第18話 少年と仏前
「――くん、レイくんっ!?」
「――はっ!?」
あ、あれ……?
僕は一体……?
「大丈夫!? 急に何も反応しなくなって……」
「――え」
確か……ほとけ様の顔を見上げたと思ったら――。
ってつばきちゃん泣いてるっ!
「ご、ごめんねつばきちゃんっ! 僕は大丈夫だからっ!」
「……ほんとう……?」
「本当だよっ!」
「ぐすっ……」
うぅ……つばきちゃん、心配かけてごめんよぉ~……。
「大げさな、とは言えないか。幽霊ってのは不安定なんだろ?」
「そうじゃのう……除霊の件はやめておくか?」
「ううん! 大丈夫っ!」
「大丈夫、だそうですっ」
本当に、ちょっとボーっとしてたというか、だれかと会っていた気がするだけっていうか!
「ふむ。では2人の抱擁が終わったら始めようか」
「ぷっ! 仏様の前で抱き合うなんてウケる!」
わわっ、急にはずかしくなってきたっ。
けど、つばきちゃんの力が強すぎてはなれられない……。
「ごめんなさい。私、結婚式はキリスト式って決めてるの。ね?」
「……あ、そっ。誰も結婚の話なんてしてないわよっ」
「それはそれは。しかし仏前式は来世でも結婚できるように的な式ですぞ」
「仏前式にします」
けっこん……けっこんっ!
わぁーっ!
「……はよ始めろー」
「はい……」
ニアちゃん、ごめん……。
「こほん、ではあちらの部屋へ」
ゴーのお父さんに連れられて来たのは……何だかピリピリする部屋。
この前の箱の時と同じように、ふういんされているってことかな?
そして、その部屋のとびらを開ける。
「……これは……」
「やばそう、だね……」
ふういんの中だけど、なんとなくいやな気配を感じる。
「この結界は……お恥ずかしながら、専門の方に発注したものなのです。私には状況がよくわからないのが本音でして……」
「……」
ゴーのお父さん、さっきは笑ってたのに何だか悲しそうな顔をしてる。
「……俺も見えはするけど、それだけなんだ。だからよ、その……助けてくれねぇか」
「……」
……ゴー。
「うん、僕にできることならがんばるよっ!」
「うんっ! レイくん、頑張ろうねっ!」
「ふふ、エネルギーの補給は任せてね」
そうして少し打ち合わせをした後、さつえいが始まった。
▼▼▼
「きらリン☆ キラキラチャンネルー! 今日はなんと! とあるお寺に来ておりますっ!」
「今日は住職さんにもご挨拶頂くわ。さ、どうぞ」
<柿ピー大好き:今日はいつもと違うね。お昼からなんて>
<仏教徒ゴリラ:kakkoiiteradana!>
ぴーちゃんたちは別のお部屋でコメントしてるよ!
仕こみとかなんとか……ぼくわかんなぁい!
「どうも、住職の檜木です。いぇーい! あの世の母ちゃん見てるーっ!?」
「えっ!? さっき見たおかみさんっぽい人は……?」
「……すみません、母ちゃん生きてます」
<仏教徒ゴリラ:……コロセ>
<きらリン推し:お、遂にゴリラが日本語喋った>
<TOR:遺影!>
……どこまでが仕こみなのだろうか。本当にわからない。
「あはは……さ、気を取り直しましてっ! 今日は急な配信だったから来れない人も多いと思うけど、このお寺の除霊はシリーズ化する予定なのでよろしくですっ!」
「シリーズ化するほどたくさん必要なのね」
<怖い話スキー:maniatta!?>
<イマスグモドレーヌ:今始まったばかりよ。レイきゅんは!? レイきゅんはどこ!?>
「こんにちはっ! 今日もがんばります!」
<イマスグモドレーヌ:きゃああああああああああレイきゅんんんんんんんっ! れいきゅうううううんんん>
「っち」
「えー、お分かりかと思いますが、つーちゃんも付けている霊が見えるようになる勾玉、それを提供することができたのですが……」
<怖い話スキー:おめw>
<イマスグモドレーヌ:ありがとうれいきゅん! 生まれてきてくれてありがとううううううれいきゅうううんんかわいすぎぃぃぃぃっっっ!!!!!!>
「ブロックするわよ」
<イマスグモドレーヌ:ごめんなさい>
<aaaa:くさwww>
<闇より井出氏:わ、我もそれを付けたら見えるのか?>
「えぇ、多分」
「効果はモドレーヌさんが実証してくれましたねっ! もし他にも欲しい方がいたらご連絡を! それと、チャンネル登録の上高評価お願いしますっ☆」
<闇より井出氏:最初からしてるっ! 我にも闇の力を……!>
「井出氏さん、りょっ! でも今日のところは先に進めちゃいますねーっ!」
お読みくださりありがとうございます!
力はいつだって、望むものに与えられるとは限らない……!
もう1つ小説を投稿しています。異世界転生モノです。
そちらもよかったらぜひお願いします!




