表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<完結済み>結婚式に参列に行ったら自分が結婚しました  作者: つーかたかさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/31

3 前ウィンダム公爵夫人レティシアの回想

よろしくお願いします。


たくさんの小説の中で、こちらを開いて頂きありがとうございます。

私は現在、前ウィンダム公爵夫人である。

さらに言うと、その前は隣国ルドガシア王国王女であった。

名前はレティシア。現在58歳。夫は2年前に他界した。


私、レティシア王女はルドガシア王の第一子として生を受けた。


若い頃は銀の髪に青銀の艶が煌めく、素敵な髪色でした。今は銀の中に白い髪が増えました。

瞳は深い青。その青の中に金の粒が散らばる、珍しい瞳を持っています。


ハッキリ言って、美人でした。

すらりとした体躯にボリュームある胸。形の良い顔に、アーモンドの形の目は大きく、鼻筋はスッとして高め、唇は赤く可愛らしく。均整の取れた顔立ち。肌は滑らかな陶器の様で。

美の女神に愛されたのね、と言われたものです。


三歳年下のジョージが15歳で王太子になった頃、隣国ランデガルド王国ウィンダム公爵家に嫁いだ。


正妃である母が亡くなり、喪が明けて父の側妃が王妃になった。

側妃にも男児が生まれた。


それから弟ジョージが暗殺されそうになったり、毒を盛られたりし始めた。


自国がゴタゴタする中、私は避難させられた。それが隣国ウィンダム公爵家への嫁入りの真相だった。ジョージの提案だ。

私たち三人は仲の良い姉弟だ。昔も今も。


弟はもう一人いて、15も年下。チャールズと言う。

幼い弟を私もジョージも、守りたかった。

ジョージは自分が死んだらルドガシアに戻るなと言って私にチャールズを預けた。

ウィンダム公爵家には一時期チャールズも避難して過ごさせてもらった。


側妃の派閥を壊滅させたジョージが王位を継いだ。

側妃の男児は幼くして亡くなった。病死と発表された。

父王は退位。側妃と隠居してもらった。


安全になったルドガシア王国へ、チャールズは王太弟として帰った。



ルドガシア王家は神から恩寵を受けたと伝わる。

それは、銀の髪に青銀の艶がかかる事と、瞳に金の粒が散らばる事だ。

昔は、ルドガシア王家に生まれた者の中に1/3の確率で生まれた、らしい。


父王も異母弟も恩寵の色を持たなかった。

3代前までは恩寵を持つ王族がいたそうだ。私達が生まれるまで、最近は一人もいなかった。


その恩寵の煌めきを失い、それでもルドガシアは大国として在り続けた。


傍流王家の血筋の母が王家に嫁いだ。

3人の青銀の艶の髪色、金の粒の散らばる瞳を持つ子供を産んだ。それが私たち姉弟だ。


この瞳は特別な瞳だ。

人が嘘を言えば、その言葉を言った者の頭の上に、煙がたって見える。煙の色や大きさで悪意の嘘か、嘘の程度が判別出来たりする。

また、人が人に悪意を向けた時に、色のついた矢が生まれて向かっていくのが見える。

逆に、好意のハートが見える時もある。

他には、少し後の未来が見える者もいる。


金の煌めきの瞳。これはルドガシア王家の秘密である。


父王はこの瞳を持たなかった事を、次第に卑屈に感じ始めたのだろう。

私達がいることで父王のコンプレックスを刺激した。

そんな中で側妃が娶られ、正妃の母は病に伏した。しばらくして母は亡くなった。



ウィンダム公爵家に嫁いで、私はほどなく息子を生んだ。

リカルドと名付けた。

リカルドにはルドガシア王家の恩寵は表れなかった。私は気にしなかった。ここはランデガルド王国なのだから。

リカルドは我が子である。可愛い。それで十分だった。


子供はリカルドだけだったけれど、幸せな結婚生活を送っていた。


生国ルドガシアでは弟ジョージが王として立派にやっていた。

ジョージも結婚したが、子に恵まれなかった。

側妃派閥の毒のせいかもしれない。


何年も経った。

もう一人の弟チャールズも結婚した。チャールズは二男二女と子に恵まれた。


ジョージは50歳で王位をチャールズに譲った。元王妃と2人で隠居した。5年前の事だ。


チャールズは元々兄王の政務を手伝っていたので、スムーズに譲位は行われたと聞いた。


現在、ルドガシア王国の王はチャールズ(43歳)。王太子は長男ライオネル(20歳)。


ウィンダム公爵家は私を通して、ルドガシア王国の近しい縁戚である。


さて、私の息子リカルドはすくすく育った。顔は良かった。我が夫に似ている。

しかし、優柔不断だ。


一番の優柔不断は、庶子を17歳でもうけたことだ。

あの時は驚いた。


娼館主の女主人が、つてを頼りに手紙を寄越した。

娼館の女主人は元貴族令嬢だったそうだ。そのか細い元貴族家のつてが、私にギリギリ届いた。


娼館主の手紙を要約すると。


没落貴族令嬢を借金のカタに仕入れたら、妊娠していた。

親が詐偽にあって没落した貴族家の令嬢だった。

自身の身の上と似ていたので可哀想に思い、産ませた。

そうしたら、ルドガシア王国王家の銀の髪に青銀の光を帯びた髪色の赤子だった。瞳もルドガシア王家特有の深い蒼に小さな金が散らばっている。

買った貴族令嬢に聞けば、ウィンダム公爵家令息との子だと言う。

心ならずも娼館に売られると決まって、ウィンダム公爵家令息に泣いて頼んで情けをもらったと言っている。

赤子の処遇に困っています。


以上が娼館主の手紙の内容だ。


リカルドはまだ17歳。

没落貴族令嬢は18歳。

青天の霹靂だった。


取り急ぎ、護衛数名とその娼館に出向いた。

確かに赤子は祖国ルドガシア王家の色を持っていた。


娼館主に聞けば。

その没落貴族令嬢は客を取ったことはなく、大人しい性質の娘だと言う。

子をもうけた事は、娼館に売られると決まり、思いきって行動に出た結果らしい。


「その没落貴族令嬢の身柄を買い上げます。もし良ければ、そなたも買い上げます」と提案した。


没落貴族令嬢は貴族家の後妻になるよう、手を尽くす。娼館主は令嬢の母親として付いていきなさい、と。

娼館主に提案すると、喜んで乗った。元貴族令嬢の娼婦だった娼館の女主人は、安楽な老後を望んでいた。

もちろん、赤子の事は他言無用。漏らせば命の保証はないと告げた。

「承知いたしております」

娼館主は元貴族令嬢らしく、カーテーシーをした。

私も、娼館の女主に告げた。

「私の孫を生んだ娘には幸せになって欲しいと思っている。

表沙汰に出来ない孫を、でき得る限り幸せにする道を探すと約束しましょう」


久しぶりに弟チャールズに手紙を書いた。

信頼できるルドガシア王国の王女時代からの侍女に赤子達と手紙を託し、護衛を付けて一行をルドガシアへ行かせた。


その後、チャールズから赤子の母親と娼館の女主の収まった先の話が手紙で寄越された。

チャールズもルドガシアの王室の色を持つ赤子の処遇に困ったろうと思う。


子を産んだ娘は、前王ジョージの妻、前王妃の親戚筋の紹介で男爵の後妻に収まった、と。


先妻は女の子を産み落として亡くなったばかり。乳の出る後妻を喜んで迎えたそうだ。

後妻が前妻の赤子を優しく可愛がり世話するので、夫婦の仲は良い感じだと綴られていた。

後妻の母親(娼館の女主人)も男爵家に馴染んでいる、と。


孫である赤子は、チャールズ王の腹心の側近の親類の嫡子に収まり、大切に育てられている、とあった。



その後、私は生国ルドガシアに年に2回は訪れて、孫の様子を見に行った。親類のおば様として。


私の隠された孫の名前はジェラルド・リットン。リットン子爵家の嫡子として育てられた。

素直で賢く、優しい子。


ジェラルドが無事にルドガシアで育つことが決まった後。

リカルドを夫婦で叱責した。

リカルドには没落令嬢が子を産んだ事と子は貴族家に貰われた事を伝えた。

リカルドは驚いて、少し泣いて、全て収まらせた事に安堵したようだった。



息子リカルドは成人して直ぐ、オルレアン公爵家のリゼットと結婚。

リゼットがリカルドの顔面に惚れて結ばれた婚姻。

リゼットの気が強すぎるきらいがあったけれど、リカルドが良いならばと結婚を祝福した。


リカルドに息子が生まれた。

ジェラールと名付けられた。ジェラール・ウィンダム。私のもう一人の孫。

ジェラルドより2歳年下だ。


ジェラールはリゼットに甘やかされて育った。特に、横に育った。


そして、ラッセル侯爵家のアメリ嬢に恋した。


リゼットは愛息子の懇願を聞き入れた。

実家のオルレアン公爵家とウィンダム公爵家の威光をちらつかせたらしい。

ジェラールはラッセル侯爵家アメリとの婚約を得た。


詳しい事はなにも知らず、私は孫息子の婚約を喜んだ。

この頃、私は王都には全く居なかった。

領地では大規模な工事に着手していた。堤防と橋の建設に携わっていたのだ。

これが終わったら、ウィンダム公爵家の執務から一時的に、退くつもりだった。


ウィンダム公爵家はリカルド夫妻に任せて、ルドガシアに行って孫息子と暮らすのも良いかも、などと呑気にしていた。


腕の立つ補佐を育てたから、彼らをリカルドに付ければ、ウィンダム公爵家は大丈夫だろう、と。

1度退いて様子を見る、そう決めていた。


呼ばれたジェラールの結婚式にも、お祝いの気持ちで参列する、はずだった。


私はルドガシアからの客人と共に、結婚式に出席するために王都に来ていた。

式の準備で慌ただしいだろう本邸には行かなかった。夫が亡くなってからは気の合わない嫁とは極力会わずに済ませていた。


元々、息子が結婚してからは、王都に来ても、公爵邸ではなく、公爵家が持つ邸宅の一つに滞在していた。


だから、知らなかった。

現在の公爵家の内部の様子を。

リカルドの無能さを。

私の眼はフシアナだった。



お読み頂きありがとうございます。


楽しんでもらえたら、嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
1話2話はウィンダム侯爵家 3話以降はウィンダム公爵家 になってます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ