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第三章アリエルガ編 13話逃げない理由

飛ばされたシン達…

それぞれが敵とのタイマン!!

ブビィ乗り越えれるか?!


神話×魔法×ファンタジー物語


第13話楽しんでってください。

フォルナの花畑

そこではアランとアメリスが睨み合っていた


見た目は完全に子供。

紫色と黒の綺麗な髪色。

頭にはフード付きブカブカの服。

持ってるうさぎの人形は酷くボロボロだ。


アラン「ガキ相手にどないせぇっちゅうねん…」


アメリス「私はどんな攻撃も見える。」


アラン「そうなん?」


アメリス「私は未来が見える。」


アラン「おぉ!ほんなら俺が将来どんな嫁さんもらうか見てくれや!」


アメリス「そんな先まで見えない。」


アラン「ほんならどこまで見れるん?」


アメリス「3秒先…。」


アメリス「でもお前などそれで充分なのだ。」


アラン「そうなんか〜」

(魔力辿るとわかる、全員そんな距離は離れてる訳じゃあらへん。こっから1番近いのはコウんとこか…あいつなら一人で大丈夫やろ)


アメリス「私を子供扱いしているな!私は強いんだぞ!負けた事など1度もない!」


アラン「そらえらいこっちゃ〜」

(他のやつらは距離的に全員同じくらいやな…ほんなら1番やっかいそうな相手のあいつんとこに先に行ったらなアカンな…)


アメリス「全然相手にしてないな!!」


アメリス「こうなったら…くらえ!未来魔法…」


ブンッ


その瞬間…アメリスの顔の横には燃えるオノ。

圧倒的な威圧感。

そして目の前にいるそれは…

燃えながら逆立つ毛。

2mはあろう長く、重たそうな尻尾が地面を叩く。


アメリス「ば、ば、ば、ばけもの…」


アラン「化け物ちゃうわ。これは獣纏って言うんや。」


アラン「体のうちに眠る獣力を身体に纏わせ戦うのが獣纏や」


アメリスは悟っていた

殺される。

ここまで強大な相手を見たことがない。


アラン「ええか?俺はな基本子供はやり直しがきく思うてんねん。」


アメリス「は…?え…?」


アラン「お前が成人しとったら一撃で潰しとる。未来見えるとか関係あらへん。見えても避けれん速度なら意味ないやろ。」


アメリス「あ…あぁ…」


睨みつけられ萎縮したアメリスはガタガタと歯を鳴らし足が思うように動かない。

怖い。逃げたい。戦いたくない。

死ぬ。本能がそう告げていた。


アラン「嬢ちゃんの敗因はな…経験不足や!」


アメリス「け、けいけん…?」


アラン「そや。さっき負けたことあらへんって言ってたやろ?それがダメや。」


アラン「負けて。勝って。それでようやく強くなれる。負けたことない言うやつはたいしたことあらへん。」


アラン「俺は何回も負けた。そのうえで全部勝って潰してきたんや。あー引き分けのやつもおるけど、まぁあれはノーカンやろ」


アメリス「た、たすけ…」


アラン「二度と悪さすんなや。誓えるか?」


コクコクコクコク!

すごい速さでうなずくアメリス。


アラン「ほうか!ええ子やな!」


その瞬間恐怖の猿魔王に見えていた男の姿が優しい赤髪の青年に変わっていた。

大きく暖かい手が頭を撫でる。


アラン「ほんなら俺はもういくわ!」


アラン「ちゃんと罪償えや。逃げたりせずラグノリアに行くんやで」


アラン「女王様がなんとかするやろ!」


急ぎ足でオノを担いだ男が去っていく。

その背中は幼い少女が憧れを抱くには充分だった。


アメリス「かっこいい…」


______


フォルナ大森林奥地


ブビィ「に、にげねぇぞ…」

(やべぇ。皆いなくなっちまった。こんなやべーやつ俺一人でなんて絶対倒せねぇ…)

(逃げたい逃げたい逃げたい!!でも体が…心が逃げちゃダメだって言ってる気がする…!)


ネモネル「可愛い♡ 足ガクブルじゃん!」


ブビィ「そ、そんなことねぇし!」

荒い息遣い

目頭が熱くなり涙が出てくる

怖い。恐怖しかない。

それでも1歩、また1歩と敵に近付く


ブビィ「おりゃぁぁぁぁーー!!」

思い切り踏み込んで突進する。


だが


いとも簡単にかわされる。


ネモネル「あはっ♡もしかしてだけどきみぃ…」


ネモネル「魔法使えないんじゃない?!笑」


ブビィ「う、うるせぇ!」


ネモネル「雑魚をいたぶるのが1番楽しいんだよねぇ♡」


ネモネル「愛魔法 ーー」


ネモネル「愛人形劇(ラブマリオネット)♡」


周囲の木々や岩が変形する。

木々は絡まりあい人型に変わる

腕はムチのようにしなっている

石同士がくっつき人型のゴーレムのようだ


ネモネル「よし!やっちゃえ!私のマリオネットちゃん♡」


ドドドドドドッ!!


木の人形と岩の人形が一斉にブビィへ襲いかかる。


ブビィ「うわぁぁぁぁぁ!!」


ブンッ!


木のムチとネモネルの鉄のリボンが顔面スレスレを通過する。


地面に転がりながら回避。


しかし次の瞬間。


ゴォン!!


岩人形の拳が脇腹に突き刺さる。


ブビィ「がはっ!!」


数メートル吹き飛ばされる。


肺の空気が一気に押し出された。


息ができない。


苦しい。


痛い。


涙が滲む。


ネモネル「あれぇ♡」


ネモネル「もう終わりぃ?」


ネモネル「期待したのになぁ♡」


ブビィ「うるせぇ…」


フラフラと立ち上がる。


膝が笑っていた。


今すぐ逃げ出したい。


体がそう訴えてくる。


(無理だ…)


(勝てるわけねぇ…)


(シン達ならともかく俺なんか…)


その瞬間。


再び人形達が襲いかかる。


ブンッ!!


ドゴォッ!!


バキィ!!


ブビィ「ぐあぁっ!!」


腕を打たれる。


背中を殴られる。


足を払われる。


何もできない。


反撃すら届かない。


ネモネル「あはははは♡」


ネモネル「弱すぎぃ♡」


ネモネル「ほんとに何しに来たの?」


ネモネルの鉄のリボンで、何度も叩かれるブビィ。


ブビィは歯を食いしばる。


(逃げろ…)


(逃げろ逃げろ逃げろ…)


(今なら逃げられる…)


頭の中で何度も声が響く。


ネモネル「ねぇ♡」


ネモネル「逃げれば?」


ネモネル「誰も責めないよ?」


ネモネル「だって君弱いもん♡」


ブビィ「……。」


ネモネル「金髪も」


ネモネル「黒髪も」


ネモネル「赤髪も」


ネモネル「王女も」


ネモネル「青髪も」


ネモネル「みーんな君より強いし♡」


ブビィの拳が震える。


ネモネル「君いらなくない?♡」


その言葉。


胸の奥に突き刺さる。


ブビィ「……そうだよ。」


ネモネル「ん?」


ブビィ「俺は弱ぇよ。」


ネモネル「♡」


ブビィ「魔法も使えねぇ。」


ブビィ「シンみたいに強くもねぇ。」


ブビィ「コウみたいにかっこよくもねぇ。」


ブビィ「バウスみたいにクールでもねぇ。」


ブビィ「ヴィーラみたいに根性もねぇ。」


ブビィ「アランみたいに頼りにもなんねぇ。」


ネモネル「だったら♡」


ブビィ「でも!!」


ドンッ!!


地面を蹴る。


ブビィ「だからって逃げたらもっとダセェだろうがぁぁぁぁぁ!!!」


ボロボロの体で突っ込む。


勝てる保証なんてない。


勝算なんてゼロ。


それでも。


ブビィ


「俺は!!」


「あいつらの隣にいれるような奴になりてぇ!!!」


ネモネル「はぁ…そーゆう熱い展開にすれば勝てるとか思ってるやつほんとにきらーい。」


ドンッッ!!


石の人形がブビィを押さえつける


ブビィ「やっぱり俺じゃ…」


ネモネル「てかその仮面いつまでつけてんの?」


ネモネル「気色悪いから外してあげる♡」


ブビィ「や、やめ!」


木の人形の腕が伸び、ブビィの仮面を剥がす


ネモネル「えっ!意外と美少年♡」


ブビィ「やめてくれ…」


ネモネル「でも…なにその豚鼻!笑」


ネモネル「顔はいいのに鼻がぶさいくーー笑」


_______


ブビィは幼い時鼻が原因でいじめられた。

父親に似た鼻は醜く恨んだ事もあった。

それでも、母だけはブビィを笑わずに笑顔で言ってくれた


母「本当にかっこいい人ってのは父さんみたいに芯がある人間だよ」


母「でもそんなに顔出すのが嫌なら私が仮面をつくってあげるわ!」


手渡された仮面は豚の被り物。

ブビィは悲しかった。

コンプレックスの塊である豚鼻を隠すどころか強調するようなデザイン。


幼いブビィ「こんな仮面…もっと馬鹿にされちゃうよ……」


母「いいじゃない。あなたが豚鼻ってバカにされるなら豚の仮面で勇者になって豚鼻ってすげぇ存在だろ!って思わせたらいいのよ」


ブビィ「そんなこと…」


母「大丈夫。坊やならできるわ…だって…」


_______


ブビィ「俺は父ちゃんと母ちゃんの子だから…」


ブビィ「あいつらみて、もう逃げないって決めたんだよ!」


アラン「なんや。結構頑張っとるやんけ」


ネモネル「赤髪っ…!」


ネモネルが身構える。


ネモネル「なんでここに…」

(こいつは1番やっかいそうだったからヒヤニスがなるべく遠くに飛ばしたはず…)


ネモネル「アメリスは…」


アラン「あーあのちびっ子なら改心して悪神教やめる言うとったわ!」


ネモネル「何言って…」


ブビィ「アラン!助けに来てくれたんだな!」

(よかった…ほんとに助かった!後はアランに任せて…俺は充分頑張ったし…)


アラン「まだやろ。こいつはお前が倒すんや」


ブビィ「へっ?!俺がこんなつえーやつ倒せるわけ…」


ネモネル「なんだ助けに来たわけじゃないんだ♡」


ネモネル「ほら♡やっぱりあんたなんかいらない存在なのよ!誰も必要としてない!」


アラン「いやこいつはできる。お前をぶっ倒す。」


ブビィ「でも…」


アラン「でもじゃあらへん。このまま逃げたらずっと逃げっぱなしやぞ。」


アラン「せっかく勇気出したんや。最後まで踏ん張って見せんかい!」


ブビィ「俺だって逃げたくねぇけど…魔法も使えないし…」


アラン「魔法があるから強いんやない。強いやつっちゅうのは絶対負けへんっちゅう芯があるから強いんや。」


ブビィ「芯…」


ブビィ「おおおぉーー!!」

突進。

何の変哲もないただの突進。


ネモネル「馬鹿の一つ覚えで突っ込んでくんじゃねぇよ!気持ちわりぃなぁ!」


ネモネルの人形達が道を阻む。


ドカッッ!


岩の人形に殴られる。

木の人形に殴られる。


ブビィ(だめだ…やっぱり俺じゃ…)


アラン「諦めんな!!お前は強い。臭いでわかるんや」


ブビィ(俺が…?強い…?こんなすげーやつが認めてくれてんのかよ…)


ドカッ!ボカッ!


ムチで叩かれ続けるブビィ。


だが目は諦めていない。


ブビィ「なら…絶対答えるしかねぇじゃねぇか!!」


その瞬間


ブビィの体から溢れ出る水

大量の水がその場を覆い尽くす


ネモネル「は、何その水…!」


ネモネル「覚えたての水魔法でどうにかできるわけ…」


水がネモネルにかかる。


ネモネル「……しょっぱい…?」


ブビィ「シンの技はすごかった…避けなきゃ死んでたと思うくらい…」


ブビィ「あいつみたいな技を俺も使ってみたい!」


水が唸る

ひとつの生き物のように

まるでブビィの気持ちに答えるように


ブビィ(この水!荒々しいけどどっかあったけぇ!まるで母ちゃんみたいな…)


ブビィ(いける!!)


水が大地を這う。


怒りのように。


涙のように。


ブビィ「海流波(カイリュウハ)ぁぁぁーー!!!」


ネモネル「ば、ばかな!こんな魔力、海の魔法なんて次元が…」


ドゴオォォォーーン!!!


石の人形と木の人形ごと

ネモネルを吹き飛ばす


ネモネル「このっ!ぶたっぱながぁぁあ!」


ネモネルの全力の魔法壁


だが

その魔法壁すらも打ち破る程の海水の勢い。


ネモネル「やば…押される…!」


ブビィ「うおぉぉぉぉ!!!」


ドシャァァアーン!


ネモネル「うそ…でしょ…」


その場に倒れるネモネル。


ブビィ「はっ…はっ…かっ…た?」

荒い息。

初めて使えた魔法。

ブビィもその場に倒れる


アラン「まだまだ、これからやな。」


アラン「でも、ようやったやんけ。」


大きな手がブビィの頭を撫でる


アラン「この勝ちはただの勝ちやない。」


アラン「お前が自分を打ち破ったっちゅう価値がありすぎる勝ちや!」


ブビィ「ギャグみてぇ…」


アラン「今は休めや。」


意識が遠のく。


そしてその頃シンは激しい戦闘を繰り広げていた…

13話読んでいただきありがとうございました。


14ではシンとメリガンのタイマン!

主人公としての格を見せつける!!

次回もお楽しみください。


岡本煌(オカモトコウ)

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