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彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
第一章一節 王立学園一年生編
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蠢く闇

「ドルチェ」

「……」

「お前には残酷だが、これはいい機会だ」

「……」

「二人の捜索を、俺とドルチェ以外のメンバーに任せようと思う」


はい?

私とオウスクリータとアロガンツァとアリサで探せと言うことか?

無理だろう、いくらなんでも。


「は?なんだよ、それ!黙って聞いていれば、都合のいいこと言いやがって!」

「ああ、都合のいいことだ。だが、お前もわかっているだろう?これは既定路線だと言うことを」

言っている意味がわからないが、ドルチェはハッとした顔をしていた。

「わかったよ。ただし、そっちも譲歩しろよ」

「もちろん。俺はソーレンの居場所を知っている。その身が危うくなれば助けることを誓う」

「それでいい。じゃ、みんな。俺の嫁をがんばって探してね」


ドルチェはいつの間にか泣き止んでいた。



ドルチェとフィリオが教室を出た。

捜索メンバーで話し合い、探さなくてはならない。

攫われたのは昨日の夜。

今はまだ学園付近にいるはずだ。


「犯人、誰だと思う?」

オウスクリータが問いかけた。

アリサが答える。

「学園には大陸最上級の警備が敷かれています。その上、一年塔は学園の比較的内側にあるため、犯人はこの警備を突破できる相当な実力者、もしくは……考えたくありませんが、学園内部の者の可能性もあるかと」

その通りだ。

「これ以上絞れる?」

ああ、絞れるだろう。

「攫われたのは二人、どちらも高位貴族だね。でも、ただ身代金が目的で攫うならアロガンツァとソーレンの方が効果的。なんでイントゥリーゴを狙ったのかわからない。少なくとも、犯人は身代金目的ではないと思う」

「そうだね。犯人は、相当な実力者もしくは学園内部の者。そして、財産目当てではない。じゃあ、この流れで攫った理由を考えようか」

「その前に、少しだけ」

「何、アリサ」

「学園内部の者の犯行であれば、犯人を確定させられると思います。先生に、昨日まで学園内に居たけど今日はいない人がいるか、聞いてきます」

そう言って、アリサは足早に教室を出た。

「ありがたいね。じゃあ、理由を絞っていこう」

「ソーレンを狙った理由はわかるかもしれない」

アロガンツァが口を出した。

「言って」

「公爵令嬢という点から肩書に注目しがちだが、ソーレン自身の特徴もあるだろう?あの美貌は男なら欲しいと思うものだ。無論、天使が手をつけたからそんな発想はしないが、身の程知らずがいてもおかしくない。あと、あの長い金髪。多くの魔力を含んでいるだろう。人身売買を生業とする闇商人の目に止まってもおかしくない」

その通りだな。

ソーレンはわかる。

だが、イントゥリーゴは?

それがわからない。

「こんなものかな。次、どうやって、攫ったか」

こんなもの一択だろう。

相変わらず、イントゥリーゴはわからないが、ソーレンはわかる。

「ソーレンとドルチェ、毎夜盛ってるじゃん。確か、昨日もソーレンがドルチェの部屋行ってたでしょ?だから、男子寮から女子寮までの間の道で攫われたんじゃないかな」

「それっぽいね。イントゥリーゴは相変わらず絞れないけど、ソーレンはだいぶ絞れたかな」


アリサが帰ってきた。

「今日から行方不明の職員は二人。風魔導士のイノチェンテ・トリステ子爵と、毒魔導士のファルサ・デリット男爵です」


疑いが集中する。




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