第17話 少年と寺
「おぅ! よく来たなっ!」
ゴーだ。
夏休み最初の日、結局ゴーの言う通りになってしまった……。
「へぇ、結構大きいのね」
「ねっ! 何だか、ザ・お寺って感じっ!」
そう、お寺。
ゴーのお家はお寺。
「だから仏教徒ゴリラって言うのね」
「んじゃ、将来ボウズにすんの? ウケる!」
ニアちゃんとぴーちゃんもいるよっ!
「俺は豪とは中学も一緒だから何度か来たことあるけど……正直来たくなかったよ……」
じゃあ来なきゃよかったじゃん。
とは言っちゃダメってキラちゃんが言ってたよ! そりゃそうだよね!
「だったら来なければよかったのでは?」
「ぐっ……それは言わない約束だろう……?」
……つばきちゃん……。
「はっはっは! うちは寺に空手道場を併設しててな! 透の奴は来るたびに鍛えさせられてんだぜっ!」
「そうなんだよ……ただ、鍛錬後のサウナがまた癖になるっていうか……」
な、なんだろう……。
何でかわからないけど……すごく、こう……!
「ぼ、ぼくも行ってみたい……っ!」
「おぅっ! 坊主も一緒に行こうぜぃっ!」
「坊主はお前……じゃなくて、レイくんは別の用事があんだろ? んなむさ苦しいところ連れてくなよっ!」
うぅ、ぴーちゃん……。
「あら、珍しい。私のセリフが先に言われたわ」
「――っ、うるせっ!」
やることが終わったら……それでもダメそうだね……。
「さ、とりあえず親父にあってくれ」
建物の入口に案内され、ゴーがとびらを開けると――。
「……お前さんたち、何をしてきたっ! どえらいもんを連れて来よってっ!」
みんながぼくを見る。
どえらいもんって僕のこと……?
「こ、こんにちは~……?」
「がっはっは! 安心しろ、親父は0感だっ! つまり――」
「1度言ってみたかったんだよね、このセリフ! わっはっは!」
なんて言うか、ゴーにそっくり。
見た目って言うより……むかつくところ?
でもゴーと同じように、きん肉もりもりだ!
「お坊さんが0感……? 大丈夫なの?」
「まっ! 見えてても見えなくてもやること変わらんしなっ! わっはっは!」
なんて会話をした後、みんながあいさつをする。
そして――。
「んじゃ早速本題に入る前に……確認しとくか。俺たちは保管している呪物や霊に憑りつかれている人を紹介して払ってもらい、報酬も払う。」
「私たちはそれを動画のネタにできるし、報酬も貰えるっ! WINWINねっ!」
うん、いい感じっ!
「あー、嬢ちゃん。1つだけ言わせてほしい」
「な、何でしょう……」
あ、これ知ってる。
怒られるやつだ……。
「……そういった理由でここを訪れる人は、真剣に悩んでいる人がほとんどなんだ。だから、ネタだと言って間違ってもそれを喜ばないで欲しい。私にはそういう能力はないが、本気で救いたい気持ちは誰にも負けないんだよ」
「……」
……。
だれも、何も言わない時間がしばらく続いた。
「そう、ですね……軽率でした。ごめんなさい……」
キラちゃんが泣きそうになりながらごめんなさいをする。
うぅ、何だかむねが苦しい……。
「……お言葉を返すようですが――」
「ちょっ! やめてつーちゃんっ! 今のは私が――」
「輝蘭羅さんは、困っている私たちに手を差し出してくれる優しい子です。馬鹿で間抜けでよく漏らすし浅慮なことも多々ありますが、困っている人を笑ったり利用する人間では決してありません。それだけはわかってください」
もっとおこられるかも……と思ってゴーのお父さんを見る。
けど、ゴーのお父さんは笑っていた。
「わっはっは。こりゃ、浅慮はわしの方でしたな! 失礼しました。うむ、きららさん、いいお友達を持ちましたな!」
「いえ……はい。けど、本当に浅慮は私の方で……本当にごめんなさい」
「……私も、ついムキになってしまいました。浅慮でごめんなさい」
な、なんだかよくわからないけど、これでよかったのかな?
ところで『せんりょ』って何?
「うむっ、いい娘さんたちだっ! どうだい、どちらか豪の嫁に来ないかい?」
「それは遠慮します、はい」
「それセクハラですよ」
「切り替え早っ」
うんうん、よかったよかった!
これもきっと見守ってくれてるほとけ様のおかげ――。
「(――えっ?)」
お読みくださりありがとうございます!
お前ら……行ったのかあそこに!!!
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