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狗馬心の権化

この一年は、とてもダラダラとすぎた。

仕方ない。

どうせ百点を取れるテストだ。

取れなかったとしても、特級クラス入りは確定している。

公爵家の教育環境は王家を除いて最優秀。

これを四歳からの二年間、そして王家の教育環境を五年間受けてきたのだ。

そして、他にはない幼少期からの知能。

はっきり言って、負ける要素がない。

特殊問題なんて解けないのが当たり前だ。

勉強する必要はない。


「明日は入学試験ですね。どう考えていますか、お嬢様」

「特に何も。受かって当たり前だからね」

「素晴らしいですね!」


ここ最近は、レアルタの成長を見るのが楽しい。

公爵家では少し落ちこぼれ気味で黒髪の食事がかりをさせられていた彼女が王家の一流メイドに触発されて急成長を遂げた。

所作、礼儀、料理や掃除の腕前。

どれをとっても、公爵家ではメイド長といい勝負をするだろう。


二人で大廊下を歩いていると、前に王太子がいる。

「おお、黒髪じゃないか。何か嗅ぎ回る趣味はやめたのか?」

「流石に、受験期ですので。学校に通い始めたら、再開する予定です」

「フン、悪趣味極まりないな」

「褒め言葉として受け取らせていただきます」

王太子は捨て台詞を残して去って行った。


「なんなんですかあの男は!お嬢様に不敬を働いて!」

「まあまあ、どこに耳があるかわからないんだから、やめときなよ」

「でも!」


レアルタは部屋で悔しがっている。

だが、レアルタの忠誠心はなぜここまで育ってしまったのだろう。

接しやすいのは素晴らしいのだが、ここまでくると問題だな。

少し不安になる。

今の発言がバレて処刑されても

「お嬢様のために動いた結果なので構いません。孤児院だけよろしくお願いします」

とか言って死んでしまいそうだ。


「レアルタ」

「なんでしょう?お嬢様」

「一つ、約束事をしておこう」

「なんでしょう。なんでも大歓迎ですよ!」

「私が道を間違えた時は私と敵対すること」

「……えっと、どういう意味でしょう?」

「私が悪に堕ちた時は、一緒になって加担するなって事。できるよね?」

「……はい。お嬢様の願いとあれば」


よし。

これで憂いはなくなった。

安心して試験に臨める。



王立学園は王城の敷地内、最も首都に近いところにある。

移動はすぐに終わった。

案内人に教室まで案内され、席につく。

すぐに試験が始まった。


一教科目、世界地理。


「大陸北西部を治めるサンゼンイン辺境伯の最も重要な責務は何か。」

これは「地獄の大穴の監視」だ。

サンゼンイン家は地獄への大穴がある領だ。

二度とあんな悲劇を犯さないよう、監視は重大に敷かれている。

簡単な問題だな。

地理はすぐに終わりそうだ。


二教科目、魔導。

私には希望が聞かれた。

もちろん、風魔導を選択した。

「風魔導の他にはないアドバンテージは何か。」

「他の属性との乗算効果が高い」だな。

炎を敵陣まで飛ばしたり、地と組み合わせて砂嵐を起こしたり。

本来は補助によく使われる、私とは正反対の属性だ。


三教科目、宗教。

「天使の寿命は何年か。」

これは二百年。

人間の二倍だ。

だが、老化することはないのも天使信仰の一因だろう。


四教科目、特殊問題。

解かない。

寝る。

他の教科で詰まったところがなかったから。

問題を見るのもめんどくさい。



テストが終わった。

結果発表は明日だ。


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