第19話 少年とサクラ
「では早速、いわくつきの品を見せて貰えますかっ?」
「これです」
ゴーのお父さんが結界の中から持ってきたのはお人形。
「これは……よくある市松人形ですね」
「はい、これは――とある昔から続く家の方からお受けしたものです。江戸時代から家屋とともに受け継がれたのですが……いつしか魂が宿り、それを気味悪がった現在の持ち主の方がお持ちくださいました」
うん、確かに弱いけど霊力を感じるよ。
<紳士的なお兄さん:あらかわいい>
<怖い話スキー:市松人形とはべたですな>
「もしかして、1つ1つ覚えてるんですか?」
「もちろん。辛い思いをして我が寺を頼ってくれたのに、解決ができない。悔しさで忘れることができませんよ」
<仏教徒ゴリラ:ワカル>
<きらリン推し:何で片言なんだよ>
「……さっきまでの住職さんと同じ人間とは思えないわね」
「ギャップ系住職を目指してますので! わっはっは!」
「遺伝……じゃなくて、そうですね、私たちも持ち主さんの思いに寄り添いながら除霊をしていきましょうっ」
<aaaa:お? 急にどうした?>
「殊勝ね」
「へへっ、ちょっと心構えを教えられたっていうか……とにかく! レイくん、よろしくっ!」
……そうだね、うん。
「実は僕、ゆうれいなんだっ」
<怖い話スキー:MAGIKAYO! SITTETAYO!>
<柿ピー大好き:へー知らなかったなーへー。で?>
<イマスグモドレーヌ:もっと! いろんなこと教えて! ママも教えちゃうっ!>
<闇より井出氏:我らははるか古の盟約より闇の住人同士であり同胞。何を今更>
「だから、多分……話せないゆうれいともお話できるんだと思う。ねぇ、いっちゃん――」
<柿ピー大好き:いっちゃん……?>
<aaaa:まさか、市松人形のことじゃないよな……>
<イマスグモドレーヌ:単純なところが好きすぎる>
「………………」
「えっと、『何代にもわたってあの家族を見守ってきたのに……こんなところに連れて来られて悲しい』」
<怖い話スキー:おぉ……なんか斬新だな。内容は市松人形あるあるだけど>
「それは……寂しいね。見守っててくれたのに」
『そうね、けどそれはいいの。ただ、このまま消えたくない、誰かに聞いて欲しいと思っただけ。ありがとうね』
<柿ピー大好き:……なんか、切ないね>
<きらリン推し:……ウチももっとぬいぐるみ大切にしようかな>
「いっちゃん……何だか僕も悲しくなってきちゃった……」
『ありがとう。ふふふ』
「ふふふ」
<怖い話スキー:……ん?>
<きらリン推し:あれ、今人形……?>
「ふふ、ふふふふ! あはははははっ!」
「「「ひぃっ!?」」」
<イマスグモドレーヌ:に、人形が笑ってない!?>
<闇より井出氏:闇に還れっ! 闇に還ってぇっ!>
「あーっはっはっはっはー!!! だったらさぁーっ!!!」
「――っ!?」
「あんたが次の持ち主になってよぉっ!!!」
いっちゃんの霊力が……増えたっ!
もしかして『ぎしきがた』ってやつ!?
「あははひゃひゃひゃひゃひゃひゃああああ!!!」
「えいっ!」
飛びかかってきたいっちゃんを、霊力のかたまりでおさえつける。
「残念、それでも僕の方が強かったねっ!」
「ぐげっ!? ぐげげげげげっ!?」
せめて一思いに、さようなら。
きっと見守って来たって言うのは本当なんだよね。
固いものがつぶれる音がして、いっちゃんはもやもやになった。
<イマスグモドレーヌ:えっ? かっこよ……え?>
<怖い話スキー:相変わらず容赦ないねぇw>
「ありがとね。いただきますっ!」
「――はっ!? えーっと、レイくんはこうやって悪霊の魂を吸い込んで浄化することができるのですっ!」
<aaaa:どう見ても捕食>
<TOR:すげーな浄化って!>
<きらリン推し:レイくんはいい幽霊なのね>
<柿ピー大好き:ほんと、かわいいしいい幽霊とか>
<仏教徒ゴリラ:ジョウカスゲエナ>
<イマスグモドレーヌ:レイきゅんは最高よ。ママ、もっと好きになっちゃった!>
「えへへ、ありがとっ!」
ありがとう、しこみ!
モドレーヌさんは……うん。
お読みくださりありがとうございます!
善い霊になるためにはサクラも必要です。
もう1つ小説を投稿しています。異世界転生モノです。
そちらもよかったらぜひお願いします!




