第27話 少年と集中
「えいっ!」
霊力のかたまり――『玲弾』をぶつけると、お姉さんは消えた。
『玲弾』はただの霊力のかたまりだよっ!
「んー……あまり美味しくない」
お姉さんのもやもやを吸い込むけど、味がしなかった。
星1つ!
<イマスグモドレーヌ:(自重)>
<ギギギギギギギ:え、何今の?>
<きらリン推し:レイくんは悪霊の魂を吸収して浄化する善い幽霊>
ありがとう仕こみ!
<DarknessSunday:え? どうみても捕食……>
<仏教徒ゴリラ:sugeena!>
<柿ピー大好き:善い幽霊ね>
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:くさ生えるぴょん>
「あ、ありがとねレイくんっ!」
「ぅん……」
うぅぅ……。
「それじゃあ次に行こうかしら」
<柿ピー大好き:つーちゃん怒ってね?w>
<イマスグモドレーヌ:わかるわその気持ち>
「この病院は3階建てで、西棟の各階4部屋が病室。東棟は病院側の部屋だそうよ」
「今回は西棟のみ撮影が許可されていますので、各階の病室を見て回りましょうっ!」
<ギギギギギギギ:すごっ、幽霊出てもまだ進むんだ……>
<柿ピー大好き:一応除霊がメインだからね>
「さ、さぁまずは1階です……そーっと扉を開け……あ、ありがとうございますっ!」
そう言って中に入っていくキラちゃん。
とびら、勝手に開いたけど……?
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:あれ、今ドア開けたのレイぴょん?>
「ううん、僕じゃないよ」
「……」
ちっちゃいおじさんたちだよっ!
「……いるんじゃんっ! 教えてよっ!」
「ご、ごめん……すごく弱いやつだからいいかなって……」
「もぅっ! 次行くわよっ!」
<きらリン推し:お、開き直った>
<イマスグモドレーヌ:扉だけに>
▼▼▼
「どうやらここも何もいなかったようですね……よかったぁ」
「1階と2階、大したことはなかったわね」
<ギギギギギギギ:最初が1番怖かったなwww>
<DarknessSunday:十分っちゃ十分だけど、ねぇ>
大丈夫、本番はこれからだよっ!
「さぁ、3階に上がって……あが、って……」
「どうしたのかしら?」
「……っ! ……っ!」
キラちゃんが急いでもどってきて、涙目で上を指さす。
「どうしたのかしら。私には何も感じないわ」
そしてスマホを受け取ったつばきちゃんが階段を上がっていく。
そこには――。
「あら、警備員さんね。ご苦労様」
<ギギギギギギギ:ヒィィィッ!?>
<DarknessSunday:うわぁぁぁぁ!!!???>
<8月32日:だからそれはフラグじゃと言った……言ってないか>
「今日はもう退勤していいわよ?」
「……レ……」
「え? 何かしら?」
「カ……エ……レ……」
「そうね、そうするわ」
<ギギギギギギギ:な、なんでつーちゃんこんな冷静なの?>
<柿ピー大好き:いや多分……>
つばきちゃんがゆっくり下にもどる。
「…………」
<ギギギギギギギ:あ、座り込んだwやっぱこえぇんだw>
<DarknessSunday:そりゃこえぇでしょ>
<8月32日:見れて良かったの>
キラちゃんが見たのも――あれ?
「キラちゃんはっ!?」
「きゃあああっ!?」
<柿ピー大好き:えっ!?>
<きらリン推し:えっ!?>
「あっ!!!」
キラちゃんがお医者さんに追いかけられてるっ!
<柿ピー大好き:捕まったよっ!?>
<きらリン推し:レイくん! 助けて!>
「た、たすけ――」
間に合わない!?
「キラちゃんっ! ああああああっ!?」
<TOR:キラ!?>
医者の霊がキラちゃんに噛みつき――!?
「――とりゃあっ!」
――え?
<柿ピー大好き:スタンガン!?>
<きらリン推し:物理?いや、電気?>
<イマスグモドレーヌ:霊が離れていくわね>
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:おやおやあれはぴょん>
あ……。
あああああ……。
「っと、こんなふうに幽霊を撃退してくれる除霊具でしたっ!」
「ふふ、気になる方はお気に入りと高評価と……何だったかしら?」
「高評価! よろしくですっ☆」
<イマスグモドレーヌ:今回も効果は保証できそうね>
<ギギギギギギギ:いいなぁ欲しいなぁ……>
僕が……キラちゃん……。
僕がいけないんだ……僕が集中してなかったから……。
「……綺羅、りん」
「ん……ということでぇ、今日の配信はこれでおしまいっ☆ みんなぁーっ! 次もキラキラしようねーっ! キラッ☆」
「きらっ」
ぼくが……。
「――ふぅ、危なかったねっ!」
「えぇ、間一髪だったわね」
僕がちゃんと守ってあげなきゃなのに……。
お読みくださりありがとうございます!
恭子さんお手製スタンガン。効果は10万Vです。
もう1つ小説を投稿しています。異世界転生モノです。
そちらもよかったらぜひお願いします!




