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1547年(天文16年)4月下旬、伊達家の再生計画発動!

5年先の事を踏まえて、立花義秀は松千代から知らされた史実の情報を元に、伊達家を有力な同盟大名家に育てる為に支援策を用意します。


1547年(天文16年)4月下旬


4月20日の午後、立花義秀は筆頭宿老、鹿島政家、伊達晴宗は筆頭宿老、中野宗時を同席させて会談を行いました。


「伊達殿、苦難の末に家督を継がれた事をお祝い申し上げます!」


「ははっ、此れは一重に立花家の支えのお陰にございます!改めて感謝申し上げます!

伊達家は末代まで立花家の御恩を忘れません!」

伊達晴宗、中野宗時が深く頭を下げました。


「いやいや、頭を上げてくだされ!

本日は今後の南奥州の安定を図る為、微力ながら新たな取り組みを考えて参りました!」


「ははっ、立花家からの提案とあれば、是非にも伺いたいと思います!」


「先ずは先日にお知らせした通り、先代の伊達稙宗殿と側近の20名を立花家が預かりました。

更に最後まで稙宗殿を支援していた相馬顕胤殿、最上義守殿、大崎義宣殿、葛西晴清殿と側近の20名を預かりました。今後は武蔵国の府中城に招いて二ヶ月ほど滞在して立花家の施政を学んで頂きます。

二ヶ月も不在となれば稙宗殿の影響力は低下すると思われます。何かしらの手立てを施すならば絶好の時になりましょう」


「ははっ、お手数ですが、何卒宜しくお願い申し上げます!そのご深慮に感謝申し上げます!」


立花義秀は当主不在の間に外交手段を講じて四つの大名家を手懐ける時間があると示唆していました。


「それでは次に、蘆名家の勢力が大きくなり、伊達家を脅かすほどになりましたな?」


「はい、内乱の間、手薄になった越後との国境周辺と、会津方面の国境周辺が蘆名家の支配下になりました。兵力が足らずに無念にございます」


「その蘆名家に他の大名家が結束せぬ様に細工を致します。

既にお知らせしておりますが、岩城家当主、岩城重隆殿と立花家の娘が10月に婚姻して同盟を結びます。

その岩城家と隣接する白河結城家、石川家が同盟を致します。更に勅使、万里小路様に水面下で二階堂家に同盟に入る工作を依頼しております。

四家の同盟は伊達家を盟主に蘆名家を制御して南奥州に安定を齎す為の同盟が間も無く成立致しますぞ!」


「なんと?我が伊達家を盟主に?しかし、立花家には一方的にお世話になりっぱなしにございます!」


「蘆名家の勢力は推定25万石でありましょう。  

蘆名家の東側に位置する四家の同盟大名家が力を合わせると推定25万石になりましょう。

伊達家が30万石と聞いておりますから、四家の協力があれば蘆名家を抑えるには十分に機能致しましょう」


「ははっ、知らぬ間にそこ迄して頂けるとは…

ご配慮頂き、御礼の言葉が見当たりません!」


「伊達殿、父君が南奥州を制覇した時と違い、支配地域を広げるのでは無く、正義と民の安寧の為に協力する大名家の輪を広げてみるのは如何かな?」


「正義と、民の安寧の為…支配では無く、協力の輪を広げる…?」


「支配は反発を生じます。支配されると反発する者も協力してくれと頼めば協力者になり得ましょう。

立花家はその手法で幕府と古河公方家、関東管領家の圧力に耐えて同盟大名家と共に生き延びて参りました!」


「ははっ、ご教示頂き感謝を申し上げます。

これより伊達家は正義と民の安寧の為に協力の輪を広げて参ります!」


「さて、それでは5年に及ぶ内乱で伊達家の財政状況はかなり難しい状況と聞き及びます。

更には領地の重複の裁定に苦労為されていると知りました。それらの解決の策として伊達家の本拠地を新たな新天地、米沢城に移転する事を提案致します!」


「立花殿?米沢城ですか?…」


「伊達家の発展の為には最適の立地にありますぞ!

米沢城は広大な盆地の中にあり、東に最上川、西に鬼面川おものがわが流れて水に恵まれ、交通の要地だけでは無く、防御に適した地形に所在しています。

北に最上家の山形を牽制出来る地形にあり、南の会津の蘆名家を抑える位置にあり、西には越後国との国境の地域が広がります。

これから米沢盆地を開拓すれば20万石の収入が増えましょう。伊達殿、伊達家を早期に立て直すにはそれしか無いと思うのだが、如何であろうか?」


「最上家、蘆名家、越後国を抑える要地!

…更には20万石の増収が見込めると…?

宗時はどうだ?良いと思うか?」

伊達晴宗は米沢城周辺の土地勘は無く、筆頭宿老の中野宗時に答えを託しました。


「ははっ、米沢城なら伊達家を立て直すのに最適の場所にございます!

立花殿のお勧めならば太鼓判にございます!

早急に移転致しましょう!

しかしながら、伊達家の財政状況は余裕がございません。移転の資金や米沢城の拡張や城下町の整備が必要になりますから、如何に資金を調達するのか知恵を絞らなければなりません!」


中野宗時は立花家が資金援助をすると予測して、故意に資金の話しに触れました。

立花義秀はそれを察知しながらニコリと笑いました。


「ぶははは!お任せあれ!言い出したからには立花家が資金を提供いたしますぞ!

先ずは米沢城の拡張計画と、家臣の屋敷の配置から城下町の設計、周囲の街道整備計画を作成致します。

伊達家の御用商人、岩城家などの同盟大名家の御用商人に協力を要請してもらい、

普請の働き手には日払いで賃金を支給して領民や手の空いている兵士達に手伝って貰い、彼らにも日払いの賃金を支払います!

これで伊達家と領民、家臣や兵士が一丸となって伊達家を立て直すのでござる!」


「立花殿、今までは領民や兵士は徴発して強制的に働かせて参りました。日払いの賃金で人が集まりましょうか?」


「ぶははは!ご心配には及びません。

日払い賃金だけでは無く、旨い飯を無料で与える等、人集めはそれほど難しくありません。

立花家には昔から行って来た実績が有ります。

武蔵国から立花家、同盟大名家の御用商人と専門の技術者を派遣致します。

彼らが伊達家の指導者や技術者を育て、将来は伊達家が自立して出来る仕組みを作ります。

5年先には伊達家の家臣や領民達が笑って過ごす日々が訪れましょう!」


立花義秀の説明に中野宗時が反応します。

「殿、これなら伊達家の領内に多くの銭が行き渡ります!人材も育ちます!

人心を一新するには此れしかありません!

立花殿にお任せ致しましょう!」


「立花殿!伊達家の未来を掛けて、米沢城へ移転致します故、宜しくお願い申し上げます!」


「ぶははは!実を言えば伊達家に再起して頂き、南奥州から北関東の上野国、下野国、常陸国へ威圧を与えて頂きたいのが本音でござる!

伊達家の再起が立花家の命運を握るのが実情にございます。こちらこそ、宜しくお願い申し上げます!」


頭を下げる立花義秀、筆頭宿老、鹿島政家に伊達晴宗が戸惑います。

「困ります、助けて頂くのは伊達家にございます!」

純真な伊達晴宗に立花義秀は好感を抱きます。


「ぶははは!それでは持ちつ持たれつ! 

宜しくお願い申し上げます!」


立花義秀は敢えて本音を語り、伊達晴宗の心を巧みに操ります。

本来は圧倒的に上の立場なのに、敢えて伊達家の協力が必要だと明かして伊達家の面子を立てました。

立花義秀の言葉は伊達晴宗の心を巧みに揺さぶり、立花義秀と伊達晴宗の会談が終わりました。



―伊達晴宗、中野宗時―

「殿、立花家の支援があれば、10年掛かる再建が5年で達成出来ます!

米沢城周辺だけでも20万石が増収するならば、他の地域にも増収が見込めましょう。

これを切っ掛けに領地の重複問題も解決の糸口が見つかります!

立花義秀殿は伊達家の福の神にございます!」

中野宗時は少し浮かれている様子で伊達晴宗の胸に少しばかりの不安が浮かびました。


「宗時、他人の前では軽々しく立花家が福の神だとか、言うでは無いぞ!

5年に及ぶ戦乱で多数の家臣や領民に悲しい事があったのだ!我らが身を律せねばならぬぞ!」


「ははっ!畏まりました!反省致します!」


中野宗時は素直に反省を示しましたが、この時見せた軽々しさがやがて史実通りに展開するなら、伊達晴宗、嫡男の伊達輝宗、伊達政宗の時代に至る権力掌握の通過点に過ぎません。

中野宗時は44歳、伊達晴宗は未だ経験の浅い28歳に過ぎません。晴宗を操り、最高権力者の地位を狙っていました。

現在は勅命で謹慎している古河公方家と前橋上杉家の謹慎期間の呪縛が五年先に解かれた時に立花家に対抗してくる事が予想されます。

強敵を相手に立花家が優位になる為には伊達家が立ち直り、軍事的に協力出来る事が必要でした。

松千代の提案が祖父、立花義秀の手腕で実現に動きます。

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