11/47
虚飾の宴 続き
**パーティ会場・立食用テーブルエリア**
「ヨシオ様、お話伺いました」
「私も是非交流を……」
「お酒をお注ぎします!」
次々と詰めかけてくる男女にヨシオは辟易していた。
先程までの疑惑の視線が一転、媚びへつらう笑みに変わっている。
(まるで市場の魚扱いだな)
グラスを片手に壁際へと逃げるヨシオ。しかし—
「ヨシオさん!」
声の方を見ると野村哲夫氏がワインボトルを掲げて近づいてくる。
「少々ご一緒にいかがですかな」
拒否できない圧力を感じながらも無意識に柚希を探す。
しかし彼女の姿は見えない。
(あの子……一体どこへ行った?)
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
**別室・VIP控え室**
「……本当に来ると思ってるの?」
柚希が壁際に追い詰められていた。
相手は先程ヨシオに敵意を示した若者の一人だ。
「当然だろう?」
彼がポケットから封筒を取り出す。
「君のお父さんだってこれを望んでるさ」
「パパがそんなこと……」
「雅也氏が秘密裏に進めている計画だ」
男の声が低く沈んだ。
「次期総理の娘として必要な通過儀礼さ」
柚希の目が恐怖で見開かれた。




