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異端生活

毒を盛ったあの日から十ヶ月、私は一歳になった。

いまだに私が毒を盛ったということはバレていない。

それどころか、母、ポヴェイロ・ラステルが植物人間であることもわかっていない。

専属医の目は節穴だ。

断言できる。

父、カーサ・ラステルは妻が目覚めることを信じている。

だからこそ、メイドなどの屋敷内の女には手を出していない。

いい男だな。


誕生日になっても、何もなかった。

当然ながら親が祝いに来ることはなく、メイドの態度が変わることもなかった。

いつも通りの三食があるだけだ。

それで充分だ。


私の目的の二つ目。

父を説得し、私の生を国王に認めさせること。

だが、まだ何も思い浮かんでいない。

まずい。

まだ五年あるとはいえ、もう五年しかないのだ。

非常にまずい。


平和にいくなら。

私が生きる価値を魅せなければならない。

「黒髪が跡取りだ」というデメリットを帳消しにしてお釣りが来るほどの有用性を。

私にそれだけのものはあるか。


私の特徴といえば、何がある。

子供の頃からある知能。

忌まわしい長い黒髪。

書籍「この世界の全貌」の内容すべて。

以上だ。

まずは、子供の頃からある知能。

これは役に立たない。

子供の頃からあるとは言っても、この世で一握りの天才でもないのだ。

屋敷の執事とかの方がよっぽど賢い。


次に、忌まわしい長い黒髪。

敵視される元凶だ。

全く必要ない。


最後に、「この世界の全貌」の全て。

覚えなくてもその都度見れば良いのだから、何もアピールできない。


終わったな。

何も有用性がない。


なら、平和路線はやめだ。

脅迫路線でいくにはどうしよう。

脅迫と言って思い浮かぶのは二つ。

人質と、武力だ。


人質にできそうなもの。

母親か。

だが、私は治療薬を持っていない。

「母親がこうなった原因がわかる」

といっても、私が犯人と決めつけられて殺されるだろう。


なら、武力はどうか。

この世界で武力の象徴といえば、魔導だ。

だが、黒髪は魔導を使えない。

せっかく魔力がとても多い証の長すぎる髪を持っているのに、もったいない。


……いや、待てよ?

長い黒髪。

髪がないわけではないから、頑張ったら魔導を使えるのではないか?

魔導を使えるようにさえなれたら、魔力は多いから世界でも有数の強者になれる。

なら、流石にラステル公爵家全体を相手には無理でも、父親と決闘して勝てるくらいにはなれるだろう。

なら、これを平和路線で使うこともできるはずだ。

ラステル公爵家は公爵家だからもちろん軍は強いが、ソーレン公爵家やサンゼンイン辺境伯家には及ばない。

武力の象徴になるのもいいかも知れない。

そうとわかれば、魔導を使えるようにならなければ。


魔導については、「この世界の全貌」には少ししか触れられていない。

存在や概要についてはわかるが、具体的な魔導の種類などは私にはわからない。

より多くの情報がいる。

どこか、情報に溢れた場所はないか?


書庫だな。

夜には書庫に篭りきりになるような生活が望ましい。

これからの一日は、人の往来が多い朝から昼にかけては眠り、人がいなくなる夜に活動する。


そうと決まれば、真っ昼間に考え事をしている場合ではないな。

おやすみ!


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