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柚希の記し
**翌朝**
空腹感で目を覚ました。
雨は上がり、灰色の雲間から陽光が差し込み始めている。
「飯か……」
バッグパックの中を漁るとカップ麺が、一つと食べかけの食パンが一袋、それにスナック菓子、何れも柚希の家を出る時に失敬した品だ。
冷蔵庫を開けた記憶が蘇る。
咄嗟のことで気がつかなかったが、罪悪感と飢餓感が胃の中で渦を巻く。
「いただきます……」
コンクリートの地面に座り込み、賞味期限が切れた食パンをそのままかじる。乾燥しきっていて砂を噛むようだ。
カップ麺のお湯は近くのコンビニで調達するしかない。
ポケットのを探ってみると小銭の感触があった。
「あれ?」
何か硬いものが触れた。
取り出すとそれは柚希の部屋から拾ったキーホルダーだった。
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