メイド
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「お初にお目にかかります。ドルチェの姉、アウステーラと申します」
私が攫われていたところを救われてから二日が経った。
ずっと一緒だったヴェドゥーテ爺が犯人だったらしい。
昨日はひどく落ち込んだものだ。
我ながら、私は変わったな、と思う。
あの頃は、泣くなんて許されなかった。
どれだけ悲しくても、笑顔を張り付け、いつも通り高貴に行動するのを強制される日々。
今となっては懐かしいな。
あの日々から救い出してくれたのは、ドルチェだ。
昨日の夜も、彼の部屋で……。
恥ずかしいわ、やめにしましょう。
私の前には、天使がいる。
長い白髪、大きな翼、天使の輪。
「天使」をイメージして真っ先に出てくるような人だ。
尊い。
「ソーレン、今日からアウステーラが君の使用人になる」
は?
え?
は?
「どう言うこと、ドルチェ!天使を使用人にするなんて、そんなに恐れ多いことできないわよ!」
「俺が許可してるんだ、いいだろ?俺の姉も、もう賛成してるんだ」
そっかぁ……。
「ひとまずはわかったわ。これからよろしくお願いしますね、アウステーラさん」
「使用人に敬語などお控えになられてください、ご主人様」
「いやいや、もうちょっと待ってくださいよ。流石にできませんって」
「まあ、時間かけて慣れていけばいいでしょ。それでいいよね、姉さん」
「承知いたしました、旦那様」
「弟に旦那様はやめなよ」
アウステーラの雰囲気が変わった。
「わかった。お前にはいつもどおりだ。いいな、ドルチェ」
「もちろん」
なんか雰囲気強いよぉ……。
不良の元締めみたいな女とは思えない声出してるよぉ……。
怖いよぉ……。
「怖がらせてしまいましたか。申し訳ありません、ご主人様」
豹変したよぉ……。
怖いよぉ……。
「それじゃ、一回どっか言ってよ、姉さん」
「お前の言うこと聞くわけねーだろ、おい」
「は?」
喧嘩始まったよぉ……。
「あの、アウステーラさん?私からも、お願いします」
瞬きした後にはアウステーラさんが跪いていた。
「承知いたしました」
部屋から出ていった。
「ドルチェ?なんでどかせたの?」
「わかってるでしょ」
ドルチェは私を包み込んだ。
今更だが、ここは寮の私の部屋だ。
二人きりだ。
つまり……。
「私今日寝てないんだよ?」
「明日たっぷり寝たらいいさ」
「もう」




