第68話 少年と夜更け
「あなたが、この不可思議な現象を起こしている犯人ですか?」
<怖い話スキー:何だあれ!?>
<霊感少女型おいたん:吸血鬼……?>
「いかにも……って、何をしている?」
「撮影よ。世界中があなたを見ているわ」
<ソシャゲの闇:あいつ浮いてね!?>
<ぬ。:おいおいおい、あんなもの映して大丈夫なのかよ>
<うみんちゅうさぎ:ちょっと美形なんですけど! あれ、でも悪い人?>
「ほう、配信というやつだな」
「ええ。あなたの無様な姿がさらされる前に説明してちょうだい。今あなたがしていることを」
<イマスグモドレーヌ:ちょっ! つーちゃん挑発しないで!>
<霊感少女型おいたん:明らかにやばいやつなんだから!>
「ふむ、まぁいいだろう。私は悪夢。夜とともに生き、夜を支配する者! 我が空間内では全ての生物は眠りにつき悪夢を見る。そして……生気を奪うのだ!」
<怖い話スキー:生気を奪う!?>
<豚バラ炒飯:じゃあ今倒れてる人たちも!?>
<うみんちゅうさぎ:ほっといたらみんな死んじゃうの!?>
<ぬ。:おいおい、自衛隊は何やってんだよ>
執事さんが言っていた通りだね。
さて、それじゃあ早速――!
「ありがとう、そして死になさい」
「『玲銃・四重奏』!」
手加減はしないっ!
先制攻撃だ!
<イマスグモドレーヌ:いっけーっ!>
<闇より井出氏:4つの玲銃!>
<豚バラ炒飯:容赦する必要なし!>
「……ほう、圧縮された高密度の霊力か。なかなかいい技を持っているじゃないか」
「くっ……!」
<怖い話スキー:避けた!?>
しかも1つは……手で止められた。
今までどんな敵でも貫通してきた『玲銃』が……。
「いい反応ね」
「当然だ。敵と出会って呆けるているほど馬鹿ではない。貴様と違ってな」
昨日の僕のことだ……。
けど……まだまだっ! いくぞっ!
「『玲弾』っ! 『玲弾』っ!」
思いの強さが霊力の強さ!
負けてたまるかーっ!
「『独りの夜』」
「むむ!」
黒い霊力がナイトメアを包んで……防がれた!
「ふはははははっ! 今度はこちらから行くぞっ! 『漆黒の夜』」
「――っ! 『玲壁』」
壁を――昨日より強い!?
玲壁が壊れる!
「ふははっ! 学習しない奴め! 『夜爪』!」
「あなたもね」
「――っ!? ぐぅっ!」
つばきちゃん!
<闇より井出氏:つーちゃんが木刀!?>
<うみんちゅうさぎ:顔面を木刀で……あれは痛そう>
「……死ね」
「遅いわ。あくびが出る」
何度も襲ってくるナイトメアの爪を全て避けるつばきちゃん!
「――貴様……貴様は何なんだっ!? ただの人間の分際でっ!」
「ただの……?」
「がっ!?」
もう1度ナイトメアを木刀で吹っ飛ばす!
「あなた、お馬鹿さんね。レイくんの永遠のパートナーである私がただの人間の小娘な訳ないでしょう?」
「なん……だと……? まさか貴様――」
<霊感少女型おいたん:【速報】つーちゃんの正体が明らかに!>
「レイくんと再会するその日まで……毎日鍛錬を怠らなかった。基礎体力作り、対人訓練、勉学ももちろん。再び出会えた時、今度こそ守れるようにね」
「……」
「自慢だけど、オリンピックに出れるくらいの記録もあるわ。非公式だけど」
<闇より井出氏:まさかっ! つーちゃんも組織の――>
<豚バラ炒飯:オリンピックって、人類最高峰だろ?>
<うみんちゅうさぎ:結構すごいけど、普通の人間ってこと?>
「1日24時間、全てのことをレイくんのために費やした。これからもそうする」
「そうだぞ! つばきちゃんはすごいんだっ!」
<霊感少女型おいたん:確かに、ありえない身体能力見せてくれたことあったね>
<紳士的なお兄さん:例の暴漢の件とか?>
「……くっくっく、もしや『GAES』の人間かと思ったが……そうではないようだな!」
「何のことかしら?」
がいす……?
今はそんなことより!
「つばきちゃん!」
「ええ! 世界よ、刮目しなさい! これが私たちの『愛の共同作業モード』!」
いつも僕のことを大切に想ってくれてるつばきちゃん!
僕こそつばきちゃんに相応しい男になるんだ!
<つーちゃん推し:眩しっ!>
「くっ!」
つばきちゃんを思うとどんどん霊力が湧いてくる!
つばきちゃんも、僕をどんどん受け入れてくれる!
「「はぁぁぁぁっ!!!」」
<怖い話スキー:爆発した!?>
<霊感少女型おいたん:どうなったんだ!?>
眩しい光が爆発したかのように広がって――。
「……馬鹿な……何だその霊力は……」
「愛よ」
<つーちゃん推し:どうなったのっ!? 見えないんだけど!>
しょうがない、みんなにも見せてあげるよ!
スマホを念動力で動かして、と。
<ラッセルラピュセル:女の子が光ってる……>
<紳士的なお兄さん:きれい……>
<イマスグモドレーヌ:なんか、涙が出て来た>
<闇より井出氏:神々しい……まるで聖女だ……! 魔王と共にありしは! 天より遣われし聖女!!!>
「さぁ、悪夢は終わりだ!」
お読みくださりありがとうございます!
スーパー椿ちゃん2といったところ。




