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そんなつもりじゃなかった、んだけど女友達が出来てしまった。④

人はテンションが上がると3回更新出来るんですね……というわけで皆さんのお陰で三回更新頑張れました。いつもありがとうございます。

「まあ、小谷っちの本性が分かったところで、ちょっと本題っていうか2人に伝えておきたいことがあるんだけど」


 っち? っちってなんだろう? 色んな使い方があるよね。っちって、キャッチとかタッチとか、エ……ッチとかね! あと、舌打ちの音とかね。聞こえてないよね? 俺のエッ発言。だから、舌打ちとかしてないよね。


「おーい、小谷っち~?」


 俺の目の前で手をひらひらさせる喜多さん。君か俺をっちって呼んだのは。なんでぇえ? コミュ強っちってこういう感じっち?


「陽真理……? こ、小谷っちって馴れ馴れしくない、かな……?」


 なんか闇圧放つ朝霞っち。全然効かない感じ、つよつよ喜多っち。


「え~? なんで? 別によくない? ねえ、小谷っち?」


 ただただ頷く俺小谷っち。なんでか圧強める朝霞っち。


「こ、小谷君がいいなら………………いいけど」


 朝霞の闇圧が落ち着く、ように感じるが何かゴゴゴと揺れてる気がする。え? 気のせい?

しかし、っち呼びとは、呼び捨て明神さんと言い、距離の詰め方が強すぎる。俺には出来ぬ所業。


「本題に入るね。あのさ、雨野」


 その単語が出た瞬間、ぶわりと毛を逆立てる朝霞。いや、実際逆立ってるわけじゃないけど、ぶわりと朝霞から闇圧が高まっている気配。


「ひかり、ちょっと落ち着いて」


 明神さんの言う通り。俺はツインテの代わりにうんうんと頷く。


「雨野なんだけど、別クラスに行ったし今のところは大人しいけどアイツは何しでかすかわかんないから気を付けてほしいのは気を付けてほしいんだけど、あたしら的には男子どもが何かしないか不安なのね」

「男子?」


 喜多さんの言葉に首をかしげる俺。男子と言えば中原。あいつ元気かな? 朝霞の闇圧によって潰されてたけど。まあ、アイツ頑丈だし大丈夫か。知らんけど。


「まあ、ぶっちゃけひかりと仲良くなりたいって男子は多かったし、今の小谷と仲良くしてるのが気に食わないとかわけわからんこと考えてるヤツがそこそこいると思うのね」


 なるほど。太陽朝霞はそりゃもうモテた大川みたいに告るまでしないが、お近づきになりたい奴らは結構いたはず。


「アタシらからあんま男子とわざわざ絡むことはなかったけど、話しかけられたら無視するのも変でしょ。だから、話したりしてたけどさ、なんつーか、小谷みたいなのばっかりじゃないのよ。なんだろ、女子のことオレ分かってるぜ的な?」


 いや、俺も結構女子のこと分かってるぜ的な感じだと思います。口に出さないだけで。


「『あんま無理すんなよ。オレ、お前のこと愛してるから。お前の苦しそうな顔耐えらんねーよ』的なね。お前は誰だっていう。小谷くんならわかるでしょ?」


 いや、俺、途中までそのセリフかっけーと思ってたけど、え? ダメなヤツ?


「『涙なんてお前に似合わねーよ。笑えよ』とか。泣きたいときに泣かせろよって思わない小谷っち?」


 ハイ、ソーデスネ。ソノトーリダトボクモオモイマス。


「まあ、とにかくさ。男子の勘違い視点で朝霞を悲劇のヒロイン、オレがヒーローって思ってる男子がそこそこいるの。そういうのに絡まれてない?」

「今のところは」

「今のところ、ね」


 設楽さんがストローを指でくにくにしながら考えている。あれ、かっけー。俺もいつかしよう。しかし、設楽さんのあの感じだと、結構俺危ない感じなのか? いやでも……危ないのは……。


「ねえ、何年何組の誰……? 先手必勝……」


 絶対のその男子の方だと思います! 先生、隣の朝霞さんがリアルで聞いたことのない先手必勝を口走っています! 俺達の勝利ってなんですか!?


「だから、ひかり。結構いるんだって。それ一人一人つぶす気……? それは小谷にも迷惑かかるかもよ?」

「それは……こまる…………」


 しょんぼり朝霞ちゃん。流石親友明神さん。朝霞の扱いがうまい。まあでも、明神さんの言う通り。先手必勝どころかこっちが喧嘩を売っていけば正直色々まずいことになりそうだ。揉めたいわけではない。


「それにしても、やっぱり朝霞ってモテるんだな」

「そりゃそうよ。ま、アタシらもそれなりにモテるけど、ひかりのモテっぷりは半端ないね」


 朝霞の代わりに胸を張る明神さん。ていうか、それなりにモテるとか言っちゃうのが強すぎんぜ……!


「仲取り持ってくれないかって言われたこともぶっちゃけ何回かあるし」

「え、そうなの?」


 驚く朝霞。あれ? 知らない感じ? 明神さんの揺れるツインテール。


「実はね。けどさ、ひかり、告白されて断る度にしんどそうにしてたしさ、アタシ勘違い男子も嫌いだけど、仲取り持てっていうのもあんま好きじゃないからさ。『自分で話しかけて頑張ってみれば』って。まあ、大体の男子ビビッて話しかけないけど。つーか、ひかりって真面目だから、周りで盛り上げられたら断れなさそうなの分かってやってる感じが腹立つんよな」


 なるほど。将をなんとかしたいなら馬をなんとかしないとって奴だな。周りが盛り上がっていいじゃんいいじゃんとか言われたら一回付き合ってみるくらいならって朝霞ならなっちゃいそうな雰囲気なのはよく分かる。


「ひかり、まだ彼氏できたことないし恋愛経験ゼロなのにさ。変な恋愛トラウマ作らせたくないし」

「え? そうなの?」


 あ、やべ。口に出てしまった。朝霞、恋愛経験ゼロなのか。めっちゃモテそうだから一人や二人付き合ったことあるのかと思ってた。朝霞を見ると、また顔真っ赤でなんか小さくなっている。


「な、ないよ……ご、ごめんね」

「い、いや、謝ることはないけど。あ、そ、そうなんだ。いや、それもそれでよいと思いまするよ」


 何がだ。自分の意味不明な慰めが恥ずかしい。明神さんたちはにやにや。やめて! 俺にボキャブラリーは存在しないのだ!


「まあ~、だから、とにかくひかりをモノにしようって男子は大川以外にもいるからさ。気を付けてねって話。ね、小谷っち?」

「だから、頼むよ小谷くん」

「ほら、このコーヒーも飲んでいいから」


 カースト上位女子3人に迫られ思わずうなずく俺。だが、俺に何が出来るというのか。こんな中原と同列カースト下位男子に。偶然朝霞と接点が出来てしまった俺に。だけど。


「………あ、う」


 隣の朝霞と目が合う。朝霞はまだ顔が赤い。確かにこんなピュアな朝霞を放っておくわけにはいかぬ! それに、大川は俺にとって絶対に許せない。あんな奴みたいなのが朝霞に近づくのなら……。


「はは、小谷かっこいい顔してるじゃん?」


 明神さん? え? え? 今、え? めっちゃ男子が言われたいセリフ第一位が聞こえた気がするんだが?


「今なんて?」


 俺が聞き返すと頬杖つきながら更ににまあーっと笑う。


「……隣が怖いからもう言わない」

「え?」


 横を見ると朝霞が闇圧噴き出してた。え? なんで? 笑ってる。笑ってるけど笑ってない? 朝霞が笑顔の形でじっと俺を見ている。怖すぎる。


「え? なに? 朝霞、どした?」

「え? なに、かな……? わたしはなんでもないよ」


 それ以上、何も聞けなかった。


「あ、小谷。このコーヒー飲む? アタシと陽真理が口付けてるけど気にしなくていいよー」

「……気にするに決まってるよね? ねえ、小春? 小谷君は気にするに決まってるじゃない? ねえ、小谷君?」


 明神さんが差し出してくるコーヒーをノータイムで押し返す朝霞。まあ、そりゃ流石に間接キスになるから飲めないけれど……。あまりにも早い自動返信。


「でも、もったいないじゃんね、小谷?」

「わ、わたしが飲むから」


 そういうと明神さんからカップを分捕る朝霞。そして、口元に運ぶと。


「げほ……げほ……にが……!」


 朝霞には砂糖一本でも苦かったらしい。眉を寄せてしょぼしょぼする朝霞。うむ、それはそれでかわいい。とはいえ、本気で苦そうな朝霞の為に砂糖をダッシュでとってくる。


「ほ、ほら、朝霞」

「ありがと……うぅ……」


 砂糖を入れて飲み始める朝霞。それを見ている三人に気付き、朝霞は顔をまた赤らめる。今日は朝霞の血管忙しそうだ。


「み、見ないでよ! もう!」


 やっぱり朝霞は楽しそうで、明神さん達も楽しそうで。朝霞を元気にして、元に戻してあげたいと思う。大川みたいな奴が現れたとしても。負けたくない。


「「「よろしくね、小谷っち(くん)」」」


 うん、だけど、そんなににやにやして俺を見ないで! なんか、照れちゃう!


「小谷君……?」


 朝霞がじっとこっち見てくるけどなんか怖い! わらってよう!


 そして、翌日。


「小谷、ちょっといいか? 朝霞のことで話があるんだけど」


俺の元にやってきた男子3人組。そんな早速来るもんかね!?


お読みくださりありがとうございます。

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