17 アメリが去って
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アメリが黙った。
呆然・絶望・自失の入り交じった顔となった。
自分に甘い両親に頼れない。もう離籍される。ラッセル侯爵家から絶縁された。
これらの事がやっとアメリに深く突き刺さった。
護衛騎士らに腕を取られ、アメリはヨロヨロと連れられて行った。
ホールに居た使用人達に、ジェラルドが「職務に戻れ」と手で合図した。
アメリアも驚いていた。
アメリ自らがジェラールに痩せ薬を過剰摂取させていたこと。
結婚式を逃げた理由。
ラッセル侯爵家の代替り。
ラッセル侯爵家からアメリが除籍されたこと。
「私、何も知らされておりません。
ラッセル侯爵家は私の実家に当たります。アメリも、あれでも従姉妹です」
アメリアが少し悲しげにジェラルドに言った。
「うん。ゴメン。そう、だよね。リアに伝えなかった。
全部終わってから言うつもりだった。
さっきまでラッセル侯爵家にいたんだ。レティシアお祖母様とね。
アメリは昨日からラッセル侯爵家にいたそうだ」
ジェラルド。
「昨日から、、、」アメリア。
「ウィンダム公爵家として、アメリを許すわけにはいかない。許せる罪に思うかい?」
ジェラルドがアメリアの目を見て問いかけた。
「それは、、、」アメリア。
「ウィンダム公爵家として、私とお祖母様はラッセル侯爵家の罪を処断しなくてはならない。
これに関しては、アメリアの意見を聞くわけにはいかない。だから、あえて伝えなかった。
リアの夫としては、伝えたかったけどね。
アメリが逃げた相手と平民として暮らすなら、アメリ自身は放置しても良かったんだ。
ラッセル侯爵家の監督不行き届きは否めないがね。
ジェラールも、アメリに強制されたとしても、飲んだのはジェラールだから。
しかし、、、今日のアメリの行動は鉄槌を下すに足る言動だったよ。
私の妻に向かって出ていけなど。
何もなかったように私の妻に、次期ウィンダム公爵夫人になろうとするなど、寛容にしてやる気は一切吹き飛んだ」
ジェラルドの怒気がアメリアに伝わりアメリアは戸惑った。
「アメリを、どうするおつもりですか?」
不安げに聞くアメリア。
「除籍されてもアメリはジェラールの婚約者だからね。
ジェラールのいる離邸に行かせる。
ラッセル侯爵と嫡男はウィンダム公爵家に謝罪したよ。
アメリがジェラールにしたことに真っ青になっていた。
ラッセル侯爵はアメリが式当日に逃げた事を謝罪した。
アメリを修道院へ行かせるし、ジェラールへの見舞金をかき集めるので表沙汰にはしないで欲しいとね。
夫人はアメリと同じ事を言ってたな。
リアは代役なのだから、アメリをウィンダム公爵家に嫁がせれば丸く収まるとね。
ジェラールにも、婚約者だったのだから、許してくれとね。
鼻で笑ったよ。
アメリの行った罪はそんなものではない。
説明し、書類を見せた。
夫人はアメリの処分に喚いていたが、侯爵と嫡男は私の提案を受け入れた。
アメリの除籍を決めた。アメリの身柄をウィンダム公爵家に任せると同意した。
そこに、我が家の使いが来たんだよ。アメリがウィンダム公爵家に来訪したとね。
申し訳ないけど、あとの書類のサインとかは公証人とお祖母様に任せて、私だけ帰宅した。リアが心配だったから」
「お疲れ様です。
アメリの事で、ご迷惑をおかけしました」
アメリアが目を伏せ、ジェラルドに頭を下げた。
「リアが謝ることじゃない。
飛んで帰ったのは、リアが万が一にもあの女の言うように、ウィンダム公爵家から出ていったらと思うと、、、怖かった。
リアがキッパリとアメリに断ったから安心したよ」
ジェラルドが心配そうにアメリアに言う。
「聞いてたんですね。私はルドの妻です。出ていくなんて、しませんよ」
アメリアがジェラルドに微笑んだ。
「うん。愛してるよ、リア」
ジェラルドがアメリアを抱き寄せた。
「私も、あ、愛してます」
赤くなりつつ言うアメリア。
「私の奥さんは恥ずかしがりやさんだな。そこも可愛い」
ジェラルドがアメリアの額にキスを落とした。
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