10 アメリアの夜
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疲れた。
今日の1日は、普通の半年をギュッと縮めた濃さだった。
えっと。
結婚は、代役だったはず。
でも、アメリでなくアメリアと呼ばれてた。なぜ?
名前が似てるから間違えたのかな?
バタバタとした周囲に、近しい人は来てくれなくて。
何も聞けなかった。
常に側に居るラッセル侯爵家の侍女は取っ付きにくいし。
私はアメリに嫌われてたから。アメリ専属の侍女にも嫌われてたらしい。
ドレスも宝飾品も、全部アメリのだし。自分の主人の物品を身につけてる、って嫌なんだろうな。
祝宴が終わって。ウィンダム公爵家に私だけ残された。
お祖母様もお祖父様も伯父様夫妻も、帰っちゃったんだよ!!
アメリが見つかるまで、ここに居ろってことなのかな??
アメリのためのドレスを脱がされて。風呂に入れられた。
高そうな香油を肌に塗られた。
心もとない夜着を着せられた。
このままだと風邪を引きます、と言って、ガウンを着せてもらった。
連れられて行ったら、寝室に入れられた。
寝室にはジェラルド先輩がいた。
ジェラルド先輩も風呂上がりらしく、少し濡れた髪が色っぽい。
先輩、銀髪も似合うなー。相変わらずカッコいい。
1年ぶりくらい?
見知った人に会えて安心した。
「アメリア嬢、こっちへ来て」
ソファーに座らされた。
「疲れたね」ジェラルド先輩。
「はい」私。
「驚いたよ」ジェラルド先輩。
「はい、ビックリしました」
「アメリ嬢の従姉妹なんだってね」ジェラルド先輩。
「はい」
「婚約者はどうしたの?」ジェラルド先輩。
「父が再婚して弟が生まれたので、私はスタンリー伯爵家の後継から外されました。
なので、婚約は白紙になったんです。
今は誰とも婚約してません」私。
「なるほど」ジェラルド先輩。
「あの、アメリが今日、式に出れなくて申し訳ありませんでした。その、アメリが戻って来ること、願ってます」
アメリア。
「あ、私はアメリ嬢に会ったことはないよ。
私も代役というか、本来の花婿ジェラールは異母弟なんだよ。ジェラールにも会ったことは無いけど。
ウィンダム公爵家の嫡子は私になったから、問題はない」ジェラルド。
「え、え、えぇぇ?」アメリア。
「お互いにビックリしたけど、今日は良い日になったね」
ジェラルド先輩がにこやかに言った。
「そう、ですか?」
アメリアはまだ、事態に頭が追い付いて無かった。
先輩はアメリと面識はなくて、アメリを好きでもなかったってこと??
と言うことは?
今日の結婚式は、なんだったの???
「アメリア嬢は私との結婚、嫌なの?」
ジェラルド先輩が悲しそうに言う。
「は?私は代役なので、え、結婚??」
「アメリア嬢は代役じゃないよ。私はアメリア嬢と結婚した。
誓いのキスもしたよね?
アメリじゃなくアメリアと今日、呼ばれていたでしょ?」ジェラルド先輩。
代役じゃないー!!??
混乱して立ち上がりかけた私の手を、ジェラルド先輩がさっと掴んだ。
ジェラルド先輩がソファーから下りて、私の前に跪く。
私の手の甲にキスした。
「アメリア・ラッセル嬢。アメリア・スタンリー嬢の時から貴方を好ましく思っていました。
結婚するなら、貴方だと。
どうか私、ジェラルド・ウィンダムの妻になって下さいませんか?
この生有る限り、貴方一人を大切にし、愛すると誓いますから」
ジェラルド先輩の蒼の中に金を散らした瞳で私を見つめる。
ポカーンと固まった私。
これこそ、夢!??
「だめ?」
ジェラルド先輩は子犬がしょんぼりするような顔になった。
「だめじゃないです!!」
つい大声で答えてしまった。
「嬉しいよ!」
ジェラルド先輩が私を抱き締めた。
んんん???ジェラルド先輩、腰に短剣でも持ってるのかな??何かが当たる。
ジェラルド先輩が私を抱き上げて、ベッドに運んだ。
展開に付いていけない。
これは、アレですか??
もう少し話を、と言いたかったのに、口を塞がれてしまった。
そのまま、夜着をスルッと脱がされて、、、、。
私は今朝、従姉妹の結婚式に参列に教会に来たのに。
花嫁になって、恋した人と結婚しました。
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