時々頭にくる
夏休みも一週間がたった。
私もオウスクリータも課題のレポートを書き終え、贅沢三昧の日々を送っている。
ずっと、気になっていたことがあった。
それは本人に聞いても答えてくれないことだ。
そして、本人以外で最も詳しいであろう人物がいる。
聞こうか。
「ねえ、オウスクリータ」
「何?」
「フィリオって、何者?」
これだ。
四ヶ月間過ごして全くわからなかった、フィリオの正体。
知りたい。
「わっかんない」
まあ、想定内だ。
「正体、一緒に考察しない?」
「いいよ!私も気になってるし」
「でもまあ、私よりオウスクリータの方が色々知ってると思うから、私が一方的に聞くことになるだろうけどね」
「全然いいよ。視点は多ければ多いほどいいから。それに、レーゲンは信頼できるしね」
二人で話していると、一人の男が話に割り込んできた。
「その話、俺も混ぜてくれる?」
ドルチェである。
「まず、あんたが何者?」
オウスクリータが言い放った。
「あらら、なんでそうなるかな」
「私はご主人様と出会って九年になるけど、その間一回もあんたとご主人様が喋ってるとこ見たことない!それなのに教室で会ったら仲睦まじくしちゃってさあ。どう言う関係なの!?」
早口言葉で捲し立てるオウスクリータに、ドルチェは動揺しながらも答えた。
「ナ・イ・ショ☆」
「うぜえから黙っててくれます?」
「ごめんって。関係は言えないけど、他のことなら一個だけ答えてあげるよ」
「私よりご主人様について知ってるって言うんですかぁ?」
「うん。確実に、知ってるよ」
「やっぱうぜえ〜。話す気失せた。レーゲン、質問していいよ」
会話のテンポが速いな。
まあいい、質問は考えている。
「ご飯を食べずに、どうやって生きているの?」
「それか。前の授業で、魔力の移動ってやってたの覚えてる?」
「うん」
「あれだよ。魔力を直接体に送り込んで生きてるんだ」
ん?
どう言うことだ?
「それは、脳とかに魔力を送り込んで無理やり動かしてるってこと?」
「二個目の質問は受け付けませーん。残念だったね」
うぜえな。
「私も話す気失せた。オウスクリータ、女子寮帰ろ」
「了解」
私たちは歩き出した。
捨て台詞を一つ。
「「一生ソーレンと喋ってろってんだ!」」




