第52話 少年と敵討ち
「水子の霊って―― あっ! お寺の時のっ!?」
「そうかも!?」
それ以外に見た記憶はない……。
「――今は走りましょう! どこか広い場所――」
「公園! あっちに公園があるよっ!」
駅前だから人がいっぱいいる!
こんなところで僕らが暴れたら大変なことになっちゃうもんね!
「ほらほらぁ~! どこに行くのぉ~? 私たちと遊びましょうよぉ!」
「だから、はぁはぁ……公園に、向かってるって!」
キラちゃん……頑張って!
あ、そうだ!
「『愛の共同作業モード』! ちょっと弱め!」
「へっ!? わわっ! わぁーっ!」
「はやっ!」
あっと言う間に見えなくなっちゃった!
「少しペースを上げるわ」
「逃がさないっ! さぁ、みぃくんもきぃちゃんも行っておいで!」
「…………!」
黒いもやが! 波のように襲ってくる!
「問題ないわ」
「おぉっ!」
つばきちゃんが避けながら、もっと早く走る!
「むむむ~! さっちゃん、ひーくん、ゆっちゃんも!」
「ふっ!」
左右から襲ってくる波、それを潜り抜けて走り続ける!
だんだんひらひら女の子も追いつけなくなってきた!
「あそこね」
「公園!」
見えた! ついでにキラちゃんも!
「おーいっ! こっちだよーっ!」
「ふぅ――」
さて、ここからどうしようか。
できれば――この子たちを消したくはない。
「……こんなところに逃げて、遊んでくれるつもりなのかなぁ?」
「そんなとこ」
どうだろう、一緒に遊べば成仏してくれない?
「それじゃあ~……みんな、お願いっ!」
「ちょっと!」
どう見ても楽しくブランコって感じじゃないよね!?
「『玲壁』!」
「……!?」
今回はただの壁、吸収したらあっと言う間に消えちゃいそうだもの!
「うふふ、なら~……みんなで囲っちゃいましょ?」
「きゃっ!?」
「うっ」
ドーム状に囲った壁、その周りをぐるぐるぐるぐると……。
「……ナンデェ……」
「……イタイヨォ……」
「……アソボォヨォ」
こちらには来れないみたいだけど……霊たちの声が……。
「……これ、なかなかしんどいね」
「……」
霊力を使わない、いわば精神攻撃のようなもの!
どうしようか……。
「ほらほらぁ~、そんなところから出てきてぇ、一緒に遊びましょうよぉ~?」
「――っ!」
……キラちゃんたちを守るためなら、仕方ない!
こいつらは霊力で弾き返して――!
「待ってレイくん。大丈夫よ」
「つばきちゃん?」
優しく微笑むつばきちゃん。
僕の思いをわかってくれてるんだ……。
「あなた、お名前は?」
「……うふふ、ランはランだよぉ~、ランランって呼んでねぇ~?」
かわいい名前ね。
「そう、ランラン。可愛い名前ね」
「うふふっ! そうでしょ~! あっちゃんが付けてくれたんだよ~!
「ところでランラン、私たちはこの子を祓ったことはないの――」
「嘘だっ!!!」
……。
「うぅ……」
「キラちゃん……」
……近くにいるから、じゅわ~って音が聞こえちゃった。
今日は配信用の服じゃないもんね……。
「本当よ? 今日だってあなたたちのことは傷つけてないわ」
「だから何っ!? あの子の傍には強い力の気配が残ってた!」
「力……」
「お前のだっ!!!」
……。
「お前の強い霊力っ! 間違えるはずがない! みっくんの仇だっ!」
お読みくださりありがとうございます!
紙おむつは常に準備しておいたほうがいいという実例ですね。




