必然の再会
その時、唐突に声をかけられた。
「あら、またお会いしましたね」
唐突な声に顔を上げると、目の前には小柄な少女が立っていた。
艶やかな紫の髪が肩まで流れるように垂れ下がっている。昨晩と同じ黒いワンピース姿だが今は装飾品が一切ないシンプルな装いだ、紫の髪をなびかせてニコリともせずに冷徹な目でヨシオを見据える月城紫苑。
(こんなところで知り合いに会うとは最悪だ……)
カップ麺の残り半分を急いでかき込む。
「たしか……月城さんだったかな?」
彼女の名前を呼ぶと同時に記憶が蘇る。
あのVIP控室での出来事。
そして今の自分の惨状……
紫苑は微動だにせずヨシオを見据えた。
その瞳は氷のように冷たく、何の感情も読み取れない。
「こんな時間から朝食ですか」
彼女の声は透き通っているが容赦ない棘を含んでいる。
「それも一人でカップ麺とは……何とも侘しい食卓ですこと」
嘲笑とも憐憫ともつかない口調で続けた。
「あの……」
ヨシオが言葉に詰まる。
突然の登場と辛辣な言葉に戸惑っているのが見て取れる。
「わたくし」紫苑が一歩近づく。
「貴方のこと少し調べさせてもらいました」
店内BGMがかき消されるほどの静寂。
ヨシオの動きが凍りついた。
調べた?何のために?
「貴方少しお時間ありますか?」
問いかける眼差しが鋭くなる。
吸い込まれるような紫苑の瞳が妖しく光った。
「わたくし貴方に興味があります」
その瞬間、ヨシオの脳裏を様々な妄想が駆け巡った。
(罠か?警察に連絡されているのか?それとも……)




