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そんなつもりじゃなかったのに、話が大きくなっていった。①

今日は2回更新! もう少しで終わります!

「こ、小谷君、わたしはもう傍にいられない」


 朝霞に俺は別れを告げられた。




 原因はやはり雨野だった。


 そして、狙われたのは……俺だった。



 そもそも朝霞をいじめていたはずの雨野だったが、やり口がかなり巧妙で自分が発信したとは分からないようにしていたらしい。その上、雨野の父親は市議会議員か県議会議員らしく、色んなところに圧力かけていたとかなんとか。


 結局、疑いということで雨野が別クラスに行くだけの結果に。


 別クラスに行った時点でもうクロなんじゃないかと思うが、そうでもないらしい。

 学校も教育委員会も警察も仕事しろ。


 とにもかくにも、結局ほぼお咎めなし扱いの雨野は、俺が松葉杖を離したタイミングで朝霞に仕掛けてきた。


『俺を同じ目に遭わせたくなければアタシに従え』


 それが雨野の脅し文句だったようだ。つまり、俺の悪評を流しまくって学生生活を滅茶苦茶にされたくなければ、雨野の奴隷になれということらしい。


『わかった。だから、小谷君には手を出さないで。わたしが彼を守らなきゃいけないから』


 そして、朝霞は、


『もうそばにはいられない』


 それだけを告げて俺の元を去ろうとした。俺はただただショックで、混乱する頭のまま叫んでいた。


『ふざけんなよ! やっぱり俺のことなんて自分の罪悪感から逃げるための道具扱いしてたんじゃねえかよ! 最低の女だ! お前なんかどっか行っちまえ!』


 そう叫んだ俺を朝霞は悲しそうな顔で笑って、去っていった。俺はもう何も言うことが出来なかった。自分が情けなくて情けなくて仕方なかった。


 勝手に朝霞に見放されたと思った俺は、荒れた。中原もトラも俺を見限った。


 そして、俺の知らないところで朝霞はひどい目に遭っていた。


 クソ雨野のストレス解消サンドバッグとして扱われた。どんなにひどい目に遭っても涙一つ流さずに堪えていたらしい。


 クソ雨野がどんなに朝霞を辱めても、朝霞はずっと気丈でいたそうだ。


 なのに、俺はそんな朝霞の気持ちに気付かないまま……ただ腐り続けた。

 そして、俺は朝霞の変わり果てた姿を見て泣き崩れた。


 俺は、そんなつもりじゃなかったのに。


 俺はただ……!





「……という感じの筋書きってわけか」

「そ、そんな感じかどうかは分からないし、あとわたしをすごく評価してくれてるのはうれしいけど恥ずかしい……じゃなくて、とにかく、こ、小谷君を狙ってるらしいの」


 例の公園で俺と朝霞はベンチに腰掛けて話し合っていた。


 松葉杖を離すことになり、いきなり朝霞に『もう傍にはいられない』って言われたところまでは本当。あとは朝霞の話からの俺の想像。つい熱が入って話を大きくしてしまった。


 朝霞に言われた後、普通に聞きましたよ。『え? なんで?』って。


 俺は知っているんだ。世の中の恋愛ものの半分はディスコミュニケーションや勘違いでえらい目にあうんだって。俺、ラノベとか詳しいから知ってるんだ。ちゃんとコミュニケーションとれば解決するって。


 あと、キスしてると思ったら、目にゴミが入ってたんじゃないかって確認するんだ。まあ、あんな確認の仕方をする男は間違いなく女子を狙ってると思うけど。女子も拒否れ。顔近いって。誤解を生むような行動を受け入れてる時点でギルティ。


 ともかく。俺が松葉杖を離したタイミングを狙ってか、雨野が動き出した。

 朝霞を脅す為に、俺を大変な目に遭わせるつもりらしい。


「具体的にはどういう感じだろうな?」

「多分、前の時と同じように事実をうまいこと切り抜いて出してくるんだよ。『小谷は朝霞を庇った時の朝霞の罪悪感をいいことに朝霞に手を出したんじゃないか』とか」


 なるほど。嘘は吐かずにギリギリのラインで攻めてくるのか。クソみたいな思考だが、敵にすると厄介なタイプだ。俺はポテトを口に運ぶ。


「あとは、教室で赤城に叫んでた時も使うんじゃね? 一部分だけなら声を荒げた生徒とかも演出できそうだわ」


 確かに教室でキレて騒ぎ出すやつwとかやりそう、陰湿―。俺はポテトを口に運ぶ。


「素材は多いなぁ。朝霞が後ろをついてってるのはよく見る光景だったし。朝霞のファンの男子は多いだろうからその辺を煽っていきそうだなぁ」


 赤城の場合は教室のみんながこっちについてくれたからよかったけど、噂がめっちゃ広まったら強気で出てくる奴らもいるかもしれないわけね。俺はやはりポテトを口に運ぶ。


「で、小谷っちの評価をある程度落としたら直接男子たちに虐めさせそーだね。多分、雨野おとがめなしだったからいけるって思ってるんだと思う」


 松葉杖とれたから俺のかわいそうさが減ったってことだね。かわいさは減らないけどね! ポテトは減る。


「ガチで学校も教育委員会も警察も無能すぎだね。小谷くんを守れるのは私たちだけってわけだ」


 それな。いやいや、ほんとたすかります。


「や、こ、小谷君は、わたし、たちで守る……」


 朝霞のセリフに気合を入れて頷き合うポテトを手に持ったみんな。みんな、そう、みんな。明神さん達やトラ、そして、中原まで公園にいる。

 なんでかって? コミュニケーションは大事だからだ。困ったら仲間を頼る。大体ラノベは気を遣い過ぎて頼らないからピンチに陥る。


 俺、知ってんだ!


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対応を間違えた未来図、非常に助かります。
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