21 番外編 王弟の娘登場
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緊張して始まった王太子妃様のお茶会は、とても楽しい時間だった。
フローラ様は優しくお声がけくださり、エヴリン様もカミラ様からも歓迎して頂けた。
軽く自己紹介した後。
女子トーク炸裂。
恋バナ。雑談。夫の愚痴。王都で流行りの品、小説、劇、素敵なお店。今自分がハマってるモノ。
話題はあちこちに飛んで広がり、キャイキャイと弾んだ。
1時間くらい過ぎた頃。
王宮侍女が困り顔で伝えにきた。
「王弟様のご息女様が、ぜひ御一緒したい、とおっしゃってこちらに向かって来ておられます」
「エセル様が?お呼びしていないわ。丁寧にお断りして」フローラ様。
ロナウド様の奥様エヴリン様、トーマス様の奥様カミラ様も、王弟ご息女様には遠慮して欲しそうだ。
しかし、もう王弟ご息女様は近くまで来ていらした。
「フローラ様、ごきげんよう。楽しいお茶会があると聞いて参りましたわ。ぜひお仲間に入れてくださいね」エセル。
「エセル様、ごきげんよう。
私達、既婚者のお茶会を楽しんでおりますの。
お若い方にはよろしくない話がございますわ。
申し訳ないのですけれど、ご遠慮お願いしますわ」フローラ様。
王弟ご息女様の名前はエセル様というのか、とアメリアは頭にメモした。
ストレートの豪華な金髪、薄い青い瞳。おキレイな方だ。確か、16
歳。
「そんなことおっしゃらないで。後学のためにも、ぜひ、お話をお聞かせいただきたいの。
お邪魔はいたしませんわ」エセル様。
フローラ様はしぶしぶエセル様を招いた。
一人座れる分を空ける。
エセル様はフローラ様の隣でなく、私の隣を希望した。
「フローラ様方は20代半ばでしょう?
あなたはお若いわ。19歳でしたかしら?私はまだ16歳だから、話が合うと思うの」エセル様。
不穏な気配がした。エセル様からトゲを感じるのだ。
フローラ様達も感じたらしい。
フローラ様が控えていた侍女に、目配せした。
エセル様は私をジロジロと眺めた。
「ご結婚まで、あなたの名前を聞いたことが無かったのですけれど、どのようなおうちの方か、ご説明なさって。
我が国の公爵家に嫁ぐ方ですから、もちろん高位貴族家の方ですわよね?さ、お話をなさって」エセル様。
「王弟様のご息女エセル様には初めてお目もじ致します。
アメリア・ウィンダムです。
実家はラッセル侯爵家です」アメリア。
「アメリ・ラッセルなら知っているわ。でも、あなたは知らない。嘘は不快ですわ」エセル。
「アメリは従姉妹です。私は元はスタンリー伯爵家の者です。祖父母の養女になりましたの」アメリア。
「エセル様、お言葉を慎みなさって?アメリア様に失礼でしてよ」フローラ。
「まぁ、失礼でしたかしら?私、嘘がつけなくて。
ウィンダム公爵子息はアメリ・ラッセルと婚約しておりましたわ。あなたではありません。
どうしてあなたがウィンダム公爵嫡子とご結婚なさったのかしら?御説明してくださるかしら?」エセル。
「エセル様、私がウィンダム公爵嫡子と結婚したアメリア・ラッセルで、今はアメリア・ウィンダムです。
詳しいお話はご勘弁お願い致しますわ」アメリア。
「エセル様、御退出なさって。お言葉が過ぎます」フローラが厳しく言った。
エセルは構わず話をし続けた。
「ねぇ、アメリアさん。ジェラールとアメリはお似合いだったわ。
ジェラールはアメリが好きでしたしね。
でも、ジェラルド様にあなたはお似合いかしら?
たまたま花嫁の代役でジェラルド様とご結婚なさったのでしょう?
ジェラルド様はルドガシアでお育ちになられたとか。しかも、庶子なんですってね。
このランデガルドでウィンダム公爵家の後継者となるなら、高貴な血筋の方と結婚するのが良いと思うの。例えば、私とかね。
私が降嫁すれば、ジェラルド様に難癖つける貴族はいなくなるわ。ジェラルド様のために、身を引いて欲しいの。
お子様もまだなのでしょう?
あなたには元伯爵令嬢に相応しい縁談を用意して差し上げる。
ジェラルド様のために、身を引いてね。わかった?」エセル。
「エセル様!お黙りなさい!そして、謝罪なさい」
フローラが怒った。
「エセル様、私はジェラルド様をお慕いしています。
高貴な血筋は持ち合わせておりませんけれど、私がジェラルド様の伴侶です」アメリア。
「ええ、アメリア様がジェラルド様の奥様です。
アメリア様、そのブローチ素敵だわ。ジェラルド様の色ね。プレゼントされたのかしら?」
フローラがアメリアの首や胸元にかかるストールを留めているブローチを褒めた。
話題を強引に変えてエセルの発言は無視するつもりだ。
「私も、素敵だと思っておりましたの。繊細な細工ですわ。深い青の石を金彩で囲んだデザイン。珍しいですわ。ジェラルド様の瞳の様ですわ」エヴリン。
「もしかして、名工アーデルハイドの作品かしら?」カミラ。
「たしか、そのような名前の箱で頂きましたわ。
どうぞ、手にとってご覧になって。とても素敵な細工ですの」アメリアはブローチを外した。
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