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寝室の隣にある自室へ行き、服を整えた。
ジェラールの部屋でも、リカルドの部屋でもない。
次期当主に相応しい部屋だ。
倉庫に保管してあった年代物の高級家具を出して揃えさせたそうだ。
部屋から出るとウィンダム公爵家の執事がいた。
深々と礼をする執事。
「腹が減った」
「かしこまりました」執事。
階下の食堂に向かった。
「私の部屋を整えたのはお前か」
歩きながら問う。
「差し出がましくも、私が命じました」後ろを歩く執事。
「ふむ、良く気がついた。アメリア次期公爵夫人の部屋もしっかり整えろ」
「かしこまりました」執事。
「お前の名前は?」ジェラルド。
「サイラスです」執事。
「ふーん。長いのか?」ジェラルド。
「代々ウィンダム公爵家の執事をさせて頂いております。執事見習いを含めると40年程お仕えしております」サイラス。
「そうか。アメリとかいう令嬢が来たら、確保しておけ、サイラス」ジェラルド。
「既に門衛にそう伝えてあります」執事サイラス。
「ほお。誰の指示だ?この屋敷では主以外に勝手な指示を出すのか?」ジェラルド。
「ご当主様のお気持ちに沿った指示を先んじて出すことはあります、、、。お怒りに触れましたなら、私めに罰をお与えください」執事サイラス。
「聞いただけだ。それで良い。お前が出した指示は早く私に伝えろ。嘘は許さん。、、、だが、忠誠心は受け取る。ありがたくな」
「オルレアン公爵家と繋がりを疑っている使用人を、昨夜追加で隔離の使用人部屋に入れました。お伝えしておりませんでした」執事。
「良くやった。感謝する」ジェラルド。
「他にも怪しい動きの奴は隔離しておいてくれ。アメリアの周囲には信頼出来る使用人のみ近づけてくれ。
彼女に朝食を。部屋に届けろ。野菜と果物をつけるように。
今朝来たメイリーという使用人をアメリアの専属侍女にした」ジェラルド。
「かしこまりました。、、、右の扉です」執事が食堂を示した。
食堂にはレティシアがいた。
「おはよう、ジェラルド」レティシア。
「おはようございます。お祖母様」ジェラルド。
「ジェラルドとこうしてウィンダム公爵家で朝食をとれるなんて、嬉しいわ」レティシア。
「私もです。お祖母様」
「朝食のあとは、私の部屋に来なさい。お茶を運ばせるわ」レティシア。
レティシアの部屋で密談となった。もちろん人払いしている。
「ジェラルド、あなた、ものすごく変わったわよね。花嫁の顔を見てから」
レティシアお祖母様。
「わかりましたか」ジェラルド。
「そりゃあ、ね。一目惚れでもしたの?
名前をアメリアと連呼していたから、代役は無しにしたんでしょう?
清楚な可愛らしいお嬢様ね。
アメリより、ずっと素敵なお嬢様。お話はまだしてないけど、好きになったもの」レティシア。
「ルドガシアでの知り合いの下級生でした。彼女は留学生でした」ジェラルド。
「まぁ!」
レティシアは瞳を輝かせた。
「お互いに好意を持っていた相手でした。口に出したことはありません。
だから身代りや代役ではありえません。
私はウィンダム公爵家嫡子、アメリアは次期公爵夫人です」ジェラルド。
「わかったわ。
では、リカルドとリゼットにはさっさと隠居してもらいましょう。ジェラールと一緒に。
静養の別邸を用意させるわ。
もしアメリが来たら、アメリもそこに。少し改造しなくてはね」
レティシアがフフッと笑う。
「オルレアンのネズミもそこに入れますか?」ジェラルド。
「無害なものは入れるけど。牙を剥きそうなネズミは、牙を抜いて放逐ね。抵抗するなら処分」レティシア。
「私が足元を固める前に仕掛けてくるでしょうね」ジェラルド。
「ええ。今のオルレアンじゃなく。ウィンダムに寄生するオルレアンは貴方を排除したいでしょうね。ジェラールが快方に向かえばね」
「、、良いのですか?彼も貴方の孫です」ジェラルド。
「そうね。ジェラールも孫よ。
私の生きているうちは支えるつもりでいた。
何人かご令嬢を調べさせていたのよ。ジェラールの妻にと思ってね。しっかりした令嬢を娶らせたかった。
それをジェラールもリゼットも拒絶した。
様子を見て決めるつもりだった。
私がウィンダムから退くか、準備してウィンダムにあなたを据えるかを。
それはそれとして、一年くらいあなたとルドガシアでのんびり暮らすのを夢見ていたのよ」レティシア。
「それは、驚きました。
もしかして、彼らは自爆しただけですか?時期を自分で早めたのですか?」ジェラルド。
「そうね。観察は一年くらいを予定していたの。
ウィンダムが傾くなら、あの子達を排除するつもりでね。
領主は領民の暮らしを守るから上に立たせてもらえるのです。
そんなことも理解できないなら、害でしかありません。」レティシア。
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