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そんなつもりじゃなかった、んだけど女友達が出来てしまった。②

皆さんに評価してもらえるのがうれしすぎて、ランキングは入れたのがうれしすぎて書く。そんな単純な生き物です……。ありがとうございます! 一瞬だけですがランキング2位に入れました!

「でさ、ひかりがそこのカフェでめっちゃ悩んでたの。ね、輝咲。あ、輝咲は設楽のことね」


 ツインテ明神さんがポテトを一本。


「そうそう、それで私と陽真理……喜多は注文終えて待ってたんだけど」


 ポニテつよつよ設楽さんが一本。


「急にひかりが『カフェラテMサイズで』ってめっちゃかっこつけて言って、ふ、ふふ」


 赤髪クール喜多さんが一本。


「で、店員さんも新人さんだったみたいでちょっと焦りながらひかりに『カフェラテトールサイズですね』って聞いたら、ひかりが『とおるサイズ? 何を通すんですか?』って聞き始めて」

「「「ねー?」」」


 三人が一本ずつ、計三本。

 次々目の前から減っていくポテトを見ずに頭を抱えているのは朝霞。


「もぉ……やめて……」


 なるほど、分からん。分かったのは明神小春、設楽輝咲、喜多陽真理、3人の名前。覚えたぞ。めっちゃ盛り上がる三人に小さくを手を上げてたずねる俺。


「え? 結局、とおるサイズってのは何を通るの?」

「え……? ガチで聞いてる?」


 右から怪訝な顔の喜多さん、唇めっちゃ噛んでる明神さん、口元に手を当て目を見開いてる設楽さん。 で、どういうことだってばよ?

 俺が首をかしげていると、手を取られる。俺の手を取ったのはなんか目を潤ませてる朝霞。え? なに、どうした?


「わ、わかんないよね? なんだよ、トールサイズってね? 普通サイズってS,M,Lだよね? ショート、トール、グランデ、ベンティなんてわかんないよね?」


 なるほど、ショートが一番小さい、短いイコールショート、だが、ロングもロングロングアゴーもないが?


「ロングロングアゴーは意味が全然違う」


 どうやら思考が声に出ていたらしい。喜多さんにツッコまれる。そして、ポテトで俺を指しながら呆れたように笑う。


「ショート、トール、グランデ、ベンティ、小さい方から順番ね。ひかりと一緒に行くときに二人で恥かかないように覚えときなね」

「は、恥とかかかないし……! もう覚えたし……!」


 朝霞がようやくポテトに手を付け一本をかじかじしている。まるでリスのよう。かわいい。

 そういえば聞いたことがある、スターバック〇には呪文のような名前のメニューがある、と。


「しかし、サイズまで暗号化しているとはね」

「暗号化じゃない。正式な名称だよ、小谷くん」


 なんかかっこいい感じにかじりながら笑う設楽さん。なんだそのかっこいいポテトの食べ方、俺にも真似させてくれ。俺がとろうとするより早く、明神さんの手が差し込まれポテトが抜かれていく。


「てかさ、ひかりがアタシたちを置いて、小谷クンとお出かけしてると思ってたんだけど、どこ行ってるの?」


 俺と朝霞が目を合わせる。俺と朝霞が行ったところ。


「「公園」」


 ハモッた。


「「「は?」」」


 あ、ハモッた。


「「あと、図書室」」


 またハモッた。


「「「は?」」」


 仲いいね、君たち。

 一番センター明神さんが腕を組んでどかっと深く座りなおす。目が八の字になっている。え? 俺達なんかやっちゃいました?


「ううむ……まあ、ひかりもなんというかそういう感じはあったからそうかなとは思ったけど、小谷クンもそうか……」


 そうそう言ってる明神さん。そう言わずに教えてよ! 朝霞もそうで俺もそうらしい。設楽さんは相変わらず、かっこよくポテトを咥えながら笑顔でポニテを揺らしている。


「まあまあ、この二人はそれでいいんじゃないの? それで、図書室にはなんで?」

「あ、ああ……俺が、その、小説でもたしなもうかなと思ってね」


 俺は設楽さんに負けじとブラックを口に運ぶ。あっちい! にっげええ! え? ブラックってこんななの? みんななんで飲むの? ガチで金損したんだが? だが、ポーカーフェイス小谷こと、小谷八雲はクールに飲む。


「砂糖、入れ……なんでもない」


 クール喜多さんが何かを言いかけて止まる。手には砂糖。もしやバレていたのか?!


「あ、あの、小谷君。砂糖も入れた方がいいよ……そっちの方が、その、おいしいと思う」


 隣の朝霞がそっと俺に差し出してくる。やっぱバレてんのぉおお!? 何、みんな心読めるタイプの能力者? 俺が朝霞から砂糖を受け取ると朝霞がにや~っと笑う。そして、再び砂糖を出現させる? マジック?


「こ、小谷君、甘いものも好きだよね? 甘い方がいいかと思っていっぱい、も、貰ってるから……も、もっといる?」


 小谷のにちゃりが止まらない! 確かにめっちゃ苦かったから助かるが、そこまでされるとやっぱり朝霞におんぶにだっこみたいでそんなの女子達に見られるなんて恥ずかしいジャン! 俺は慌ててカップを掲げる。


「い、いや、なら、俺は……喜多さんから……」

「あ、ごめん。どっかいった」


 赤髪をさらりとかき上げながら微笑む喜多さん。どっかいった、とは? 貴重な砂糖という資源を無駄になくしてそれでも地球の一員か!? などと言えるはずもなく戸惑う俺。仕方なく朝霞からもう一本貰うと朝霞のにちゃりが加速する。


「も、もっと、いる……? もっと、とってこようか……」

「おやめなさい」


 俺の一言に朝霞『あ……』と声を漏らし、俯く。朝霞反省中。ただ悪意はないんだよなあ。だから、俺は思わず声に出してしまう。


「朝霞、ありがとうな」


 我が家は母親による『感謝しろ、そして、口に出せオラアアア!』教育により、ごはんをありがとう、洗い物ありがとう、洗濯ありがとう、と一家のキングである母親に事あるごとに感謝を述べることが掟となっている。なので、ほぼ条件反射的に出てくる感謝の言葉。勿論、感謝の気持ちはある。

 俺の『感謝しろ、そして、口に出せオラアアアアアア!』パッシブスキルにより発射された感謝の言葉は朝霞に命中し、朝霞がにちゃっと笑う。


「う、うん、えへ、えへへ……」


 うむ、かわいい。朝霞が落ち着いたのを確認し話をもとに戻そうとするとじっと朝霞フレンズがこっちを見ている! そして、明神さん、挙手。別に学校じゃないし挙手制じゃないんだが。


「あの、一応確認なんだけど、彼氏彼女なわけじゃないんだよね?」

「「? うん、そうだけど?」」


 あ、ハモッた。

 飽くまでこれは俺が朝霞を助けようとして大怪我をしたことの朝霞の贖罪であり、俺にとってはそんな風に頑張ってくれている朝霞への感謝。それ以上でもそれ以下でもない。

そんなもんだ。


「うわ、やっぱブラックでよかったかも。砂糖入れたら甘すぎだわ」


 ぺ、と舌を出しながら喜多さんが顔を顰める。俺もコーヒーを口に運ぶ。砂糖二本分の甘さが口に広がる。うん、あまい。そして、ぬるい。とてもぬるくて飲みやすい。


 やはり、コーヒーはブラックに限る。

お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


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