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彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
第一章一節 王立学園一年生編
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蔵の中のたからもの

朝には学園を発った。

その日は移動をするだけで、暇な一日だった。

二日間かけて、翌日の昼にやっと特別自治領に着いた。


そこはまるで幻想の中の世界だった。

空を見上げれば竜が数え切れないほど飛んでいる。

そこかしこで炎の吐息が見られ、幼竜の鳴き声が聞こえる。


一頭の竜が私たちの前に降り立ち、言った。

「人間よ、何用か。申せ」

フィリオが答える。

「族長に伝えてくれ。『一振りの友が会いにきた』と」

「その必要はない。すでに族長から話は聞いている」

「相変わらず用意周到だな、あいつは」

「何はともあれ、歓迎しよう。其方は族長の巣へきてくれ。それ以外は自由に観光するが良い」


フィリオは連れて行かれた。

私たちは自由にして良いようだ。

フィリオ様々だな。


族長の巣は久しいな。

あの頃を思い出す。


「久しいな、────」

「本当にな。涙が出てくるよ」

「お主から涙は出んじゃろうに。ところで、他の皆は元気にやっているか?」

「みんながみんな俺らみたいだと思うなよ。ルーチェとオウスクリータは死んだ。レーヴァテインもだ。師は、今は寝てる」

「そうだったか。時というのは早いものだな」

「ああ。今も生きてるのは、俺らを含めて三人だけだ」


沈黙が場を支配した。


竜が口を開く。

「なんの用だ。思い出話をしに来たわけでもあるまいて」

「そうだな。本題と行くか」

「なんじゃ」

「今から七年後、戦争が起こる」

「規模は?」

「大陸じゃあ収まらねえだろうな」

「承知した」

「敵は、わかっているだろうな?」

「もちろん。我らを侮辱した、あの若造じゃろう?」

「よくわかってるな」

「あの時代を生きておいて、これがわからぬ奴はいないじゃろう」

「それもそうだな。あと、俺の連れが世話になる」

「構わん。国交を閉ざしたわけではないしのぉ」

「腕が鈍って不安なら、六年後の戦争に顔出してもいいぞ」

「興が乗っていればな。さて、酒でも飲むか」

「そうだな」




本当に、あの頃が懐かしい。

七尊で自由気ままに暮らしていたあの時が。


今生、今からが締めくくりだ。

華々しく散る。


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