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第三章アリエルガ編 17話 虫虫大パニック

フォルナ大森林虫の住処。

コウとエスイのハチャメチャ戦闘?!

あ、今回ギャグ回らしいです。


神話×魔法×ファンタジー物語


第17話楽しんでってください。

コウが飛ばされたのは、フォルナ大森林の虫の住処。


そこでは悪神教四幹部ギュスターヴを倒す程の実力を持った男が……


ただ、逃げ回っていた。


エスイ「逃がさないよ〜!」


コウの背後から、楽しそうな声が追いかけてくる。


そこにいたのは、一人の少女だった。


年齢はシンと同じくらいだろうか。


肩まで伸びた明るい茶髪。


大きな翡翠色の瞳。


白を基調とした花柄のワンピース。


まるで森で遊ぶ普通の少女のような姿。


だが


頭には巨大な甲虫が乗り、


肩には色鮮やかな蝶。


腕にはムカデが絡みつき、


足元では無数の虫が嬉しそうに集まっていた。


少女は満面の笑みを浮かべながら両手を広げる。


エスイ「それそれぇ〜!!やっちゃぇ!あたしの可愛い虫さんたちぃ〜!!」


カサカサカサカサ


ギギギギギギ


シャカシャカシャカ


ブゥーーーーーーーン


コウ目掛けて襲ってくる大量の虫たち。


ゴキブリとムカデを合わせたような見た目の

ムカローチ


コウ「ぎゃぁぁぁーーー!!ヤバい!まじで無理!!!足キモイ!!ヤバすぎる!」


コウ「ムカデだけでも嫌なのにゴキブリ混ぜるなぁぁぁ!!」


ゴキブリとセミを合わせたような見た目の

ゼミローチ


コウ「助けてくれーーーー!!!デカい!キモイ!」


そして大群で地を這うようにシャカシャカと音を立てて近づいてくるフナムシのような魔物

クロウジャ


コウ「地面が……地面が……!!ぎゃぁぁぁぁ!!!ウジャウジャ気持ちわりぃ!!」


コウ「誰が考えたんだこんな生き物ぉぉぉ!!」


空を覆い尽くす目玉が大きな蜂型の虫の魔物。

メダマバチ


コウ「おえっ!!吐きそう!マジで!気持ち悪!おえっ!」


エスイ「きゃはははっ!!」


エスイ「なによなによぉ〜!!」


エスイ「5人の中では1番強いってヒヤニスから聞いてたのに〜!!」


コウ「来るなぁぁぁぁ!!!」


恐怖と焦りで歪んだ顔

汗、鼻水、涙を撒き散らしながら、全速力で逃げ回る。


エスイ「見た!?見た!?あの顔!!」


エスイ「六花弁のエスイ様最強〜♡」


コウ「くそぉーー!虫さえいなけりゃお前なんか!!」


エスイ「強がっちゃって〜!あたしの虫達からは逃げられないよ〜!!」


コウ(ほんとにヤバすぎる…一か八か戦ってみるか…?)

後ろを振り返ると大群で追いかけてくる虫達


コウ(いやいやいやいや!!!むりむりむり!)


コウ(魔法放つにしてもその間に触れられたら気絶する!!)


コウ(どーする…ヤバいぞマジで!!)


ブゥーーーン


コウ「一か八か!黒嵐(コクラン)!!」


周囲の虫達が一気に吹き飛ぶ。


コウ「よし!これなら!」


ブゥーーーーン

また奥から大量に湧き出す虫たち


エスイ「むだむだー!あたしの鏡虫魔法は虫たちを魔力が続く限り無限に複製できるんだから!!」


コウ「最悪だ……!」


コウ「俺にとっちゃ厄災級の属性じゃねぇか!!!」


コウ「ぐわぁぁぁー!!!!」


全速力で逃げ出すコウ


コウ「シンーー!!アランーー!!誰でもいい!!助けてくれー!!」


______________


フォルナ大森林奥地では

気絶したブビィを介抱しつつアランが暇そうにしていた。


アラン「なんや他の奴ら結構時間かかっとんな〜」


ブビィ「ぐーぐーぐー。」


アラン「こいつ気持ちよさそうに寝とるな〜」


アラン「そや!暇やしイタズラでもしとこか」


アランは地面に落ちていた炭を拾う。


アラン「よっしゃ、暇つぶしや。」


スッ


ブビィの額に一本線。


スッスッ


両頬にぐるぐる模様。


鼻の周りには立派なヒゲ。


さらに額には大きく


『ウンコマン』


アラン「完成や!!」


アラン「芸術爆発やで!!」


ブビィ「ぐーぐー……。」


落書きされた事も知らずにぐっすりと眠るブビィ

そこに大きく手を振り近付いてくる金と黒の髪の少年がいた。


シン「おーい!!」


アラン「お!シンやないか!」


シン「アラン!さすが!無事だったんだね!」


アラン「当たり前や笑 秒で終わらせたったわ」


シン「そこで寝てるの…え?だれ?」


アラン「ブビィや!」


シン「ブビィ!?普段豚の被り物してるからわからなかった…」


シンはジッとブビィの顔を見る…

そこには無惨な髭や、ウンコマンの文字……


シン「そうか……こんな落書きがあるから顔隠してたんだな…」


アラン「あ…いやそれ…」


ヴィーラ「みなさーーん!」


シン「ヴィーラ?!酷い怪我だぞ!大丈夫か?!」


ヴィーラ「これくらいへっちゃら!私だって皆の仲間にふさわしくありたいもん!」


シン「すげぇや…ヴィーラも敵倒したんだな…」


ヴィーラ「結構不意をついてって感じだったけどね…笑」


シン「それでもすげぇよ!頑張ったな!」


アラン「さすがやな!助けに行こか迷ったけどヴィーラならやると思っとったわ!」


ヴィーラ「うん!シンくんもアランさんも勝ったんですね!それと……そこで寝てる人ってもしかして?」


シン「ブビィだ。」


ヴィーラ「ブビィくん…酷い落書きの顔…だから被り物で顔隠してたんだ…」


シン「あぁ…多分刺青かなんかで消えないようにされたんだろ…可哀想に…」


アラン「あ…いや…だからそれは…」


バウス「お前ら無事だったか。」


シン「バウス!!」


ヴィーラ「バウスくん!」


バウス「何だ。うるさい奴らだな」


シン「お前ほとんど無傷だな…」


ヴィーラ「敵がいないところに飛んだの?」


バウス「そんなわけあるか。転移魔法使ってきたヤツ潰してきた。」


シン「すげぇ!無傷で倒すなんて!やっぱりバウスはつえーな!!」


バウス「いや…今回は…」


バウス「精神的にキツかった…」


アラン「顔みたらわかる。あんま無理すんなや」


バウス「あぁ…」


バウス「ところでそこにいる奴は…?」


ヴィーラ「ブビィくんです」


バウス「……なるほどな。こんな顔なら隠したくなるのもわかる。」


シン「あぁ…多分昔イジメられてこんな顔にされたんだろ…」


ヴィーラ「許せませんね…」


アラン「あ…だからその顔はやな…」


ブビィ「ふぁー!よく寝たぜ!」


皆がいることに気付いたブビィ

皆がなぜか自分を見つめて悲しい顔をしていることに気付く


ブビィ「ど、どうしたんだよ!皆そんなしんみりした顔して!」


シン「いやブビィ被り物外れてるから…」


ブビィ「あ…!いや…俺実はこの顔がコンプレックスでさ…昔イジメられてたんだ…」


ヴィーラ「やっぱり…。でもそんなの気にしなくていいんですよ!」


ヴィーラ「皆顔で判断するような人じゃないですから!」


バウス「辛かったな。でもそんな隠すような顔じゃねーと思う」


シン「そうだぞ!ブビィはブビィだ!」


ブビィの胸が少し熱くなる。

今まで豚鼻を笑われることはあっても、

受け入れてもらえたことはなかった。


ブビィ「皆……ありがとう!!」


アラン「いや…だからその顔…」


ブビィ「俺はこの豚鼻がほんとに嫌でさ…ガキの頃はすげぇ悩んだよ」


シン「豚鼻?」


ヴィーラ「え?」


ブビィ「え?」


バウス「その落書きみたいな刺青じゃないのか?コンプレックス」


ブビィ「刺青…?なんのこと…」


ヴィーラが手鏡を渡す

鏡を覗き込んだブビィは…


ブビィ「なんじゃこりゃーーー!!!!」


シン「え?それで顔隠してたんじゃ?」


アラン「いや…すまん笑」


アラン「暇やったから落書きしたんや笑」


ブビィ「アランてめぇ!このやろう!!」


ブビィ「いい兄貴分ができたと思ったのによー!!」


ブビィ「てかこのウンコマンってなんだよ!!」


アラン「いやお前戦闘に夢中やったから気付いとらんかったけど…」


アラン「ずっと魔物のうんこ踏んづけとったで笑」


足の裏を確認するブビィ


ブビィ「ほんとじゃねーか!ウンコくっついてる!!」


バウス「なんだ…アランのおふざけかよ」


シン「なんだよ!人騒がせだな!」


ヴィーラ「でもよかったですね!落書きで!」


ブビィ「いや!よくねぇよ!これ炭だから中々消えねーんだけど?!」


アラン「すまん!笑」


アラン「でもウンコ踏んづけて戦っとったのはアホすぎるやろ笑」


ブビィ「うるせぇ!!!」


一生懸命顔を洗うブビィ。

皆は戦闘に疲れながらも笑いが込み上げてきた


シン「ところでコウ兄は?」


バウス「俺は見てないぞ」


ヴィーラ「私も見てないです」


アラン「そうなんか?あいつやったらこのレベルの敵なら瞬殺してそうやけどな…」


アラン「あいつに当たったヤツが1番強かったんか?」


バウス「俺と戦ったヤツは頭目って言ってたぞ」


シン「俺と戦ったメリガンは獣纏も使いこなしててすげぇ強かったよ!」


ヴィーラ「私の相手は…相手の油断と不意打ちで勝ったようなもんですけど…とにかく気持ち悪かったです…」


アラン「うーん。俺と戦ったやつはガキやったし、ブビィと戦ったヤツは厄介そうやけど一番強いかって言われると…」


ブビィ「いや!あいつはすげぇ強かっただろ!」


バウス「負けたんだろ?」


ブビィ「いや勝ったわ!!」


シン・バウス・ヴィーラ「え?」


驚く3人

無理もない、それぞれ飛ばされる前はブビィに一切の魔力すら感じていなかったのだから…


しかし今は魔力に溢れている姿を見てバウスが口を挟む


バウス「お前…魔法使えるようになったのか?」


ブビィ「聞いて驚け…なんと!海属性だ!」


シン「なんだそれ!おもしれぇ!」


ヴィーラ「海属性って確か…ものすごく珍しいですよ!?」


ブビィ「そうなのか?よくわかんねぇけどすげぇだろ!」


バウス「豚に真珠ってやつだな…」


ブビィ「なんだと!!」


アラン「まぁでもほんまブビィ頑張っとったで」


アラン「俺が断言する。こいつは足手まといになんかならへんぞ!」


バウス「そんなの分かりきってる」


ブビィ「え?」


バウス「こいつから溢れ出る魔力の質みりゃ、強くなったのはわかる」


シン「そうだな!今はブビィからひしひしと感じるよ!」


ヴィーラ「どことなく雰囲気も強そうになりました!」


ブビィ「そ、そうかな?なんかそんな認められると…笑」


アラン「まぁ…ウンコ踏んづけとるけどな」


ブビィ「そうだった!!早く洗わねーと!!」


ダダダダダダダ……


向こうから勢いよく走る音が聞こえてくる


シン「お!コウ兄じゃねーか?!」


アラン「お!コウやないか!おーい!」


ヴィーラ「なんか様子が変ですよ…?」


バウス「追われてるな…」


ブビィ「え?あれ虫じゃね?」


コウ「みんなぁぁぁぁー!!!!」


ブゥーーーーン

ギギギギギ

カサカサカサカサ

シャカシャカシャカシャカ


木々を揺らしながら一人の男が飛び出してきた。


その背後には黒い絨毯のような虫の大群。


コウ「助けてくれぇぇぇぇ!!!」


その顔は悲痛に満ちていた。


アラン「ヤバいな…とりあえず逃げるで!」


シン「あの大量の虫はやべぇ!」


バウス「なんてもん引き連れて来やがる…!」


ヴィーラ「あんな大量は気持ち悪いー!」


ブビィ「ちょ、待って!俺まだ足が…!」


グニュ


ブビィ「ぎゃーー!またウンコ踏んだぁ!」


アラン「お前…ワザとやってるやろ?笑」


ブビィ「んなわけあるか!!」


大量の虫に追われるシン達。


六花弁最後の一人。


鏡花のエスイ。


その猛攻を止められる者はいるのか…



コウ「だから逃げないで助けてくれよぉぉぉぉ!!!」

17話読んでいただきありがとうございました。


18話では伝説の怪物が目を覚ます。

シン達の行方へは……?!

次回もお楽しみください。


岡本煌(オカモトコウ)

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