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彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
第一章一節 王立学園一年生編
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軒先より


ドゥラーゴ特別自治領に来て二日目。

私たちは昨日の竜に領内を案内してもらっていた。


「質問があるんですけど、良いですか?」

「構わん」

「ここにはさまざまな種類の竜が住んでいると思います。種族同士で仲が悪かったり、勢力争いが起こったりしないのですか?」

「起きない。気の遠くなるほど昔は起こっていたそうだが、族長が我らを纏めてくださってからは起きたことがないな」

「ありがとうございます。気の遠くなるほど昔……。って、じゃあ竜は寿命がないんですか!?」

「そうだ。不老ではないが、不死ではある」

「そうなんですか!」


いつでもどこでもアリサは勉強熱心だな。

勉強のことなど考えずにこの経験を堪能すれば良いのに。




あれから一週間をかけて、特別自治領を一周した。

今日は族長の家の近くに泊まる。

海岸線を歩いていたから、海が見えないのは少し懐かしいな。


こういう時でも、日課を忘れてはいけない。

夜、みんなが寝静まったのを見計らい、私は外に出る。

ここは良い場所だ。

とても大きい針葉樹が辺りを埋め尽くしている。

いつもは平面的な動きだが、ここでは立体的な動きを試せる。

「ヴェン・インドッサーレ」

風を纏い、空を駆ける。

枝々を足場にして、どこまでも高く。

あの針葉樹の鋒まで。


針葉樹の頂点まできた。

上から見るのはいつでも心地よいものだな。

私より上位の存在である竜の間抜けな寝顔を観れるというのは。


ちょっと待て。

落ちる。

風で落下の衝撃は軽減できるとして、場所はどこだ?

考えなしに進んでしまったのが良くなかった。

着地地点がどこかがわからない。


いくら心配しても。

物事は為されるようにしか為されないものだ。

そこに後悔の念があるならば、今するべきではない。

自室に戻り、一人で、安心して息をつけるような場所でやるべきだ。

今することは、後悔ではなく、いかにこの状況を切り抜けるかを最優先で考えるべきだ。


つまり、何が言いたいのか。





私は、おそらく族長であろう竜の顔に着地した。

それも、鼻提灯を潰す形で。

そして、今、目が合っている。


「随分と無礼な人間がいるものだな。此奴もお主の連れか、フィリオ」

「ああ。すまんな。んで、なんの用だ、レーゲン」





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