第29話 少年とリベンジマッチ
「はぁ~……」
気絶したつーちゃん、あの後すぐ起きたんだけど……。
それからずっとボーっとしている。
「ご、ごめんね? おでこへのファーストキスを貰っちゃって……」
「いいえ、それは幼い頃に済ませてあるからいいの……はぁ~……」
あ、そういえばそうだったかもっ!
へへっ!
「あっ、そ! じゃあ何でため息ついてるのよっ」
「決まってるじゃないっ! レイくんに痛い思いをさせてしまったことよ……はぁ~……」
それは――。
「けど、そのおかげで――あれ?」
なんだっけ、どうなってたんだっけ?
……思い出せない……。
「……思い出さなくていいの。それはそれとして……はぁ~……」
「あーっ! もぅどうしたらいいのよっ!」
何となく悪いことをしたのは……ワルイ?
「ほらレイくん、ちゅーしてあげなさいっ!」
「――へっ?」
「――っ!? そ、そんなっダメよ、だめだめっ!」
「とか言いつつ、たこさんのお口になってるじゃないっ! そこじゃなくて、おでこよっ! お・で・こっ!」
う、うぅ~……恥ずかしいけど、僕は大人だから!
「ちゅ、ちゅう……」
「はぅっ!?」
そっと、ちょっとだけ触るくらいだけど……ちゅーできたぞ!
へへっ!
「――もう、何も怖くないわ。私たちは愛し合ってるもの」
「そーね」
「次の敵は神かしら? 邪神討伐もいいわね」
「……何を目指してるの?」
▽▽▽
あの後きょう子さんが戻ってきて、みんなでご飯を食べたよ!
僕は……しばらく食べたりはしないよ……。
「……ふぅ」
「はぁーおいしかったっ! 恭子さんもお疲れ様ですっ! 」
「ごちそうさま。急に泊まることになったのにありがたいわね」
つばきちゃんとキラちゃんは山菜のまかない料理?ってのを食べてた。
葉っぱじゃん……。
「……廃病院、どうだった?」
「え? あー……まぁまぁ、かなっ? ねっ?」
「えぇ。まぁまぁね」
僕のせいで撮影も中途半端になってしまったので……。
本当にごめんね?
「……そう。ところで、動画に映った幽霊は全滅させたのかしら?」
「へっ? 医者の霊は倒したし……」
「そうね……あ」
あ。
「……警備員の霊が残ってたわ」
そうだった、警備員さんの幽霊を食べた記憶がない。
「それはいけないわ。こういう動画を配信している以上、影響がありそうなものを映したら全て滅ぼさないと」
「えと……やっぱりネット配信でも祟られたり呪われたりですか……?」
キラちゃんが前に言ってたなぁ。
呪いのブルーレイディスクを題材にしたホラー映画があるって。
「そうね、電気や電波は霊力と相性がいいと言われているわ。だから気を付けないと」
「……わかりましたっ!」
「それじゃあ、今から行きましょうか?」
「わか……へっ? 今から、ですかっ?」
おっと?
「ええ。明日はまた朝早く移動しなきゃいけないの」
「は、はぁい……」
早速借りを返す時が来たようだぞ!
こういう時何て言うんだっけ? そうだ!
リベンジマッチだっ!
▼▼▼
「きらリン☆ キラキラチャンネルー夜の部、始めるよっ!」
「基本は夜のはずなのだけどね。早速の予定変更でごめんなさい」
という訳で急いでやってきた廃病院。
よーしっ!
<8月32日:フラグじゃったか。わしはもう寝るぞいっ>
<きらリン推し:ねむっ>
「おじいさん、また明日ね!」
<aaaa:おじいさん、さっき寝たばっかでしょ>
<8月32日:まだそんなにボケとらんわ!>
「えー、どうして急に配信を始めるかと言いますと……お昼の時、気付いてしまったのです。警備員の幽霊を除霊し忘れているとっ!」
<8月32日:まだボケとらんっての……わしのことじゃないんかぃ>
「なので改めて突入したいと思いますっ! レイくんも体力MAXですよっ!」
「体ないけどね!」
<きらリン推し:幽霊ギャグやめろ>
「けどっ! 僕が絶対に2人を守るからねっ!」
「――っ」
「ふわぁぁ~……」
<イマスグモドレーヌ:きゃあああああっ!? 私も守られたいんですけどッッ!!!>
「ふふ、任せてっ!」
「あ、えっ……あ、ははっ! レイくんのイケメンっぷりが見られたところで……早速行ってまいりますっ!」
今度はどんな霊も見逃さないように集中していくぞっ!
「わざとピンチになって助けて貰う……それも、有り」
「なしでっ!」
お読みくださりありがとうございます!
……おや? きらリンの様子が……?
もう1つ小説を投稿しています。異世界転生モノです。
そちらもよかったらぜひお願いします!




