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闇おちなんてコエー!

 大川がゆっくり俺から離れる。そして、後ずさったところで雨野とぶつかる。 

 朝霞は、二人をたっぷり見て、俺のそばで屈む。


「……こ、小谷君。立てる?」

「立てる。ありがとな」


 俺は片手で松葉杖を持ち、もう片手を朝霞に持ってもらって立ち上がる。


「…………ありがとな、朝霞」


 そして、俺は先に朝霞を手で制して、もう一本の松葉杖の元へぴょんぴょんと跳んでいく。灰が揺れるし、ずきずきと痛む。松葉杖を拾うと朝霞はほっとしたような表情を浮かべ、そして、再び凍り付かせ振り向く。


「……言ったよね? 小谷君に迷惑かけたらって……」

「あ、アタシは何もしてないし! そんなつもりじゃなかったし! お、大川が……」

「お、オレは……朝霞が心配で……」


 何か言おうとする大川の首を朝霞が掴む。ひゅっと音がした。俺の喉か大川の喉か雨野か分からない。今までとは違う空気が張り詰める。雨野も大川も動けない。今、動けるのは俺だけだった。


「朝霞、もういいから。俺、帰りたいからさ、ついてきてよ」

「……うん」


 朝霞は小さくうなずき、大川の首から手を放す。マジで怖かった。大川漏らしてんじゃないだろうか。少なくとも涙目だ。朝霞は俺に顔を見せないまま、3歩くらい下がる。そして、そのままちょっと長くなって黒くなった髪を揺らす。


「許さないから……。覚悟しといてね。先生や教育委員会がごちゃごちゃ言っても、絶対に絶対に絶対につぶすから」


 怖すぎる。だが、反対はしない。朝霞は飛び降りたくなるほど追い詰められたのだ。それ相応の罰は受けるべきだ。いじめられた側が我慢するのなんて絶対に間違ってる。俺は、もう一度朝霞に声をかける。


「朝霞、かえろう」

「……うん」


 朝霞はうつむいたまま俺の元にやってくる。そして、教室に戻って俺の分の荷物を持ってくれた。俺は何も言わず、それを受け入れた。


 なお、その後、雨野一味と大川は尻込み大人たちによって守られたが、呪印邪気暗黒娘によって炎上、漸く愚かな大人動き出し、破滅と化すのだがあまりにも凄惨すぎたので俺の口からは言えないレベル。南無……。

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