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そんなつもりじゃなかった、んだけど女友達が出来てしまった。③

オデ、ショウニンヨッキュウモンスター、ガンバッテ、コウシンスル

「ん~、まあそうなんだろうね。それはそれで仕方ないし」


 ツインテ揺らし一人納得明神さんが腕を組んでうんうんと頷く。そして、設楽さんも同じようにうんうん。喜多さんだけはコーヒーをじっと見つめている。自分で砂糖を入れたのに何故? 砂糖入りコーヒーおいしいよ?


「じゃあ、まあ、そっちのことはいいわ。それでさ、まだ二人は一緒に帰ったりいろんなところ行ったりするわけでしょ?」


 明神さんの質問に思わず身体が硬直する。そう、なのだろうか。恐らく朝霞は帰りを付き添うつもりだろう。

 だが、ギブスがとれて、松葉杖を離し、一人で動けるようになったら? そのあとはどうなる?

 それでも、朝霞は俺に償い続けるのだろうか。それを俺は望んでいるのか。未来の事だから分からない。だけど、いつかは来る話。隣で朝霞が動く気配がした。


「も、もちろん。わたしは、小谷君の望むことはなんだってしたいから」


 少しだけもやっとする何か。俺はそれを見ないふりして黒いコーヒーを腹の中に流し込む。甘さで誤魔化して苦みを感じないふりをする。

 俺は曖昧に笑うしか出来ない。それをじっと見ていたのは設楽さんだった。


「…………」


 睨んでいるわけでもなくただじっと俺の目を見ていた。何かを待っているような目。

 だけど、俺には何も言えない。言えるわけがない。俺が言えば、朝霞はそれに従う。設楽さんの瞳に映っていた俺が消える。設楽さんはポテトに手を伸ばしまた食べ始める。


「そっかそっか、うんうん。まあぶっちゃけ、ひかりが楽しそうだから、それでいいけどね」


 明神さんのはじけるような明るい声に設楽さんがふっと笑う。


「それは同意。ガチで小谷くん帰ってくるまでのひかりヤバかったし、ね? 陽真理」

「ほんとそれ。怖すぎ」


 自分のコーヒーと明神さんの炭酸を取り換えながら喜多さんが同意している。そして、うんうんとまた大きくうなずく明神さん、コーヒー飲んでむせる。


「ちょ! げほ! なんで、これ、おい! 陽真理」

「どした? あたしの炭酸あげようか?」

「アタシのだっつーの!」


 目の前で喧嘩を始める女子ーズ! やめて! 私の為に争わないで! 知らんけど。そんなことを考えてるとくすくすと笑い声がお隣から。朝霞だ。朝霞が口元を抑えて笑っている。


「ふふ……相変わらずだね。陽真理は……はは!」


 軽い声だった。悪い意味ではなく、肩の力が抜けたような朝霞の笑い声。教室で遠くから聞こえた朝霞の明るい笑い声が帰ってきたような気がした。


「小谷くん、わらってる」


 設楽さんにそう言われドキッとする。恋ではない、多分。恋ではないけど、めっちゃ男前なほほえみを浮かべながら設楽さんがこっちを見ている。くそう、イケメン。男じゃないけど。モテそうだ。


「え? なんで、アタシがコーヒー吹いたのがそんなに楽しいか? 小谷?」


 明神さんの圧。


「い、いいいいや、そうじゃなくて、なんというか、朝霞がね、やっぱり3人と話してると、なんかこう肩の力が抜けてるみたいで、ほんとに4人が仲良いんだなって、めっちゃいいグループなんだなって思って、なんか勝手に感動してたし、朝霞が楽しそうに笑っててうれしかったん、だす」


 どもる俺。いやだって、ほんとにそう思ったんだもん! ていうか、カースト上位女子の圧こえー! 朝霞の闇圧とはまた違う圧。


 必死の俺の弁明だったのだが、なんか黙るみんな。うそ、なに? 俺なんかいらないこと言った? 俺は思わず設楽さんを見る。助けてよ、イケメン女子!


 すると設楽さんはちょいちょいとストローで俺の隣を指す。


 横を見ると、なんか真っ赤になった朝霞。え? なんで?


「はあ~、小谷ってそういう奴なんだ、覚えとく」


 そう言ってまた勝手に納得ツインテ明神さん。ていうか、流れるように小谷呼びぃい! これがカースト上位の実力か!

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