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野宿生活再起
しばし呆気にとられていたが、今のヨシオには紫苑の事をいつまでも考えている暇はない。
まずは寝床を何処にするか
日没までには確保しないとと思いつつ、コンビニを後にする。
コンビニを後にしたヨシオは慌ただしいオフィス街に溶け込んでいった。
午前十時。空腹感と喉の渇きが不快なほど意識される。
(とりあえず日陰を探さないと)
歩道橋の階段に腰掛ける老人たちを横目に見ながら考えを巡らせる。
(河原は人が多いな……公園も最近は管理が厳しいし)
思案の末、目をつけたのはオフィス街にある立体駐車場の裏手。
日陰が多く風通しもいい死角となっている。
「おーい兄ちゃん!」
突然の大声に振り返ると、建設現場の作業員が手招きしている。
「昼飯余ってるぞ。食ってくか?」
見ると段ボール箱にはカレー弁当が山積みだ。
「ありがとうございます」
感謝の気持ちを込めて頭を下げる。
駐車場裏に腰を下ろし温かいカレーをすするヨシオの目尻に涙が滲んだ。
かつて自分が捨てた世界との接点がこんな形で戻ってきたのだ。
「よし、明日からは頑張って稼ぐぞ」
独り言を呟きながら財布を確かめる。3,000円の札が三枚。
(とりあえず当座は凌げそうか)




