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法と政治の無知な批判者に告ぐ  作者: i/o


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選挙権 民主主義の転換期に立つ今僕らが考えるべきこと

本当に久々の復帰です。

k 最近は選挙関連の裁判所の判断が多い気がするね。


s 未成年者の選挙運動、受刑者の選挙権。これが主な争点になっていますね。


k 僕としてはどっちも認めるべきだと思う。ただ、対論として「未成年者が選挙運動に参加すれば判断力が足りないまま選挙に利用される恐れ」や「未成年者が意に反して選挙運動に従事させられる恐れがある」というものがある。受刑者の選挙権も「法律を守れない人間が選挙をする事はできない」といった意見がある。僕はそれに対して反論の余地はあると考えるよ。


s 国側の意見も真っ当といえば真っ当ですよね。そこに反論の余地はあるのですか。ネットだと未成年者が選挙運動をしたいということについて否定的だったり、受刑者の選挙権なんて論外みたいな風潮がありますが。


k 公職選挙法の規定において未成年者「十八歳未満」の選挙運動への参加は禁止されている。ちなみに大人でも選挙期間外は選挙運動は禁止されているから勘違いされる部分は多いかも。 

 かつて、未成年者を利用した選挙運動で連呼行為等によって有利不利が強くなったために禁止された歴史がある。

 でも、個別の規定で公職選挙法第十三章百四十条二項で

「何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前八時から午後八時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。」といった具合で禁止されている。


s そうなると、昔の理由では制限する理由には当てはまりませんね。


k 今回の東京地裁での判断は、個別規定で制限できるため未成年者の自発的活動を一律に禁止する理由はない。しかし、意に反する選挙運動に参加させられる恐れがあるとし、選挙運動における「使用」は禁止のままでも違憲とは言えないと判断した。


s 自発的か使用されるかといった観点で判断したのですね。


k 今回の判決は違憲だったが、国への賠償命令は下されなかったために国側は控訴できない。そのため原告の動きが注視されていたけど、最高裁での判断を仰ぎ法改正につなげるためにも今回は控訴すると決めたよ。


s まだまだ長い戦いになりそうですね。


k 公職選挙法の規定は違憲判決を食らうのは初めてではない。時代とともに古くなった箇所が新しい人権や技術革新によって憲法と相反する状況が起き始めた。今回もその流れの一つだと思う。

 タラレバだけどもし最高裁で違憲判決が出れば高校の公共の教科書にのると思う。それぐらい今僕たちは歴史の転換点に立っていることを感じ取る時が来ている。


*ーーーーーーーーーー*


s 受刑者の選挙権の制限って普通に考えてなんか問題はあるのでしょうか。


k 選挙犯罪は厳しい制限を受ける。選挙権と被選挙権を五年は失う。これを公民権停止と言って結構結構な処罰を受ける。まあ、そもそも拘禁刑に処されている期間が三年か四年だから出所できても制限は続くよ。


s 当然と言えば当然ですね。


k ただ、ここで考える必要があるのは「選挙犯罪」以外の犯罪は選挙権の制限の対象になりうるかということ。考えてみな。極左暴力集団や暴力団でも選挙権を持っているんだよ。制限するならそこも一定に制限するべきと思わないかい。


s 確かに、暴力主義の排除という観点ではそっちも制限しないとまずい気がしますが……


k 選挙権を失うパターンとしては以下に挙げる例のみだ。2026年10月21日時点での総務省のホームページから引っ張ってきた。


「1.拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者

 2.拘禁刑以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)

 3.公職にある間に犯した収賄罪又は公職者あっせん利得罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者

 4.選挙に関する犯罪で拘禁刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者

 5.公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者

 6.政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、 被選挙権が停止されている者」


この中に暴力団の排除や過激思想の排除は書かれていない。いや、書くことができない。日本国憲法で


「思想・良心の自由」


 が保護されているからだ。民主主義はそういうものだ。選挙は国の代表を選ぶうえでもっとも重要な国民の権利の一つだ。たとえ極左の過激思想とされていても時代によってはそれが中道、もしくは右派となることだってある。時代によって動き続ける「思想・良心」は縛ると民主主義自体を否定することにつながる。

 かつて、王政だった頃からすれば民主主義なんて過激思想の一端だっただろう。民主主義を守るためには過激だから、という理由で排除してはいけないんだ。



 しかし、選挙犯罪は別だ、選挙の票をカネで取る行為がまかり通れば金持ちだけが選挙をできる時代に後戻りする。そうなると民主主義の根幹を揺るがす事態となる。だから、公民権停止と行った選挙権の制限が行われるんだ。


s そうなると、ただ刑を受けているからというだけで選挙権がないというのは矛盾が生じてもおかしくないと。


k そういう事。窃盗とか器物損壊は確かに治安を悪くする行為として国から制裁を受ける。でも人権は奪われない。人権を奪えたら拷問や残虐な刑罰が行えてしまう。「人」ではないから。それはおかしいと、刑務所にいる人間にも人権は保証するべきだと行った考えが現代社会には根付いているんだ。選挙権は投票した行為によって確かに過激思想に偏るかもしれない。でも民主主義ってそういうものでしょという考えからいくとやはり受刑者に対する一律の選挙権制限は違憲と捉えられるんだ。


s 未だに裁判で争われているのを見るとやはり根深き問題であると感じますね。


k 民主主義ってこれが完成形、といったものは存在しないから立法不作為(違憲と分かっていたのに法改正せず放置していた場合)でもなければしょうがないと思う。思想は変わっていくものだから。

 受刑者も制限を受けるべき物はあるけど、更生のための施設だということを考えると何でもかんでも制限したとき社会に出ると何もできなくなる。難しい問題だけど目をそらすべきではない。




 どっちの問題も現時点では最高裁の判断は下っていない。しかし、インターネットが普及した現代では選挙に関する考え方が根本的に変えられようとしている。最高裁の判断が下る前でも、法改正につなげる議論は始めてもいいはずだ。

デイリー六法、見飽きたと思ったら新しい条文出てきて自分の詰めの甘さを痛感させられる。

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やはりそう言う意見になりますよね
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