番外編 私達の結婚式 5 アメリアの白昼夢(過去での)
よろしくお願いします。
レティシア様襲撃の報を受けて、ジェラルド様が王都へ向かわれた。
「リアはここにいて。全部処理したら知らせを送る」
ジェラルド様が私を残して行ってしまわれた。
「屋敷にいてください」
メイリーが言うけれど。
せめて祈りたいと教会へ行ったのだ。
祭壇の最前列で跪いた。
一心に祈った。
大切なジェラルド様とレティシア様が無事でありますように、と。
教会で祈っていたはずなのに、そよ風が頬を撫でた。
顔を上げると、森の中にいた。
周囲は森だけれど、広場があって、ポッカリ空が見えていた。広場の中央に樹木が1本あった。
青いキレイな羽の蝶がたくさん舞っていた。羽には金粉があるみたいで、蝶の周りに金粉が、、、。
不思議だった。
中央の樹木は実をたくさんつけていた。
側に行くと、ポロリと果実が落ちてきた。咄嗟に掌で果実を受けた。
とてもよい香りの果実で、見たことのない果実だった。
レーヌ地方の特有の果実かと思った。
小さな葡萄の様な房で、実が5つだけついていた。実の大きさはさくらんぼくらい。深い青色をしていた。
無性に食べたくなって、一つ実を口にした。
物凄く美味だった。そのまま、5つ全て食べたところで、気がつけば元の教会で祈る姿をしたままだった。
けれど、口の中には芳香な果実の香りがあった。
メイリーに聞いても、私はずっと祈っていたと言う。
夢を見たのだろう、と思うことにしました。
以上がアメリアが思い出しながら語った内容だ。
ジェラルドは「不思議な体験だね」と相槌を打ちながら、考えていた。
青い果実を持って赤子を抱く女性。、、教会のステンドグラス。
アメリアが身籠ったのは、レティシアお祖母様の襲われた騒動の後だった。
何か、気にかかる。
アーノルドもルーラもルドガシア王家の恩寵の色を持ち、産まれた。
レティシアお祖母様は今回、「レーヌは初めて行くわ」と言っていた。
レティシアお祖母様が若い頃、お家騒動中のルドガシアに近いレーヌには、夫が行かせなかったそうだ。
ここはルドガシアとの国境の山脈の一つの、中腹の村。
ルドガシアの王太子ライオネルも、恩寵の髪色と瞳を持っている。ライオネルの子供にも恩寵の色が表れたと聞いた。血筋かと思ったが、、、。
ライオネルの妃は、ランデガルド王国との国境を守る領地の候爵家の出だったはず。
位置的に、ここレーヌの裏側だろう。
そして、ライオネルの母親である王妃。夫妻は長い王太子時代に、ルドガシア各地を長く滞在して過ごしたと聞いている。、、、王妃はその中で、リアの様な体験を得たかもしれない。
ルドガシアの「恩寵」は、この山脈を訪れ、招かれて、夢で青い果実を食べた女性が、王家の男と婚姻して生まれた子供に表れるのだろうか?、、、不確かな仮説に過ぎないだろうか?
リアは果実が5つついた実を食べた、という。5人の子供に表れるのだろうか?
いや、全て仮説だ。私の空想の仮説だ。しかし、、、。
私の母親は?没落し無くなった貴族家の娘。レーヌに来たことがあるのだろうか?
アメリアと教会付近を散策し、湧き水を飲んだり、たわいない話をして過ごし、ジェラルド達は別荘に、戻った。
別荘に着くと、客が来ていた。
「よっ!ジェラルド!」
ルドガシアのライオネル王太子が到着していた。
「、、、お久しぶりにございます、ライオネル王太子殿下。この度は遠方より、、、」ジェラルド。
「そんなの良いから!いやー、突然の結婚式が、大正解だったんだろ?幸せそうで、良かったよ!私も結婚して、無茶苦茶幸せなんだよー!そちらが噂の溺愛妻さん?」ライオネル。
「あの結婚式以来でございます。ジェラルド様の妻、アメリアにございます」
「だ、か、ら、そんなに畏まらないでってー。親戚なんだし」
ニコニコのライオネル。
別荘の執事が応接室の扉をノックした。
「王太子ご夫妻、ご到着にございます。側近ご夫妻方も共に来られました」
さらにバーナード達が来て大人数となり、ワイワイと歓談となった。
夕食会も盛り上がった。
アメリアとジェラルドの友人たちに、レティシア、アーノルド、ルーラも勿論夕食を共にした。
アメリアの祖父母のラッセル前侯爵夫妻と、ラッセル侯爵になったフィリップも来ており、大人数の夕食会となった。
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