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彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
第一章一節 王立学園一年生編
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いきなり男子会

「フィリオ」

「ん?」

「あいつと会うの久しぶりだったね」

「ああ。俺は別になんだが、お前は最後にあったのいつぐらいだ?」

「三つ前だよ」

「うわ、そんなに経ってたか」

「そうだよ」


一体なんの話をしているんだ?

あいつと会う、と言う発言から見るに二人は共通の誰かと会ったのだろう。

そいつとフィリオは少し前に会っていたが、ドルチェ様は久しぶりだ、と言うことだ。

矛盾が生じる。

まず、ドゥラーゴ特別自治領に人間はいない。

そして、特別自治領の竜が外に出ることはなく、特別自治領外で会うことは不可能。

旅行に行く前のフィリオの発言、「行けん事は無い。けど、だいぶ厳しいと思うぞ」から、特別自治領に行くのは久方ぶりととれる。

なら、少し前に会っているという発言は矛盾する。


それに、ドルチェ様の発言もだ。

時間で「三つ前」と言う表現はしないだろう。

「何日前」や「何年前」と言う表現のはずだ。

全く、意味がわからない。


「アロガンツァ」

フィリオが話しかけてきた。

「なんだ?」

「特別時治療を見て、どう思った?」

「戦力として欲しいと思った」

「あのさ、なんでそんなに戦争思考なの?」

「天使様と違って、人間は、特に貴族はみんなこんなものだ」

「それは天使を誤解してるけど、まあいいや」

天使を誤解?

この俺が?

物心ついた頃から聖書を読み耽り、暇さえあれば天使様に祈っていた、この俺が?

誤解なんてしていないはずだ。

引き下がりたいが、そんなことはしない。

ドルチェ様が「まあいいや」と言ったんだ。

それはこの話題の終わり、閑話休題を意味する。

そこでくってかかるなんて不敬なことはしない。


「いい機会だ、アロガンツァ」

「なんのだ」

「行く前に言っていた『国王や公爵を相手に戦争する場合のシミュレーション』ってやつ、するか」

いいじゃないか。

数年後には、しっかりと活用させてもらおう。

「まず、宣戦布告はどこでする?」

「宣戦布告する必要があるのかい?」

「宣戦布告しないなんて卑怯な真似をしたら、戦争で勝っても国民がついてこないからな」

「それもそうか。ありがとう」

天使様の役に立てたなら何よりだ。

「話を戻すぞ。宣戦布告なら、トラジェーディア丘陵一択だろ。ノーブル公爵領内だから、使節団とかの名目さえ作れば簡単に行けるし、ここは攻めにくいからな」

ああ、そこは同感だ。

トラジェーディアは防戦に向きすぎている。

だが、すぐに壁が現れる。

「だが、それだと真っ先に公爵と争うことになるだろう?」

「頭を使えよ。トラジェーディアまでの移動中に罠を仕掛けるんだ。初戦の地の利は俺たちにある」

そうか。

卑怯な気がするが、まあそれぐらいはいいか。

勝てば官軍だ。

「その先は?距離的にラステル公とヴィリャッコ侯、クァードロ伯の連合軍が来る。その次はデヴォツィオーネ伯とサンゼンイン辺境伯の連合軍だ」

「ノーブル公と戦っている間に、トラジェーディアの断崖を橋で繋いでおくんだ。戦況がキツくなったら崖の奥に移動して、敵が来る前に橋を落とせば良い」

卑怯な気がする。

だが、勝てば官軍だ。

「だが、敵の魔導は崖を挟んでも届くようなものもあるだろう?」

「そこの後ろ、海の先にはアッセーディオ砂丘がある」

「まさか、海を繋ぐと言うのか!?」

「ああ。その後は視界が悪い砂丘だ。そこで散り散りになって、追ってきた連合軍を各個撃破すれば良い」

「いや、いくらなんでも卑怯すぎるだろう!」

「そうだよ。それで戦争に勝てるなら儲けもんだろう?」

「いや、ダメだ!民はついてこない!」

「いや、もっと卑怯なことしても現に民はついてきてるじゃねえか。なあ、ドルチェ」

「そうだね。正直、これなんか目じゃないくらい卑怯だけど、民は何も気にしてない」

なんだ?

一体なんの話だ?

人獄大戦は負けた。

ここに卑怯も何もない。

それ以前の戦争は人々の記憶に残っていない。

一体なんの話だ?



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