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第4話  知られざる神

私は最近リンバスカンパニーと言うゲームにハマってます。


ジメジメとした空間。


古い本の匂いがただよっている。


 


うっ……。


急な匂いで吐き気がこみ上げる。


やっぱり私は昔からこの匂いが苦手だ。


 


私は口元を押さえながら、 古い本を読みあさる。


 


「夜脳神……?」


 


その名前を見た瞬間だった。


胃の奥がひっくり返る。


視界がぐらりと揺れた。


 


「っ……おぇ……」


 


身体が拒絶している。


まるで、 その名前を知ってはいけないみたいに。


 


「瑠璃ちゃん大丈夫?」


 


聞き慣れた声。


振り向くと、 そこには愛花ちゃんがいた。


 


「う、うん……大丈夫」


 


「良かった〜。この匂いにやられたの?」


 


「そうだよ」


 


愛花ちゃんが来たおかげで、 少し安心する。


張りつめていた肩の力が、 少しだけ抜けた気がした。


 


「あ、そう言えばこの名前知ってる?」


 


私は夜脳神と書かれたページを、 愛花ちゃんへ見せる。


 


「…………知ってる」


 


「ほんとに?」


 


その瞬間。


愛花ちゃんの明るい表情が、 ゆっくり消えていく。


 


まるで、 夕暮れを飲み込む影みたいに。


 


コツ、コツ、コツ。


 


「なんで奴が!?」


 


「瑠璃ちゃん、いいから隠れるよ!」


 


私は愛花ちゃんに手を引かれ、 慌てて近くのロッカーへ飛び込んだ。


 


狭い。


だけど、 不思議と嫌じゃなかった。


 


愛花ちゃんの吐息混じりの呼吸が、 すぐ近くで聞こえる。


 


……奴さえいなければ。


 


「瑠璃ちゃん、こんな展開なんて何年ぶりだっけ?」


 


薄暗いロッカーの中。


愛花ちゃんがニヤついているのがわかる。


こんな時に、 愛花ってやつは。


 


「確か四年ぶりとかじゃない?」


 


だけどやっぱり、 この空間は夜の学校の怖さを打ち消すほど魅惑的だった。


 


コツ、コツ、コツ。


 


奴の足音が、 少しずつ遠ざかっていく。


 


なのに――。


私はロッカーから出ようと思えなかった。


どうしてだろう。


 


ジリリリリ!!


 


「……愛花?」


 


私は勢いよく身体を起こした。


 


朝だった。


 


「待って……今日って何日?」


 


震える手でスマホを掴む。


表示された日付を見た瞬間。


 


背筋が凍った。

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