小噺 キララと真実の夜
今回と次回はキラちゃんのお話です。
レイくんたちが戦う少し前からのお話です。
「おばあちゃん、誕生日おめでとっ!」
今日はおばちゃんの誕生日会。
つーちゃんたちと一緒じゃないのはなんだか久しぶりかもっ!
ここのところ配信や旅行やらでずっと一緒にいたからなー。
「ところで輝蘭羅、最近あの子とはどうなんだい?」
「……あの子、とは」
わかってるけどね。
何でかわからないけど、おばあちゃんはレイくんとの関係を何回も聞いてくる。
恋仲になれたのかとか、子どもはまだかとか……。
まだレイくんは子どもだよっ! おばあちゃんっ!
そもそも霊体のレイくんと子どもは……あ、でも体に戻ったら……。
もぅっ! おばあちゃんったらっ!
「ふむ、その様子では近いうちに――……」
「えっ!? おばあちゃんっ!?」
急におばあちゃんが倒れそうになったので慌てて支えるっ。
まさか……何かの病気っ!?
「はょ……子種……むにゃ」
「……え? え?」
寝てる……。
「お父さんっ! お母さ……ん……」
みんなも寝てる。
家族も、お手伝いさんもみんな。
……えっ? もしかしてドッキリ?
そんな訳ないよね……。
「お嬢、様……」
「ルナ! あなたは大丈夫っ!?」
私の遠い親戚、おじいちゃんのお妾さんの子、ルナ。
よかった、彼女は無事みたいねっ!
「大丈夫です、か……?」
「私は……うん、平気みたい。多分レイくんが守ってくれてる……」
何だか私の中にレイくんがいるみたいで……こんな状況でも大丈夫って気がしてくる。
ふふ、会ったらたくさんいい子いい子してあげよっと!
「そう、ですか……それならば……安、心……」
「ルナ……」
何をしても動じなさそうなルナまで……。
これはもしかしなくても、霊的な何かのせい、かな……。
「どうしよう……とりあえず火の元の確認とかしとこっかな」
有事の際は慌ててもいいことはない。
私だって伊達に大変な経験はしてないんだ。
そう思って家の中を走り回っていると、ようやく外の異変に気が付く。
「えっ? 夜……?」
外がまるで夜みたいに真っ暗。
部屋は電気がついてたから気が付かなかった。
「……静か」
不自然な、不気味なほど静かな空気。
一体……どうしちゃったの……?
「レイくん……つばきちゃん……」
「オ迎エニ、参リマシタ。第2夫人様」
「ひぃっ!?」
あ、あの時の……確か『聖騎士』さんっ。
あなた喋れたの……?
「迎えに?」
「ハイ。私ト一緒ニ来テ頂ケマスカ?」
どうしようか。
でも、この人たちなら状況を知ってるのかも?
「……わかったっ」
▼▼▼
「ようこそお越しくださいました、第2夫人様! ささ、紅茶でも飲んでゆっくりとお寛ぎください」
連れて来られたのは、とあるビルの屋上。
前の時のように執事さんがティーパーティのセッティングをしていた。
紅茶が2つ……自分も飲むのかな?
それともめぐちゃん用?
「……それより、この状況のこと何か知ってるの? つーちゃんやレイくんはっ!?」
「ええ、ええ。どうか落ち着いてください。彼らは……ははっ! ちょうど今戦うところですよ! 夜を終わらせるためにっ!」
……いや見えないんですけどっ。
あ、でも何だか優しい光が小さいけど見えた!
あれは『愛の共同作業モード』ねっ!
「……キラちゃん、スマホ……」
「えっ!?」
今まで喋らなかっためぐちゃんが喋った!
……じゃなくって、慌ててたからスマホ見るの忘れてたっ!
「『LAY-NE』……つーちゃんから連絡が来てる……配信もしてる!」
急いで見ないと――っ!
「あ、あの人は昨日の!」
「悪夢、です……ナイト、メアぁ? 違う……違う!」
な、何……?
執事さんの様子がおかしい……!
「くっくっく! 彼はナイトメアなんかじゃあないっ! くくっアハハハハ……ワーッハッハッハッハッ! ようやく! ようやく終わるぅぅっ!」
「ひぃっ!」
やばいっ!?
やっぱりついてこなきゃ良かったっ!?
「彼は『聖夜』ッ! 我々を守護し導いてきたっ! 決して悪夢だなんて言ってはならないィィィッ!!!」
「えっ!?」
どういう、こと?
悪夢……彼はあなたやめぐちゃんたちを追って来たんじゃないのっ!?
「『聖執事』、落チ着キナサイ」
「――はっ、これは失礼しました。どうも感情が高ぶると自分を抑えられなくなりまして……ははっ!」
いやいやいやっ!
怖すぎるってっ!
「それで、今の話は……?」
「……彼こそが、我々の本当の団長です。戦う術を持たない、戦いたくない我々を守ってくれていた……恩人にして古くからの友です」
「守る……? それじゃあ昨日のは? 襲われてたじゃないっ!」
「それはもちろん――」
「演技ですよ、第2夫人様」
お読みくださりありがとうございます!
敵と結託していた彼らに拐われたキラちゃん……彼女の運命は!?
次回、キラちゃん(




