第二章レグルス編 5話 レグルスの王女
第二章、レグルス編開幕。
ラグノリアで出会った金髪の少女、ヴィーラ。
彼女は、レグルス国の第2王女だった。
行方不明になった父王。
操られた姉。
悪神教に支配されつつある国。
そしてヴィーラは、姉と故郷を救うため、シン達に助けを求める。
父オウコの手掛かり。
悪神教の影。
そして、かつてシンが守れなかった少女・みくに似たヴィーラとの出会い。
新たな仲間と共に、シン達はレグルス国へ向かう。
だがそこで待っていたのは、変わり果てた王都と、城に巣食う悪意だった。
APOLLO 第5話
「レグルスの王女」
よろしくお願いします!
アランとコウの模擬戦が終わり、シンとバウスの模擬戦の反省会やアドバイスをしているとアランが1人の少女に気付く。
草原を吹き抜ける風が、静かに草を揺らしていた。
その中で、1人の少女がこちらをじっと見つめている。
身に纏った服は破れ、土埃にまみれている。
長い旅を続けてきたことが一目で分かるほど、その姿は疲弊していた。
白い肌には泥や小さな傷が残り、決して綺麗な姿とは言えない。
それでもなお、目を奪われるほど美しい少女だった。
陽の光を受けた金色の髪が、草原の風に優しく揺れる。
どこか儚げで、今にも消えてしまいそうなその姿に、
シンは思わず目を見開いた。
アラン「ボロボロやがえらいべっぴんさんやな〜」
シン「みく!?」
その姿は、かつて太陽だった頃の彼が唯一守れなかった少女――みくと瓜二つだった。
脳裏に蘇るのは、
自分を庇い、微笑みながら命を落とした彼女の最期。
アラン「なんだシンの知り合いかい!」
コウ「そうなのか?俺はあんな子見たことがないが…」
??金髪の少女「み…く?私はヴィーラです…」
シン「あ…人違い…だよな。」
(そうだよな。顔が似てたけどみくは金髪じゃないし、この世界に…みくはいる訳ないんだ)
落ち込んだ暗い表情のシン
ヴィーラ「あ、あの…あなた達は…」
ヴィーラが言いかけたところで突然倒れる。
コウ「おい!大丈夫か?」
シン「どうしたの?!」
シンとコウが駆け寄る
アラン「なんやなんや急に倒れよったで!?」
バウス「…」
アラン「いや!バウスもなんか言えや!」
バウス「俺は弱いやつには興味がない。」
バウス「こんなやつ放っておけ。早く魔大陸に行くぞ」
アラン「まぁ待てや。この嬢ちゃんもなんか抱えてそうやし、ひとまず医療所に連れてってやろうや」
ーーーーーー
医療所までヴィーラという少女を運んだシン達は医者から容態を聞いていた
医者「ふむ…。」
シン「この子はどうなんだ?大丈夫なのか?」
医者「ただの寝不足と栄養失調ですな。何日も食べていなかったのでしょう」
シン「な、なんだ…」
コウ「とりあえずはよかったな。」
アラン「さて、この嬢ちゃんは俺らになんか言いかけとったが…」
バウス「どうでもいい。医療所までは運んだんだ。それで充分だろう。」
アラン「バウス…お前はもうちょい人に対して優しさってのはないんか?」
バウス「あいにく俺は人助けには興味がない」
アラン「はぁ…なんでこんな子に育ってしまったんやろか…育てかたを間違えてしもた…」
バウス「お前に育てられた覚えはない!そもそもお前と俺が会ったのも2年前だろうが!」
アラン「そやったか?」
アランとバウスの漫才のようなやり取りで場が和む。
ヴィーラ「ん…」
シン「あ!目が覚めたみたい!」
コウ「よかった!大丈夫かい?」
ヴィーラ「あ…わたし…申し訳ありません。ご迷惑をかけてしまったみたいで」
シン「迷惑なんてとんでもない!」
コウ「ところで俺らにようがあるみたいだったが、どうしたんだ?」
ヴィーラ「あの…実は」
言いかけたところでお腹が鳴る
ヴィーラは恥ずかしそうに赤面する
アラン「なんや!腹減っとるんか!なんも食べとらんって医者も言っとったしな!」
コウ「俺らも模擬戦終わって飯を食いに行こうと思ってた。何かの縁だ。一緒に食べるか?」
ヴィーラ「い、いいんですか?」
シン「もちろんだよ!」
ヴィーラ「でも…私…お金が…」
アラン「気にする事はない!全部奢ったる!ここにいるコウの兄貴がな!」
コウ「…おい。なんで俺持ちなんだよ」
アラン「ええやんけ!ちなみにいうと俺とバウスも1文無しや!」
バウス「お前がコウさん達と合流する前に増やしたるっていって博打なんかするからだろうが…」
アランは大笑いしながら場を和ます
コウ「はぁ…まぁ仕方ない。一応当分の資金はじぃじ達からもらってるしな」
そして皆でラグノリアにあるレストランに行く事になった。
大食いするシンとバウス
笑いながら高い料理を注文するアラン
ガツガツと女の子とは思えない程の勢いで食べるヴィーラという少女。
コウ「こいつら全員食わせてたら1週間持たねー気がする…」
コウはため息をつきながら頭を抱えていた
食事が終わり、ヴィーラが口を開く
ヴィーラ「…おほん。お見苦しいところをお見せしました。まずは助けていただき食事までありがとうございます。」
アラン「ええよ!気にすんな」
バウス「お前は払ってないけどな」
コウ「それで一体なんの目的で俺らを探してたんだい?」
ヴィーラ「あの…あなた達を探してると言うよりかは、あなた達のお父様を探していて…」
シン「父さんの事何か知ってるの?!」
シンが勢いよく話しかける。
ヴィーラ「い、いえ。私は面識はないのですが。私の父とオウコ様がお知り合いで」
コウ「君のお父さんが父さんの知り合い?というかなんで俺らが父さんの息子だってわかったんだ?」
ヴィーラ「あの圧倒的な強さ、そして周囲の方々が、あなたをサンダラ家の長男と呼んでいたので」
コウ「あぁ。というか父さんの知り合いが君のお父さんって…」
ヴィーラ「申し遅れました。
改めまして、私はヴィーラ・スカーフェイス。」
ヴィーラ「レオジュライ・スカーフェイス王の娘。レグルス国第2王女です。」
シン「王女様?!」
コウ「レオジュライ王と言えば…父さんから話は聞いたことがある。血気盛んな自分と同じくらい強い王様がいるって…」
アラン「コウとシンの父ちゃんと言えば異種大戦の英雄やろ?そんなのと肩並べるって…控えめに言って化けもんやんけ!」
ヴィーラ「私の父はオウコ様に呼ばれたと言い2年前にアリエルガ国へ赴いたまま帰ってこないのです。なのでオウコ様に直接お会いできれば父の場所もわかるかと…」
コウ「なんだって!父さんから連絡があったっていうのか?!」
シン「そんな!俺らにも一度も連絡なんかなかったのに!」
ヴィーラ「え…?それはどういう?」
シン達は、9年前から行方不明になった父を探していること。
そして、大陸中に広がる病魔の手掛かりを追い、魔大陸を目指していることを話した。
コウの目は、これまでになく真剣だった。
シンは唇をかみながら拳を握った。
ヴィーラは、2人の話を聞くにつれ表情を曇らせていった。
ヴィーラ「そんな…じゃぁ父は一体誰に呼ばれて…」
アラン「なんやキナ臭い話やな〜。連絡とれんくなっとるコウ達の父ちゃん。そんな父ちゃんに呼ばれたっちゅうて行方不明になった王様…」
アラン「だめや!考えてもわからん!」
バウス「…何者かが暗躍してる…と考えるのが妥当だろう。」
シン「何者か?それってなんだよ!」
ヴィーラ「悪神教…でしょうか…」
シン「悪神教??」
コウ「悪神教って確か、悪魔と神様を崇拝してるとかいう胡散臭い教団だろ?」
アラン「なんや!分かっとるなら話直接聞きに行ったらええやんけ!」
バウス「悪神教はそんな簡単な教団じゃねぇ」
シン「そうなのか?」
バウス「それに表立っている悪神教の信者はただの一般人だ。」
アラン「じゃぁそこらの教徒捕まえても無意味っちゅうことかい」
バウス「それに奴らの真の目的は神と悪魔の復活だ…例え世界を壊してでもな…」
強い怒りの眼差しでグラスに目をやるバウス。
バウス「俺の目的の1つもそいつらに関係がある。」
シン「なんかヤバそうな奴らだな…」
コウ「悪神教…か…ヴィーラはどうして父さんを探しているんだ?それよりも王が不在の今、国は一体だれが動かしてる?」
ヴィーラ「はい…話せば長くなるのですが…」
ヴィーラは自分の経緯を語った。
父が2年前に行方不明になる時、娘であり第1王女のレジュ・スカーフェイスが王位と国の全権を握ったこと。
そして姉が何者かに操られ他の国へ戦争を仕掛けようとしてること。
ヴィーラ「姉はいつだって優しく、強く、誰よりも国や民の事を考えている人でした。そんな姉が戦争など起こすはずないと思い、私なりに調べたんです。」
アラン「ほんで姉ちゃんを操ってるのは誰なんや?」
ヴィーラ「操ってる者はおそらく悪神教です。」
ヴィーラ「姉が急に人が変わりだしたのは数ヶ月前…悪神教の幹部と名乗る男が城に出入りするようになってからです。」
ヴィーラ「私が異変に気付いた時には城のほとんどの者が洗脳されていました。私は城を抜け出し、オウコ様や父に助けを求めようとアリエルガに来たのですが…」
コウ「悪神教の幹部…ね」
アラン「こりゃぁそいつらが裏でなんや手引きしとるんわ間違いなさそうやな」
バウス「そいつはどんなやつだ?」
ヴィーラ「私は直接お会いした事はございません。遠目で見た時に仮面を付けた男性だったのは覚えていますが」
コウ「仮面を付けた男…」
ヴィーラ「このままでは大きな戦争が起こってしまいます!どうかお願いです!私の姉を…国を救って頂けないでしょうか!?」
コウ「救うと言ってもな…」
アラン「まぁなんやとりあえずこの嬢ちゃんの国に行ってみるのが手っ取り早いんちゃうか?」
バウス「悪神教が絡んでるなら話は別だ。同行してやる。」
シン「もちろんだ!困ってる人は放っておけない!いいだろコウ兄!」
コウ「まぁまずはレグルス国に行ってみよう。話はそれからだ。」
ヴィーラ「皆様…本当にありがとうございます!」
アラン「とりあえず今日はもう遅い!宿に泊まって明日出発しようや!」
コウ「まさかとは思うが宿代も…」
アラン「もちろんコウの兄貴の奢りや!」
コウ「はぁ…」
また頭を抱えるコウ。
笑いながらそれぞれ宿で休み
次の日の朝レグルスに向けて出発する事にした。
ーーーーーー
シン「ふぅーーよく寝た!」
コウ「シンはほんとに寝相が悪い…」
アラン「なんやコウは寝れんかったんか?」
コウ「色々考えていてな…」
バウス「昨日の悪神教の話か?仮面の男にやけに食いついていたが…」
コウ「いや、俺の考えすぎかもしれない。」
ヴィーラ「皆様!お待たせしました!」
朝の光を受けたヴィーラは、まるで別人のようだった。
ヴィーラ「食事だけでなく、服や宿まで…何から何までありがとうございます。」
コウ「いいよ...気にするな…」
アラン「そやで!気にすることないで!」
バウス「お前は少し気にしろよ…コウさんありがとうございます。」
コウ「いいよいいよ。バウスも仲間なんだから普通に喋ってくれ!」
仲間という言葉に少し嬉しそうに頷くバウス
そしてヴィーラはずっと自分を見てるシンに声を掛けた
ヴィーラ「シン様どうかなさいましたか?」
シン「い、いや!知り合いに似ていて…」
(やっぱみくにそっくりだ…こんな似てることなんてあるのか?)
アラン「王女様がべっぴんさんやから惚れてしもたんちゃう?笑」
シン「なっ!ち、ちがうよ!」
コウ「シンももうそんな年頃になったのか…」
シン「コウ兄までやめてくれよ!」
バウス「恋愛感情はしまっておけ。王族相手じゃ実らない恋だ。」
シン「だーかーらー!違うってば!!」
笑い合いながらラグノリアを後にするシン達。
レグルス国はアリエルガ国の隣の国だが、高い山を越えなければならない
その道程は想像を超える険しさだった。
ーーーーー
レグルスとアリエルガの国境の山
アストラ山脈
シン「この山険しすぎないか!!」
コウ「結構急斜面だな…よくこんなとこヴィーラ一人でこれたな…」
アラン「俺らでも結構きちぃで!ただの温室育ちの王女様やないってことか!」
ヴィーラ「私は山を越えず、遠回りしてケイロス国を経由してきました。」
シン「ケイロス国!?ってどこだ?」
コウ「ケイロス国はレグルス国の隣にある国だが…そこを通ってアリエルガに来るとなると1週間はかかるぞ…」
ヴィーラ「9日かかりました…」
アラン「その間飲まず食わずってか…根性あるやんけ!姫様!」
バウス「俺なら半分で行けるがな」
アラン「お前…姫様に張り合ってもしゃーないやろ…」
他愛ない会話を繰り返していくうちに5人は打ち解けていった。
そしてようやくアストラ山脈をこえて
シン達はレグルス国の外れにあるカルネージの町についた。
シン「ようやく着いた!てか普通に魔力使って飛んだりとかってできないのかな?」
コウ「そうだな…飛行魔法があるやつとか、俺やアランみたいに技の衝撃とかで飛ぶことができるやつはいるが…」
アラン「魔力で飛ぶっちゅう発想はでんかったわ…」
バウス「バカめ。魔力で飛ぶなら一定の魔力量を長時間放出できる技術と魔力量が必要だ。」
バウス「そんなことできるとしたら王族のやつらくらいだろ」
シン「なるほどな〜」
(俺の知ってるファンタジーとかだとほうきとかで簡単に飛べるんだけどな)
ヴィーラ「空を飛べたらどれほど楽だったでしょうね」
シン「そうそう!ほうきとかで飛べたらな〜」
ヴィーラ「ふふっ。魔法少女みたいですね!」
アラン「ほうきは掃除するもんやろ?なんでほうきで飛べるんや?」
コウ「ほうきに魔力を流して安定を保つってことか…?そんなことできるのか?」
バウス「そんな非現実的なことあるわけないだろ。さっさと首都に行くぞ。」
シン(なんでヴィーラは、ほうきで飛ぶ話から“魔法少女”なんて言葉が出てきたんだろ…)
少し疑問に思ったがシンは気にしなかった。
コウ「ここからは馬車に乗せてもらって行こう」
シン「うん!もう歩くのも疲れたしな」
バウス「俺も流石に…」
アラン「なんや疲れたんか?」
バウス「バカめ。誰が疲れるか。後3日はいける」
アラン「お前はほんとに素直じゃないやっちゃの〜笑」
ヴィーラ「私はかなり疲れました…」
馬車に揺られながらレグルス国の首都であるレオランドを目指す。
馬車の音ガタガタ
ヴィーラ「それにしても皆様は4人だけで魔大陸に行かれるつもりですか?」
コウ「そうだな。と言いたいところだが、実際は厳しいだろう」
アラン「え?俺とコウがおったら余裕で許可もらえるんちゃうんか?」
コウ「そんな訳ないだろ…アランは魔大陸を甘く見すぎだ」
バウス「ならどうする気なんだ」
シン「もっと仲間を集める!ってこと?」
コウ「う〜ん。まずはヴィーラの姉に会ってみないとな」
アラン「戦争なんかやめろって言い聞かすんか?」
コウ「それも目的の1つではあるが、もし悪神教とかいうやつが裏で糸を引いてて国が危ういのであれば…」
シン・アラン・バウス「うん?」
コウ「俺らで解決した後ヴィーラの姉さんから魔大陸に行くための許可を貰えるかなって思ってさ」
シン「そっか!今ヴィーラのお姉さんは国王代理みたいなもんだからその権限もあるんだ!」
ヴィーラ「それでしたら私からもお願いすれば確実だと思います」
シン「それは助かる!」
アラン「もし国救ったってなったら旅の資金もたんまりくれるんちゃうん?!」
シン「それは本当に助かる…」
ヴィーラ「そこまではお約束できませんが…できる限りのお礼はさせていただきますね」
ーーーーーーーー
そしてとうとうシン達は首都であるレオランドに到着した。
シン「なんか…ラグノリアと全然違う…」
アラン「人があんまおらんな…」
シン「なんか静かだな…」
ヴィーラは、城を見上げながら小さく震えていた。
ヴィーラ「……昔は、もっと明るい国だったんです」
街の片隅では、空腹を訴えて泣く子供がいた。その隣を、ボロボロの服をまとった老人が力なく歩いていく。
道行く民衆の目には、かつての活気など残っていなかった。
ヴィーラ「姉は戦争のために税を上げ、反抗する民を城へ連れて来るよう命じました。」
コウ「そんなこと王の代理とはいえ、1人だけで決められるものなのか?」
ヴィーラ「おそらくですが、姉だけではなく国の中枢の家臣達も含め全員が悪神教のものに洗脳されているんじゃないかと…」
シン「ヴィーラは大丈夫だったのか?」
ヴィーラ「私にはこれがありますから」
ヴィーラは銀のペンダントを見せた。
そのペンダントは古いもののように見えたが、とても美しく輝いていた。
アラン「なんやそれ?」
コウ「このペンダント…魅了や幻術を防ぐ効果が施されてるな」
シン「すっげぇ!」
ヴィーラ「私が捨てられていたゆりかごの中に一緒に入っていたものだそうです…」
シン「え?!ヴィーラはレグルスの第2王女だろ?」
ヴィーラ「えぇ。父であるレオジュライ王が森の中に捨てられている私を助け、養子に迎えて下さり、第2王女として育てられました。」
シン「そうなのか…」
コウ「俺らも義兄弟だしな。」
ヴィーラ「そうなんですか?」
コウ「俺は元々シノビの里出身でな。俺の里はある男に滅ぼされたんだ。そこの生き残りだった俺をオウコさんが引き取ってくれた。そしてシンとは本当の兄弟として育てられたよ」
コウ「本当に父さん達には感謝してる。俺は当時4歳で弱くてな。誰も守れないどころか親父の足を引っ張ってしまった。だから今ある大切な人達は必ず守るって決めてるんだ」
ヴィーラ「まぁ…境遇が似てらっしゃるのですね。私の姉であるレジュも私の事を可愛がってくれました。」
シン「コウ兄は最高の兄貴だ!きっとヴィーラの姉ちゃんもいい人なんだろうな!ヴィーラの話し方で姉ちゃんが大好きなのがわかるよ」
アラン「なんや家族っちゅうのはええなぁ!羨ましい限りや!」
バウス「…そうだな。」
少し悲しそうな表情を見せるアランとバウス。
2人の過去もまた人には言えない闇があった。
アラン「そうこうしているうちに城の前についたで!」
城の前には、見慣れない黒い旗が掲げられていた。
シン「門が閉まってる…」
ヴィーラ「この旗…こんなもの私が出る時はなかったのに…」
コウ「完全に悪神教が支配した…ってことだろうな」
ヴィーラ「そんな…」
泣き崩れそうになるヴィーラの肩を支えながら、シンが声を掛けた。
シン「大丈夫だ。ヴィーラの姉さんも国の皆も俺達が救う。ヴィーラの故郷をこんな風にしやがって…ぜってぇゆるさねぇ!!!」
シンの目は怒りに満ち、今までにない程気が立っていた。
アラン「同感や。子供が泣いとる国を、ほっとけるわけないやろ」
バウス「人助けなんか興味がない…がここまでの惨状を見せられたら…な」
コウ「……なら、この門を開けてもらうしかないな。多少強引にでも。」
その瞬間、城門の奥から無数の足音が響いた。
そして――
玉座の間では、軽薄な男が水晶を見つめて笑っていた。
レオランド城
玉座の間
軽薄な男「おやおや〜?あれはヴィーラちゃんじゃない!」
玉座の間に座る女性「あぁ」
軽薄な男「なんか変なの連れてきたね〜あの子だけ洗脳かからなかったもんね〜お姉ちゃん♩」
玉座の間に座る女性「あぁ」
軽薄な男「もうちょっと人らしい返事してくんな〜い?お仕置してあげよっか?」
王座の間に座る女性「妹には…手を出す…な」
軽薄な男「は?レジュちゃんさ〜まだ自分の理性あるわけ?ありえーねんだけど。」
ドガッ
軽薄な男が、レジュの頬を打った。
軽薄な男「はぁ。操り人形って反抗しないからつまらないよね〜。そうだ!妹のヴィーラちゃんで遊んじゃぉ♩」
レジュ「た…のむ。やめ…妹だけは…」
軽薄な男「レジュちゃんの前でバラバラに壊しちゃうんだぁ♩そしたらレジュちゃんどんな表情見せてくれるかなぁ?」
軽薄な男は再び水晶へ目を向けると、ある人物に気付いた。
軽薄な男「あれ?一緒にいる男…もしかして!!」
軽薄な男「まっちがいなぁぁい!コウくんじゃないかー!大きくなったなぁ…」
軽薄な男「本当に大きくなりやがった…あの男に似てムカつく顔してるからすぐわかったよ。」
軽薄な男「ゲンヤと同じくバラバラにしてあげなくちゃ♩」
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
APOLLO 第5話「レグルスの王女」でした!
今回から、第二章レグルス編が始まりました。
ラグノリアでシン達の前に現れた少女、ヴィーラ。
彼女はレグルス国の第2王女であり、
姉であるレジュを救うため、たった一人でアリエルガまで助けを求めに来ていました。
この第5話では、
シン達が「自分達の目的」だけではなく、
目の前で苦しんでいる誰かのために動き出す姿を描きました。
父オウコを探すこと。
魔大陸を目指すこと。
それがシン達の大きな目的ではありますが、
シンは困っている人を放っておける少年ではありません。
そして今回、
悪神教の存在がよりはっきりと物語に関わり始めました。
レグルス国で何が起きているのか。
レジュは本当に操られているのか。
城にいる仮面の男は何者なのか。
そして最後に明かされた、
コウの過去に繋がる因縁。
ここからレグルス編は、
シン達にとって初めての本格的な戦いへと進んでいきます。
仲間との絆。
家族への想い。
そして悪神教との衝突。
第6話から、物語はさらに熱く動き出します!
もし少しでも
「面白い!」
「続きが気になる!」
と思っていただけたら、
応援・コメント・フォローしていただけると本当に励みになります!
ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!
――岡本 煌




