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そんなつもりじゃなかったんだけど、と女は嗤う。

出来れば今週末で本編完結させようと思うので一気に三話今日あげる予定です!

 朝霞ひかりが、嫌いだった。


 1年の時から別クラスだけど朝霞の噂はよく聞いた。明るくてかわいい太陽みたいな女子だって。


 みんな騙されてるとあたし、雨野のあは分かっていた。アイツの性格は絶対悪い。顔がちょっといいだけでモテてるって勘違いしてるブス。3年の月宮センパイが朝霞の事気になってるらしいって聞いたときはガチで騙されてると思って腹立った。


 だから、2年で同じクラスになった時に、みんなの目を覚まさせてやろうとした。

 ただ、それだけだ。


 大川はほんと使えなかった。朝霞を追い詰めるところまではよかったけど、そのあとはメンタル雑魚すぎてボロボロ。学校来なくなったし。まあ、引きこもって余計なこと言わないから都合いいし、弱りまくってるから脅せばなんでもする。


 面倒なのは小谷だ。アイツがキモい。そもそもアイツが朝霞を助けたところから色々おかしくなった。したくもないクラス替えされたし、みんなに暫くやな目で見られた。まあ、全員フクジュウさせたけど。


 人間なんてタンジュンだ。誰しも弱みの一つや二つ持っている。言わなきゃいい事やらなきゃいい事を持っている。それをチらつかせて脅せばいい。そういうのがなさそうないい子ちゃんどもは、周りがひどい目にあうぞ、と脅せばいい。それだけでみんな従う。


 あの朝霞だって。


「あー、ご苦労さま、朝霞」


 息を切らせた朝霞が手に持っていたジュースをあたしに差し出す。あたしが命令して買いに行かせたジュースを。


 朝霞は数日前からあたしの奴隷。


 小谷を潰すって言って色々『素材』を見せたらあっけなくフクジュウした。小谷達に質問責めされたのも知っている。それより前にこっちは動いてんだよ、ばーか。だから、多分驚いただろう。自分たちが味方に引き入れようとした奴らが無視し始めるなんて。


 あたしは朝霞の腕に自分の腕を絡ませる。そして、身体を寄せて囁く。


「急がせちゃってごめんねー。でも、よく考えたらあたし喉あんま乾いてないかも。走らせちゃった朝霞の方が喉乾いてるよね? 一気飲みして良いよ、一気飲みして」


 朝霞があたしを見る。苛立ちの目。ちょうウケる。


「一気飲みして良いから、ね。友達だもん。全部あげるよ。ね、みんな?」


 周りのやつらに振るとみんな同じように頷く。ここに朝霞の味方はいない。調子に乗ってる明神とかあんな馬鹿どもはいない。ここにいるのはあたしの味方だけ。


 朝霞は、ぷしゅっと音を立てた炭酸をじっと見る。遅い。


「とっとと一気飲みしろよ」


 あたしがそう言うと朝霞はぐっと口に運ぶ。だけど、途中でむせて吐き出してしまう。


「うえっ……げほげほっ……!」


 不細工。ガチで不細工。これが朝霞だ、太陽なんかじゃない、地べたにはいつくばって口から炭酸吐き散らかしているのが朝霞なんだ。何度もスマホで記録してあげる。朝霞の為に。


「ちょっと、朝霞。せっかくあげたのに汚いって。ちゃんと掃除しておいてよね」

「……はい」


 超暗い顔で頷く朝霞。これが朝霞。本当の朝霞なんだよ! 自分をちゃんとわかっている。だって、わからせてやったから。小谷達と朝霞が打ち合わせをした日、あたしたちは元のクラスのやつらのほとんどを脅した。『こっちにつけ。小谷達を無視しろ』って。


 簡単だった。みんな弱みがあるし、あたしには力がある。だから、この前の騒ぎもなんとかなった。あたしは、無敵だ。


 そう、あたしは無敵だ。あたしに従わないのはおかしい。あたしの仲間はみんなアタシの言うことを聞いてくれるのに。

 月宮センパイが朝霞が気になってるのもおかしいし、朝霞がモテるのもおかしい、小谷のカスがあたしに抵抗してきたのもおかしい。

 そして、そんなカス小谷に従ってる朝霞は最高におかしくてウケる。

 小谷の為ならなんでもする朝霞。


「だったら……小谷の為にもっともっと頑張ってもらわなきゃね」

「……え?」


 朝霞があたしを見上げる。もう十分だろう。ここまで色々やって朝霞の心をバキバキに折ってきた。だけど、まだ足りない。あたしにクツジョクを味合わせた朝霞をもっともっとボロボロにしなきゃ。ああ、思わずニヤケてくる。


 仕上げだ。


「ねえ、朝霞」


 びくついた顔であたしを見る朝霞。どこが太陽? ガチでうける。


「ちょっとさ、この前小谷の話で出した。あたしの男友達の話、覚えてる? あたしが別のクラスに変えられて可哀そうって思ってくれた奴らの話。……アタシの為に小谷をボコりたいって言ってくれた奴ら、ね?」


 あたしがそう言うと、みんな覚えていると笑いながら頷いてくれる。あたしの知り合いの喧嘩の強い男ども。警察もビビッて手が出せないって話のめっちゃ強い奴ら。小谷の骨なんかいくらでも折れるだろう。


「ごめんねえ~、そんなつもりじゃなかったんだけどさあ、やっぱりなんか向こうが納得してくれないみたいで。悪いんだけどさあ、朝霞。アイツらの『相手』してあげてよ」


 相手する。その意味を朝霞も分かっているのだろう。顔を青ざめさせて怯えだす。ウケる! ウケる! ガチでウケる! やつらにやられていっぱい写真撮られてね。それでみんなハッピーだから!


「行くよね~? 小谷の為だもんね~」

「は、はい……」


 完全に曇りきった顔で最高の朝霞! 重い足取りで去っていく。


 これから朝霞の最高に惨めな、いや、本当の姿が晒されるんだ! あたしは仲間と一緒にその画像や動画が送られてくるのをポテト喰いながら待ってた。


 だけど、あたしの元にやってきた連絡はあたしの想像とは違うもので……。


『おい、のあ! お前の言ってた朝霞、来なかったどころか! ケーサツ来たぞ! しかも、スギハラのおっさんが! ふざけんな! テメエ、ガチで〇すからな!』

『のあ、ヤバいよ……あたしらのいじめ画像が拡散されてる』

『多分、これ、騙されてたよ。のあの元のクラスの連中、今朝までと全然様子違ってうちらのことめっちゃ責めた目で見てくる!』


 朝霞が、やりやがったんだ……!

 最初からそのつもりで、あたしのところに来てたんだ……!

 あのクソ女ぁあああああああああああああ!


「あさかぁああああああああああああああああああ! ガチでもう許さない許さないからなあ! ぶっ潰す!? 上等だよ! こっちには誰がついてるか思い知らせてやるからなぁあああ!」


 ガチでキレた。キレすぎて、もう逆にウケるわ。こうなったら、やってやるよ。戦争だ。

お読みくださりありがとうございます。

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『【第三部完結】クビになったVtuberオタ、ライバル事務所の姉の家政夫に転職し気付けばざまぁ完了~人気爆上がりVtuber達に言い寄られてますがそういうのいいので元気にてぇてぇ配信してください~』

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