうっと染み込んでくる。
この透明感あふれる詞は、
まるで昭和の空気をそのまま瓶詰めにしたようだ。
季節は頬をそめ、
愛は知らん顔をし、
気づけば、いつのまにか歩き始める。
言葉ひとつで、
世界に体温を与えてしまう――
それが小椋佳の詞なのだろう。
最近、私はすっかり
小椋佳の言葉の世界に浸っている。
「時は私に
めまいだけを残してゆく」
……めまい?
それは比喩なのか、
人生の揺らぎか、
はたまた現実的に注意が必要なサインなのか。
詩の中では美しく揺れるけれど、
現実のめまいは侮れない。
水を飲んで、
少し休んで、
無理はしないこと。
昭和の名曲は、
心をやさしく揺らしながら、
今の私たちに
「立ち止まること」も教えてくれる。
――どうぞ、ご自愛ください。
お大事に!!




