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彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
第一章一節 王立学園一年生編
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魔道

週一で開かれることになった筋トレ大会では、毎週違うものが行われた。

ある日は腕立て伏せ。

ある日は腹筋。

郊外に出てランニングをする週もあった。

その全てにおいて、フィリオは限界を見せなかった。


終業式も目前となった日。

珍しくフィリオが教壇に立った。

フィリオが教壇に立つときは大抵重要なことを言う。

特級クラスの面々は自然と静かになっていた。


「割と重要なことを言う。心して聞け」

「俺は聞かなくて良いよな?」

「ああ、天使は関係ないことだからな」

「はい、りょーかい」

天使は関係ないこと。

戦争の話だろうか。

その話は混乱を招くし、そもそもこの段階で話す必要がないんじゃないか。


「みんな、魔導が何かを知っているな?」

「バカにしないでくださいよ」

アリサがキレた。

まあ当たり前のように知っていることだからな、仕方ない。

戦争とは全く関係ない話っぽいな。

杞憂だった。


「魔導を地図に喩えよう。今、開拓が終わって人類の支配下にある範囲。それが魔導だ。何を言っているかわからんと思うが、まずは聞いてくれ」

脳内に地図を思い浮かべる。

横長の長方形、その端には海があり、中央には大陸がある。

その範囲が、魔導。

属格や起格で構成される、ありふれた魔の力。

「魔導を教える奴らがいる。そいつらは、すでに開拓された『道』を教える存在だ。だから、『魔』を『導』く『師』と書いて、『魔導師』と呼ぶ」

フィリオは黒板に『魔導師』と書いた。

「ここで疑問を持て。今ある地図が、世界の全てか?」

どう言うことだ?

「地図の外、海を超えた先にまた別の陸地があるかもしれないだろう?それは現段階ではわからない。それを開拓する奴らがいる。そいつらを、『魔』の『道』を切り拓く『士』と書いて、『魔道士』と呼ぶ」

フィリオが黒板に『魔道士』と書いた。


地図の外。

まだ人類が到達していない場所。

これは、魔導とは全く異なる力。

属格がないかもしれない。

まず、魔言すらないかもしれない。

だが、確かに魔を使った事象。

これが、『魔道』。

「お前らはいずれこれになってもらいたい。自らの魔を鍛え、自分だけの『魔道』を作れ。これに関する疑問は全て答えよう」


この説明が終わり、今日は解散となった。


自室。

レアルタには少し悪いが外に出てもらい、一人で考えていた。

自分だけの『魔道』。

自分だけの。

頭が回らない。

考えついたものがあっても、どうせ他の人がやっているんじゃないか。

私に地図の範囲を超えることはできないんじゃないか。


違う。

発想が逆なんだ。

私がやりたいことが他の人もできるじゃなくて、他の人がやりたくてもできないことを考えるんだ。


私の武器。

剣。

属性。

主にこの二つだ。


剣については、簡単だ。

魔力のコントロールを鍛えて、剣と併用する。

その先。

剣にも魔力を纏わせる。

ただ、現段階では手足同時も満足にできない。

鍛錬あるのみ。


属性。

私は複数属性の魔導を使えた。

それを、掛け合わせる。

盗賊団の時は魔導で起こした炎に風魔導をぶつけた。

それを同時にやる。

とはいえ、私は風属性以外は全くと言って良いほど鍛えていない。

これも鍛錬あるのみ。


なんだ、結局やることは変わらないじゃないか。

鍛錬して、基礎スペックを上げて、試す。

それだけだ。


私は頭が固いのだろう。

他の人、例えばオウスクリータなんかは、誰もが思い付かないような発想を今もしているはずだ。

叶わないな。







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