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昭和に出会った人たち  作者: 妻戸裕次


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第12話究極の愛のかたち

彼の職業欄を見て、思わず笑ってしまった。

「学生運動指導者」──エエ加減やね(笑)。それ、職業かい!


彼は1968年10月21日、「国際反戦デー」で逮捕された。

独房の中で、彼が彼女に送った手紙には、こう綴られていた。


「僕の友達はネズミのチューだけ」


その手紙を読んだ彼女は、そこから一曲の歌を生み出す。


ひとりで寝る時にゃよォ― 天井のネズミが 歌ってくれるだろう………


そう、「ひとり寝の子守唄」だ。


彼の名は藤本敏夫(同志社大学中退)。

※フジモンちゃうよ(笑)


そして彼女は、歌手の加藤登紀子。


後に、二人は獄中で結婚する。


藤本敏夫は58歳で肝臓がんにより亡くなった。

闘病中、医師からこう告げられたという。


「いちばんいいのは、恋をすることですよ」


それを聞いた加藤登紀子は、なんと――

夫のために恋人探しをしたという。


まさに、究極の愛だ。


妻よ……彼女の爪の垢でも煎じて飲んでくれや(笑)。

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